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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
第五十章:亡羊の嘆

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あれっ? ……どうしよう

 公の卓越した馬術によるものか。


 主との死こそを誉れとする、気位の高い愛馬の必死によるものか。


 辺りを揺るがす振動の中――公も槍を構えて見事な突撃の姿勢に。


「相対速度! 時速671キロメートル! 激突! 今っ!!」


 陶片の娘、トキノからの報せを耳にしていたまさにその時。俺は――実に困り果てていた。


 ……う~ん。オカシイ。


 ここまで汚れ役(ヒール)を買って出て……圧倒的な目に見える戦力差を披露したと言うのに、公が勝負を投げなかったのは――計算外だ。


 江戸期の道場破りに千葉周作の道場に押し掛けた道場破りが居た……と言うが。


 その道場破りは長い刀での突きを得意としていた事から――千葉はそれの相手をするため、盾のように大きな鍔の竹刀だか木剣を手にして相手をしたとか。


 そんなノリ、そのままに――俺はバカげた茶番まで弄して……とんちを利かせたつもりで。


 勝負を御破算にするつもりの予定でいたのに……。


 なんで、そのまま勝負が始まっちゃってんの? いや、ガロワ公……死んじゃわない? これ。


 ……いや、死んじゃうよね? 『ボトル』で癒す事も……できそうにないくらい、木っ端微塵に、ぱっ! と散って散華ッ! って感じになっちゃうよね。


「――激突! 今っ!!」


 トキノの声に我に返ると、両手の制動棹を壊さんばかりに握り締めていた。


 だからと言ってカルマンキドゥラの体重と、咎の神像の質量。慣性が殺せる訳でも無い事に気付いたのは、公を正確に捉える槍の穂先が、彼を消し飛ばす間際のこと。


(……あ、スキュデリに頼まないと止まる訳……無いじゃん)




 * * *




 スローモーションの光景のように、クリスマスのもみの木にも似たサイズ感の馬上槍が、公を辺りに撒き散らそうとした刹那。


 俺の集中に集中を重ねていた……らしい視野は、斜め後方へとすっ飛ばされて暗転。

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