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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
一章:多分、これがプロローグ

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モブ過ぎません?

「アンタが、亡くなった理由? えっ……と」


 俺からの質問に一瞬、言い澱んだように見えたネルの表情に、身構えもしたが……それは、まったくの肩透かし。


「……アンタがね? こまごました物の買い出しに出かけることがあったんだけれど……多分、巣に戻る途中の、岩棚の細い道で……崖から落ちて……死んでた?」


「ど、ドラマチックな展開は無いのか?! もーちょっと……もぉ~ちょっと……繕わない?」


「そんなこと言ったって……」


 聞かれたことを素直に答えただけで、不服を申し立てられたネルが、唇を尖らせる。


「帰りが、遅いなぁって思って? アンタが買い出しに向かった、街の途中まで迎えに行ってみることにしたら、アンタ……崖の下に落ちて、とっくに死んでたんだもの……。死んですぐだったら、蘇らせてもあげられたんだけど……。なんか既に、アンタの中身は生まれ変わった後だったみたいで、手遅れだったのよね。生まれ変わったアンタを探すの、ほんっと苦労したわ……。姉さんと妹たち総動員したんだから」


 なんだか良くは解らなかったが……。俺に会うため、随分と骨を折ってくれた……らしい。


「それでね……あのぉ……ね?」


 突然、ネルの声音が、こちらの機嫌を窺うようなものに変わる。


 「どうかした?」


「……えっとね? アタシも……ひとしきり……すっきりして……その……。お陰で、今……気がついたんだけど……」


 ネルがもじもじと、なにやら決まりが悪そうに――俺が以前100均で購入して、ベッド脇に放置したままだった、埃を被った安っぽい鏡を手に取って見せた。


「多分……さっきまでアンタが、アタシのおっぱいを一生懸命吸ってくれていた……せいなんだとは……思うんだけれど……ね」


 鏡に映り込んだ自分の顔を目にして──言葉を失う。

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