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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
第五十章:亡羊の嘆

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聞こえない聞こえない、あーあーあーっ……

 ……、――、……、


 俺が姿を顕わにするなり、戦場はしわぶきの音ひとつ、鳴りを潜めて――静寂に包まれた。自軍サイドで、俺の登場を待つ各貴族家の令嬢方も、同様で――。


 幾人かが信じられないものを目にしたかのように、目を瞬いて、それでも信じられないと言いたげに、面頬を静かに跳ね上げる。


「……え、ええっと。辺境……伯……殿……ザンス……よね?」


 肝が太いと言うか、面の皮が、お厚いと言うか……並大抵のことでは動じる事も無さそうな公が声を震わせる。


 その声に俺は、元気に はきはきと――アスペ全開にお返事。


『はい! オチュア・マブラガニス・ガンツフェルト辺境伯ですっ! 今日の果し合い! 宜しくお願い致します!』


 ……プライバシー保護の観点から、音声には加工を施してあります。名乗りと言うよりも、挨拶と言った向きの――俺の声と同時に、敵味方 双方から湧き上がる どよめきの声。


「ちょ……ちょっと待ってくれ! 辺境伯殿! そ、それは……それは……あんまりじゃないかっ!?」


 自身の信じる騎士道から、あまりにかけ離れた行いを平然と成そうとする俺に――慌てた声を上げる公爵家令嬢。


「……あぁ~、間違い無く……ツモイさんだわぁ……悲しいけれど……私、分かっちゃう」


 俺の存在を、俺の事を理解して認めてくれるデズデモーナ(有難う! やはり……共に、槍を交えただけの事はある訳だな!)


「か、かっこわるい……どうしよう……気持ち悪いだけじゃ無くて。すこぶる……どうしようもない程に、格好悪いわ……」


 それを口にするのは、いつもいつも俺を色眼鏡で、優しく見守ってくれるリュシル(……う~ん♪ うるさいぞぉ? 黙れぇ~?)


 そして、我に返ったかのように 罵声を張り上げ始める王国軍の兵卒の皆様方。


 罵声を向けられる今の俺にとって、それはまるで……ケージの中のハムスターの非難にも似て取るにも足りない。


 ひまわりの種を寄越せってってかぁ? おやつ抜きでも良いんだぞぉ? んん~?

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