もう、それでイイ
「さっきの耳打ちはどーしたんだよ? そんな声で、喚いたらまるで意味無いだろうに。……いや、意味無くて結構だけどもさ。でも通報されかねないから……もう少し、トーンを落としては貰えまいか」
(結構、パニくってるな……俺)
「大体、メトレス・マリアさんだっけ? 彼女に言われたのは……なんとかの、お導きに従え。そして、お前と最初にその……する果報者を草の根を分けてでも探し出せ……って、言われて この国にまで来たんだろ? 本末転倒だろそれ?」
「こう考えるのじゃ(どう考えるのじゃ?)。エルズュリ・フレイダのお導きで、最初にファ(電子音)する者を探して一緒になるのではなく! 最初に(電子音)ックした者が、エルズュリ・フレイダのお導きで、出会った運命の相手なのじゃと! そうじゃ!! そうしよう!? もうそれでイイ!!」
なんだか凄い勢いで、御高説らしきものを垂れ流しておられますが……。
「……正直、なんだか面倒臭くなって来たのじゃ。もう誰でも良いのじゃ……」
――突然のトーン・ダウン。虚ろな目をして、床に目を伏せる褐色ロリ。
「……この辺りで治安の悪い、ゴロツキ共がたむろう場所はないかの? ホームレスの溜まり場でも良い……。寝床ぐらいは……恵んでくれるじゃろう……。あぁ、商売女が立ち並ぶ通りでも、あれば手っ取り早いの……。もう……一向に構わんのじゃ……。適当に誰かに(電子音)ファック……して貰って……食べ物と……住む所を、どうにかするのじゃ……」
よろよろと立ち上がると、悲壮感たっぷりの迷惑な空気を垂れ流して、荷物をまとめ始めるヴィルマ。
「お世話になったのじゃ……。もし、気が向いた時には、わしのことを思い出して……。良かったら買いに来て欲しいのじゃ……。そのお金で、沢山の辛いことを忘れるために、あの美味なるお菓子を買うのじゃ……。買えるといいのぉ……」




