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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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伝説の白龍

 未だに直接、ネルの龍の姿を見たことが無かった俺は――あいつを常識の範疇で測れない存在であることは、重々承知しつつも、事あるごとに口から飛び出す「龍」という語を、単なる枕詞か、記号ぐらいにしか、考えなくなってしまっていたのかも知れない。


 ツォンカパの口から、ネルの名前が出て来たことに――少し驚いていた。


「伝説上の存在だ。目にした者はおらん」


「……ふ~ん。そうなんだ」


『地味』ながらも、数々の――神の奇跡めいた事柄が、日常的になっていた お陰で、そのネルを指す『伝説上の』という語についても、なんの感慨も湧かなかった。まぁ「だろうね」と、くらいしか。


「白龍ネルを連れと言っていたが……ツモイよ、それはお前も……」


 ツォンカパが、そこまでを口にすると、集まって来ていたオークたちは、一様にどよめく。

 

(アイツ……作物だったり、貯蔵された保存食を食い漁ったりして……オークの皆さんに、ご迷惑をお掛けしたことは、無いだろうな)


「いや、俺はフツーの人間。そもそも申し訳ないけど、このボトル……」


(そう言えば、名前が無いなコレ……)


 ――少し考える。


 正直、名前なんて どうでもいいとも思うが……。都度、尋ねられる度に、返しに詰まる様なら、今考えてしまった方が良いようにも思える。


 けれども、まだ不慣れの感が残る、こちらの言葉で名付けると言うのは……。なにか、とんでもない間違いを孕みそうで……少し怖い。ネル以外に知る者の居ない母国語、日本語で名付けるのが無難な気もするが――。


 残念なことに、シルウェストリスで用いられる言語の音から――日本語は、かけ離れ過ぎている。

 

 それはもう、シンセサイザーで合成した音と、和楽器の鼓の音か、尺八の音くらい違う。きっと、こいつ等を始めとして、こちらの住人の感性からすれば


「すちゃか、ぽこぽこ……こぽぉ♪」


 ……くらいに奇妙奇天烈な、間の抜けた響きとして耳に届くのは間違いない。

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