おっさんに、すり寄られる
そんなプリングルスのトレード・マークか? と言った格好で、金に余裕も無いと言うのであれば、ぱっと思い付くところで、その手のヤクザな稼業の方々しか思い浮かばない。
しかし……だとしたなら。こんな人目を引くような騒動を起こすものだろうか?。
ヴィヴィの奴が、こちらを向いて投げかけた「旦はん」の一言に、その御仁は救いの御手を見出したかのように、こちらに駆け寄ってすがり付いて来た。
(うひいいぃぃいっ! う、鬱陶しいぃ~っ?!)
どう考えてもこれから先、面倒臭い展開しか思い浮かばない。何度も繰り返すが……もう俺は、今日はホトホトくたびれ果てている。
面倒事を片付けるにしたって、できる事ならば――明日。
良く言えば2~3日後。
さらにさらに贅沢を申し上げるならば……お引き取りを。……と、心の底から、お頼み申し上げたい。
そんな俺の様子を気にする様子も無ければ、余裕も無い御様子でその御仁は
「あ、貴方様が、あちらのお嬢さん方の御主人様ザンスか!?」
そんな風に……頼んでも居ないにもかかわらず、御自身の苦しい懐事情の説明に始まってからの――掛け金の返還を、必死に訴え始めた。
* * *
外で冷えきった身体も堪えることから、風呂へと向かうと――ヴィルマもやって来て、服を脱ぎ散らかし始めた。
「掛け湯せぇ」と何度言っても聞いてはくれない……このお子様。
元気良く湯殿にダイブ。……まぁ、今日は本気で世話になった事だし、この辺にして見逃すことにしよう……。
「あ、あんてぃぐあでは……こ、この、寒い所から帰って風呂に入る……じんじんする感触を味わうことは無かったのじゃあ……」
湯の中で、ぷるぷる身を震わせるヴィルマの様子に――
(……おまえ、まさか。風呂で、おしっことかしてんじゃ……あるまいね)
不安になりはしたが、流石に……流石に それは無いだろうと、
必死に、おしっこ香るイメージをを振り払い、シャワーついでに髪を洗うことに。




