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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
四章:帰還

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わしのロアが、そう告げておるのじゃ

「とりあえず……空港から出たバスに、この子の忘れ物が無いか確認……かなぁ。事情が事情だし、後は特に何も無ければそれで……。この子、日本語ダメみたいだから、少年課で英語ができる人が居れば、英語対応ができるホテルなりに、送って貰えることになるんじゃないかなぁ?」


 俺が調書に書き入れた項目に、不備が無いかを確かめたお巡りさんは、上司になにやら相談して、電話をかける。


「何を話しておったんじゃ?」


 むっちゃむっちゃむっちゃむっちゃ……。口の中をハイチュウで一杯にさせて、俺と警官のやりとりの内容を聞いて来るヴィルマ。簡潔に説明して「あんまり、お巡りさんたちに御迷惑をおかけするなよ?」釘を射す。


「この国のポリスは、ふぁっきんなほど親切なのは、わかったぞ♪ 安心するのじゃ」分かったのか、分かって無いのか……。


「じゃあ、俺はこれで帰らせて貰うからな?」


 電話中のお巡りさんに会釈をして、そばに居た婦人警官のお姉さんに確認すると「お疲れ様でした」と労いのお言葉。


 その俺のやりとりを、見ていたヴィルマは「失せ物は、冷蔵庫の上にあるとロアが告げておる。世話になったの」それだけを口にすると、またウットリした表情で――ハイチュウを口に放り込み、噛み締める。


「……ブドウじゃろ? イチゴじゃろ? オレンジじゃろ? リンゴじゃろ? 一緒に口に入れると、色んな味が同時に拡がるのぉ……。クっソ、ふぁっきんなほどに、美味しいのぉ……本当に、これは神の食べ物じゃのぉ……」(……失せ物? ネルの給料袋?)


 子供の取るに足らない戯言と、考えればそれまで。けれども なぜか、ヴィルマのその言葉には、実体を伴った――説得力とでも言うものが感じられた。


(ネルぅ? 今からそっち行くけど、合流してくれるかぁ?)


 指輪で呼びかけて、もう一度、派出所の皆さんに会釈すると俺は、その場を後にした。

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