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もっとドラマチックな出会いが良かった

 頭を押さえ、さも億劫そうに──ネルは続ける。


「別に今更……アンタに隠すものでもないし、信じられないのなら、その内……本当の姿のアタシも見せてあげるわよ」


「え〜っと……んで? ネルさん。これを聞くのも、どーかとは思うんですが」


 ──薮蛇になりそうな事は分かっていただけに、俺はネルの顔色を窺いつつ、質問を切り出す。


「話も進まないし、ぶっちゃけて色々聞くけれど。ちなみに死ぬ以前の俺と、お前って、どーゆう馴れ初めで知り合ったんですかね? 流れを察するに前世でぇ~……って、展開のお話なんだよな? コレ??」


「……どーしよう。アンタに……記憶が残っていないのは、分かっていたハズなのに。なんかアタシ……流石に泣きたくなって来たわ……」


 目頭を押さえる彼女。なんか本気でごめんなさい……。でもコレ、俺が……なんか悪いのか?


「馴れ初めってほどの……特別な出来事は、別に無かったわ」


「へっ?」


「……ただ、あの時。アンタが住んでいた村の側を通りがかった……この姿のアタシに――アンタは、果物をひとつ投げて寄越してくれたの」


「……はぁ」


「──えぇ。全く、それだけのきっかけよ?」


「そ、それだけ? それだけの理由で付き合いが始まったのか? 六の大龍なんて、大仰なキャッチ・コピーのお前と、人間設定の俺がか? ず、随分……雑じゃね? その馴れ初めの設定。そこは……もうちぃっと、ひねってくれよ。雑過ぎんだろ」


 するとネルは、少しだけ嬉しそうな表情を浮かべて


「人間には、解らないでしょうけど……。アタシたち獣は――求愛する時には大体、オスがメスに食べ物なり、巣を差し出すなり、歌だったり、踊りだったり、オス同士の闘いの勝利を捧げるものなの」


 ……まぁ、うん。なんかのテレビでも、観た気もする……よ?

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