表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/1638

……巣って、なんだよ

 店内は高く積み上げられた商品が、所狭しと並べられ、それが目隠し代わりになって、人の視線に閉口していた俺には、この上無く有難い。


 まさに〝石を得たダンゴムシの如し〟


 少し落ち着きを取り戻した俺は、ネルの買い物のついでに、必要そうな物を買い揃えることにして


 ──今から向かう、ネルの言う『巣』について少し考えてみた。 


 この時点に来ると既にネルが「最も古き六の大龍の一頭にして、遍く全ての生命を司る白龍」だと言う話も──あまり気にもしなくなっていた……かも知れない。


 考えることを放棄していたとも言う。


「あとで本当の姿のアタシも見せてあげるわよ」


 その言葉も、どーせその時になってみれば、事実として披露されるに違いない。


 もはや、ここまで来たら──どう疑ったところで無駄なことだと、妙な諦観すら持ち始めていた。


 売り物の鏡に映り込んだ、自分の「顔」の非常識なこと……非常識なこと。

  

 さて『巣』だよ『巣』。


 イメージとしては……まずは、某狩りゲーに登場する、火竜夫婦が卵を護っているような洞窟が思い浮かぶ……が。


 ──うん、無いな。ナイナイ。


 そんな環境で俺が生きていける訳が無い。


 すぐに死んでしまえる自信がある。


 生まれ変わる以前の俺にしたって同じことだろう。



 ……と、なると。



 ノイバンシュタイン城みたいな、デッカいお城に……金銀財宝を詰め込んだファンタジー感、満載のお城?


 どうしよう……。まったく、気が休まる気が……しねぇ。

 

 取り留めも無く考え続け、ネルに引っ張られるままに店内を歩き回って──気が付いてみれば、アレコレアレコレ……アレコレアレコレアレコレアレコレ……遠慮会釈無く、ネルが放り込んで来る商品で、買い物カゴは一杯に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ