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おっぱいで人生を踏み外したバカな男の話を聞かないか?  作者: ……くくく、えっ?
三章:うろくづの森

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ボディチェック

 食事を終えると、すぐにでも横になりたかったが、ひとつしか無いベッドで、一緒に眠るネルのことを考えると、水浴びに行かざるを得なかった。


 ……と、言うか。


 身体も洗わずに眠るなど、日本に生まれた現代人としては、許容し難い。

 これは現代人としての、アイデンティティーを護る、最後の砦。


 いや、単なる習慣なだけでして。ハイ。


 泉に辿り着くと花さんと小太郎が、こんな時間帯にもかかわらず、先客として水遊びにやって来ていた。成長した小太郎は、初めて出会った時の面影は無く、立派過ぎる成獣に。


「また、お前のかーちゃんに襲われたら……護ってくれよ?」


 泉のほとりで、いつものように身体を洗う。遊んで欲しいと、鼻を鳴らして――すり寄って来る小太郎を押しやり、ナアス蠅に刺され続けた、全身をチェック。


 あいも変わらず身体には、刺された跡どころか、(わず)かな赤みすら残ってはいなかった。


(『死体蠅』の意味だとか言ってたよな。ツォンカパの奴……)


 詳しい訳では無かったが……なんらかの機会に蜂の針は、産卵管が変化したものだという話を、聞いた覚えがあった。全身に変化は無いかと、神経質なほど確認する。


 もっとも、あれは「蠅」であって「蜂」では無い訳だが……。


「心配しなくても大丈夫よ?」背後からネルの声。


 手に海綿を持っているところを見ると、背中を流しに来てくれたのか――「のぞきに来ちゃった♪」優しい気遣(きづか)いに、気を良くしかけたが、肩透かし。


「ナアス蠅に刺されて、気になってるみたいだけど、問題無いわよ? アタシの力で、治したんだから。体内に卵でも植え付けられていたとしても、異物として押し出されるわ」

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