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戦争④

白金林檎を食べたアルトは、自身の魔力の高さと林檎の持つ魔力が合い、疲労回復の効果が大幅に上昇し、直ぐに回復した。


取り敢えずは、3人に事の内容を説明する必要がある。


それに一部のスキルが使えなくなったということもある。


これは以前気づいて先程神に聞いてわかったのだが、鑑定、叡智、創造、破壊のこのスキルには神格が必要なのだ。


これらは自身以外への影響が大きい。例えば武神から模範した''超武神''のスキルであればその力を使うのはアルトであり、何かものが新たに生まれたりする訳では無い。


だが、創造であれ、破壊であれ、叡智であれ、鑑定であれ、アルトのみでは完結しない。


創造と破壊はわかりやすいだろうが、叡智と鑑定は分かりにくい。この2つは共通して''世界の情報''が丸わかりになる。詰まるところ知り過ぎるのだ。


神のみぞ知ることが出来るもの。故に神格が必要なのだ


ならば何故以前使えたのか


それはアルトの力にある。転生した直後は体感で言えば模範する力を与えられたばかりの状態であり、相手に力を与えるのには神格が必要。


アルトの強い魔力適性は絶対神の神格を一時的に取り込むことで少しの日だが使うことが出来た。


だが、今はそれが出来ない。その為力はあるが使えないという状況になっているのだ



「主様、如何致しました?」


少し考え込んでいたアルトにネメスが尋ねる。今はアルトが回復したという事もあり、洞窟の見張りは無くなり皆で火を囲っている


「あぁ、少し話したいことがあってな。昼間のことなんだが……」


「なんでしょう、何でも聞きますよ?」

「そうですぞ主」

「なんでも言ってくださいねご主人様」


みんな同じ反応をしている。恐らく俺の事を気遣っての事で、「辛いことは吐き出して楽になるといい」という意味合いなのだろうが俺が言いたいことはそれではない。


「まずは、みんな色々と助かった。ありがとう」


俺は3人に頭を下げる


「頭をあげてください主、我々は主に仕える者として当たり前のことをした迄です」


「それでも役に立ったんだ」


「恐縮です」


「それでだ、あの街の事なんだが……」


3人の表情が少し悲しそうに、でも俺に悟られないように優しい顔になる


「あ、いや、そう言う内容では無いんだ。何故ああなったのかが分かった。明日の朝、街へ戻る」


「街に……何故ですか? 奴らは貴方様の事を」


「いや、ネメス違うんだ。あれには訳がある」


「主よ、訳とは? 主にあのような事を言う正当な訳があるのか?」


キウンの表情が険しくなり、魔力が少し荒ぶるのが分かる


「あぁ、皆は罪神に洗脳されている。記憶を変えられているんだ」


「洗脳……ですか」


「あぁ、俺でも解除できない厄介なものだ。だから皆は悪くない」


俺のその発言にキウンの荒ぶっていた魔力は落ち着き、顔も穏やかになる


「して主よ、その状態で街に戻ってどうするのだ?」


「俺が俺達の存在をあの街から消す。罪神の魔法の上から重ねがけをする」


「そ、そんなの……ダメに決まってる!」


スーリヤが少し声を荒らげる。膝の上で強く握られた拳は少し震えている


「僭越ながら私もそう思います。主様がそれを致すのは……我々が代わりに」


「うむ、それがよかろう」


スーリヤは無言で頷く


ネメスの提案にキウン、スーリヤは納得するがアルトの中ではそうする気はさらさらない。


今回の事をアルトは自身の不用意な魔族殺しの報復であり、更には自身の考えの甘さが故引き起こしてしまった事と考えている。


実際はそんな事は無い。攻めてきた魔族を倒したのは間違っている訳もなく、罪神の存在など想定できることではない。


だが、家族の死と街の者の洗脳によるアルトへの攻撃で本人が自覚していないものの相当に精神にきている。


その自分の考えの甘さ故に引き起こしたミスの尻拭いは自分でするべきだと考えている。


自身の記憶を皆から消す事で、せめてもの償いとして……



「俺がやる。俺がやらなきゃ意味が無い」


アルトのその発言に、3人は口を噤む。


本当は止めたい、自分たちが代わりにやるべき。自らの手でやるなんて……


自分の存在を大切な人から自分で消すなんて


だが、主の意思が最優先。アルトがやると言ったら3人はそれに従うまで。


その意思を否定することこそ、最大の不敬に当たるから……





昼間たっぷりと寝たアルトは3人に少し休むように命じた。


「少し、夜風にあたりに行こう」


3人を起こさぬように静かに洞窟を後にする。


洞窟から1歩外に出れば、夜特有の落ち着いた雰囲気と、森の香りを乗せた風が吹き、心地よくなる。


そのまま暫く歩くと、小さな湖を見つけた


辺りは開けていて、湖に写った月がとても輝いている。


月を見ていると、心がとても落ち着く。落ち着くと、冷静になる。


「これから先、どうなるんだろ……」


不安、悲しみ、恐怖


様々な感情が入り交じり、アルトの頬に一筋の雫が流れ落ちる。そしてまた1つ、また1つとその雫は止まることを知らない。

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