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幼少期⑤

「アルト様、お帰りなさいませ」


僕が家に着くと門番の2人が挨拶をする。


僕の家は門の前に基本的に2人体制で長槍を構え、顔の見えるヘルムと、部分鎧を着用した門番が立っている


「ただいま」


特に何も無く門を通り、長い庭を通り家に入る。


ガチャ


「あら、お帰りなさいませアルト様。今すぐにミルさんをお呼びしますね」


ドアを開け家に入ると、たまたま前を通った使用人がミルを呼びに行く。


僕の専属使用人がミルなので身の回りの世話や付き人として常にいる。でも1人で出かける時などは休憩室で休憩しているので、誰かに声をかけて呼ぶ必要ががあるのだ。


「うん、ありがとう。いつも悪いね、ミルには僕の部屋に来るように言っといて。」


「わかりました、では」


使用人は休憩室に向かった。


冒険者ギルドではかなりの面倒事を食らったが、その面倒事を上回るくらい、初めて見る街を散策するのは楽しいものだ。


今回は武器や防具を見ただけだが、後々屋台や装飾屋を除くのも悪くない。


……っと、そう言えばこの後


ーーステータスを見せなければならないんだったーー


いや、とても困ったことに、すっかり忘れていて周りの人のステータスを気にしていなかったから周りの''普通''のステータスが分からない。


頭を悩ませている時は、時が経つのが早く感じる。何時もは遠いと感じる屋敷であったが、今回に限ってはとても短く感じた


ドアを開き部屋に入って上着を脱ぎ、ベッドに倒れこむ


「もう何も考えたくない」


そんなことを考えながらベッドに顔を疼くめる


しばらくするとノックが聞こえる


ミルだ


「アルト様、お帰りなさいませ。お風呂の用意ができていますが、如何いたしますか?」


風呂か、そこでじっくり考えるかな


「うん、お風呂の用意しといて! すぐに行くよ。」


「わかりました、では」


ミルが去ってから数十分後、疼くめていた顔を上げ、ベッドから降りる


さて、お風呂に行くか。


それにしても、ステータス……今日なんだよな……。


神殿で神官様から聞いたけどこの世界では本来、洗礼を受けたその日しかステータスは見ることが出来ない。逆に言えば、洗礼を受けた日であればいつ何時でも見ることが出来る。


そして、洗礼は5歳の初回は無料であるがそれ以外の年齢では金版貨5枚という高額な利用料が請求されるため、殆どが1回かステータスを見ることは無い


アルトが如何なる時でも確認出来るのは、神からのおまけに含まれているのであろう。





はぁ、気持ちよかった。

やはり風呂はいいものだ。

この世界に来てから一番体を動かしたからな、少し疲れた。


風呂に入っている間に悩みの種のステータスの事も解消したし……このあと何をしようか


そんなことを考えていると、ぽかぽかとした体温に睡魔が遅い、気がつけば寝ていた。


どれ程寝ていただろう。日は傾き、カーテン越しにでも、朱色の光が部屋を照らす。俺はノックの音で目を覚ます


「アルト様、ご飯のご用意が出来ました。皆様お待ちです。」


「うん、今いくよ」


僕は食堂へ向かった。頭を悩ませるものがないと、やはりこの道のりは長く感じる。


「おう! アルト、町はどうだったか?」


部屋に入るなり早々父様に聞かれる。


「楽しかったですよ! 色んなことを知れましたし! そんな事よりお腹が空きました、早く食べませんか?」


「悪いな、では頂こう」


父様がスープに手をつけるとみんなが食べ始める。


一般的な、平民の家庭は知らないが大体の上級貴族では、当主が料理に手をつけた後それ以外のものが食事を始める。


「ところでアルト、ステータスはどうだった? ほら、見せてみろ。」


「そうですわね、アルト私にも見せてくれる?」


「俺もきになるなぁ、アルト」


「はい! 父様、母様、兄様」


「ステータスオープン」


アルト・フォン・クリード(5)人族

MEN

Level1

HP300

MP1000


基本能力 A+(運動能力、持久力、腕力、魔法力)


魔法適正

氷 雷 風


スキル

魔力強化Level10

剣術Level20

魔術Level20

鑑定

アイテムボックス


加護

十神の加護Level3




「これが僕のステータスです!」


……


「アルト、凄いじゃない!」


「アルト、俺は優秀な弟を持って嬉しいぞ!」


「アルト、これは本当か?」


母様、兄様は驚きながらも自分の事のように喜び、父様は真剣な顔つきで何か考えている。


多種多様な反応にアルトは、目のやり場に困る


「母様、兄様、ありがとうございます! 父様、これは本当ですよ」


まぁ、隠蔽してるから本当はもっと凄いことになってるんだけど……と、心の中で呟く


だが、その歓喜の声はひとつの大きな音で静寂へと変わる


バン!


父様が机を叩いて大きな音を出す。母様や兄様は静かになり僕も少し驚く。


普段はそんなことしない父様なのに……


「アルト! この事は他言するな、メリスもファルも、セビスもミルもだ!」


「あなた、何故かしら? アルトは天才よ! 」


「そうだ、アルトは天才だ」


「なら……」


「そうだぜ父様、アルトは天才なんだろ?」


父様の顔が険しくなる。


「だからだ! 天才すぎるんだ……。」


「父様、どういう事だ!」


家族が揉めている中、執事のセビスは全てを悟ったように言う


「了解しました、旦那様この事は他言いたしません。」


誰よりも早くセビスが納得した事に、アルトの兄、ファルが不満を漏らす


「な、セビスまで!」


「ファル様、考えてみてください。これが広まれば様々な人から利用しようと狙われる事でしょう。ましてや他国に広まり、他国のものがアルト様を狙うとなれば、国際戦争にまで発展しかねない」


「そうだセビス、だからみんなも他言するな」


うぅ、と兄様が納得し、母様も真剣な表情になる。


「アルトも、わかったな。」


「はい」


僕も理由はわかったので返事をした。


パン! と父様が手を叩く。


「よし、これでこの話は終わり! せっかくのアルトの祝福だ、楽しもう!」


こうして2時間ほど食事は続き、僕は疲れたので部屋に戻るとすぐに寝てしまった。



そうしてあれから日が立ち、俺の記憶が戻ってから10日が経った。


10日間で俺の記憶は体に馴染み、今では一人称も「俺」になった。


急に朝、ミルに「俺」と言った時は驚いていたが、俺の「俺」呼びもすっかり馴染んだようだ。


そして少し感じ方も変わった。


慣れるまでは精神が17歳兼5歳のような、俺自身でもよくわからない状態だったのだが、今では完全に地球の頃と同じだ。


まぁ、10日間ではそれ以外特に変わった事はなく、今まで通り本を読んでいた。


だが! とても興味のある内容があった。


それは召喚魔法。悪魔、天使、精霊があり、その3種族のうち才能あるものが一種と契約できる物らしい。


そして、それを父様に言ったら、なんと! 今日召喚にチャレンジする許可を頂いたのだ!


だから俺は朝からわくわくがとまらない。


まぁ、表には出さないけど




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