幼少期⑦
ミルが部屋に入ってきて、俺の使い魔達と対面したのはいいのだがまぁ、家に知らない男女2人と大きな狼1匹がいたらそりゃ驚くわな……
「あぁ、ミル紹介するよ、この度俺の使い魔となった者たちだ。」
「神級悪魔のネメスです。」
「私は神級天使のスーリアよ」
「儂は精霊皇の皇狼、今は主から名を貰いキウンだ。」
「アア、アルト様、もしかして全部と契約したんですか?」
「そうだけど」
「さ、流石アルト様です! 凄いですね!3体と契約なんて聞いたことありませんよ!」
先ほどの驚いた顔とは変わり、いや、変わっては無いかな? でも、とても嬉しそうに、うぁ! となっている。
「そういう事だから、こいつらは屋敷の行動を自由に出来るように他の使用人達にも伝えておいてね」
「はい!」と言って部屋を出て行った
「あ、そうだ1つ聞きたいんだけどさ」
「何ですか主」
ネメスが答える
「あぁ、その主ってのやめてくれない? アルトでいいよ」
主ってなんかねぇ? 言われるなら可愛い奴隷の幼女って決まってるよね? ね?
「わかりましたアルト様。それで聞きたいこととは?」
「そうそう、なんでネメスは俺に戦いを挑んだのに他の2人は挑まなかったの?」
「それは……」
ネメスが口ごもる。
それに変わってスーリヤが答える
「それは私達は召喚された時に本能でアルト様には勝てないと直感で察したからです。でも、あのバカは、アルト様が子供故に自分のプライドが邪魔して素直になれなかったんじゃ無いかと」
「儂も、そうだと思う」
少しネメスが動揺する。
「まぁ、そうですよ!」
少しヤケになってネメスが答える
「ふーん、まぁいいや今は俺と契約してくれたんだしね」
「「「はい!」」」と3人揃って嬉しそうに返事する。
「んで、みんなの役割なんだけどさ」
「何でもお申し付けください。」
ネメス、スーリヤは膝を立て頭を下げ、キウンは伏せる
「スーリヤとネメスには俺の専属護衛兼、スーリヤは秘書として、ネメスは情報、暗殺などの影の仕事を主に任せる。そしてキウンは小さくなれる?」
「勿論でございます」
「ならキウンは小さくなって俺にモフモフされるのと、移動時に俺を乗せるのと後はその都度様々なことをって貰うつもりだ」
「「「イエス、マイマスター」」」
キウンだけ何処か納得していないような顔をしていた
そのあとキウンは猫くらいに小さくなり、俺はそれを抱き抱えた。
モフモフしててとても気持ちい
「ねぇ、早速だけど今から街へ行かない?」
「「了解ですアルト様」」
「あ、アルト様、1つお伝えしたい事が」
「なんだスーリヤ」
「はい、私達は契約をしたので、念話が使えるようになりました。なので、どれだけ遠くに離れていても会話する事ができます」
「へぇ、便利だなぁ。有難う、教えてくれて」
「いえ」
「じゃあ、街に行こっか」
俺は扉に「街に行く、お昼ご飯はいらない」と書いた紙を貼っておき、キウンを抱きながら街へ行く。
昼過ぎと言うこともあり街の飲食店は活気づいている
その中で僕は少し考える。
自分のお店を出したいなと。
まぁ、俺が今日街に来たのはその事について何か無いかなと思ったからなんだけど
まぁ、帰ってからよく考えよう! と思いキウンをモフモフしながら歩くのだった
1時間ほど街を歩き、その途中でオークの肉の串焼きや、小麦で作った生地に野菜や肉を巻いたものを食べてお腹を満たした。
それから少しすると、街の広場に出る。
大きな噴水が真ん中にあり、他の場所より少し賑わいが大きい。
そんな中、1人の女の子が強引に腕を引かれているのを見つけた。
「キャ! 離して!」
「黙れ! 大人しくこい!」
大柄な男3人に囲まれながら裏路地に引っ張られて行く
周りの人は助ける勇気が無いのか、力が無いのか見て見ぬ振りをするだけだ。
「ネメス、スーリヤ」
「分かってます」
ネメスが答え、スーリヤは頷く
キウンは俺の腕から離れ自分で歩く
「へへへ、嬢ちゃんいい女だな俺達と少し遊ぼうぜ!」
男は手を掴み抵抗できなくしている
「やめて! 離して!」
「へへへへ! 誰もこねぇよ」
男が服に手をかけようとした時、丁度俺たちがつく
「ねぇ、おじさん達何してるの?」
「あぁ、ガキが死にたくなけりゃさっさとどっかいけ!」
「親分、こいつかなりいい服着てますぜ! 」
「そうか、ならこいつもやっちまうか!」
3人のうち1人がこっちに向かって歩いてくる
あたりは薄暗く、人通りも全く無い路地裏
「ネメス、やれ」
「はっ!」
ネメスはスッと男の前まで移動して首の裏にチョップをして気絶させる。所謂首トンだ
女の子を襲っている男とまた別の男が何か言いかけるもネメスはそれより先に2人同時に鳩尾を殴って気絶させる
「終わりました」
それと同時に女の子が地面に座り込む
俺は近づき怪我がないのを確認するとネメスに抱っこさせて表まで運ぶ。俺は男達を近くにあったロープで拘束し、表に偶々いた衛兵に引き渡す
「アルト様! 有難うございます。本来は我々の仕事ですのに」
「いや、いいよ。お疲れ様」
「恐縮です!」
そう言って男達を引き連れて去っていった。
それから女の子は俺たちに「有難う」とお礼をして街に戻っていった。
ふと空を見上げると、夕焼けが綺麗な時間になっていた。
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