思えば……ここから始まった
「……ヴィルマ。とりあえず、何か着ろ」
そんな恰好のまま飛び込んで来た辺り、余程のことなのかも知れなかったが――女の子なんだからさ? 水浴びの最中だったのは分かるけど、服くらいさぁ?
「わしの裸で、ハァハァするのは後じゃ!」 (……するかよ)
「数は3人じゃった! 初めてオークというものを見たわい! ツガータの言う通りファッキ(電子音)なほどデカい、恐ろしい奴らじゃった! 今、コタローが食い止めてくれておる! 早くなんとかするのじゃ!」
この子にしてみれば珍しい剣幕。しかし、この辺りにオークなんて――ツォンカパの部族『頌の部族』の連中ぐらいしか居ないハズ……。仮にアイツらがなんらかの方法で、この『領域』に入り込むことができたとして、攻めて来たのだとしたら……それは、も~白旗を振る以外に方法がない。
「ツガぁータっ! 早う! こういうことは男の仕事じゃろうが! 早うチャカに弾を込めて用意をせい!」
髪を洗う途中だったのだろう。シャンプーで痛む目を閉じて、必死に服の裾を引っ張り、オークたちの元に向かわせようとする。
「……チャカなんて、持ってねぇよ」
それどころか実物を見たことすらない。俺、日本人なんですよ?
目が開けられない様子の、服も着ていない この子の手を引き、家に戻り水瓶の側まで連れて帰る。桶に汲んだ水で髪を流し、ヴィルマが目を拭う間。俺はベッドに腰掛け、開け放った窓から空を見上げるネルの様子を――そっと窺い見る。
「――あ、お空……きれい。蝶ちょ! 蝶ちょ!」
先日までのチーズ造りでおっぱいを搾ること、日に25ℓ。やはり、イデアの身体とやらでも……体重の半分近くも搾り続けるのは……きつかった……のか?
ネルが、こんな調子であることが原因で『領域』とやらに影響が出たのだろうか? 正直、状況も何も、良くは分からなかったけれど。とりあえずネルとヴィルマを家に置き、ツォンカパに貰った剣一振りを持って――泉の様子を見に出掛ける事に。
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