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幼少期㉙

「ふむ、ここは粗方片付いたな……」


彼、火の属性精霊王の王サンドラは転がる魔人の死体の中心で辺りを見回している


「いや、あと一人であるか……」


カツ、カツ、カツ


サンドラの呟きと同時に、足音を認知する


「あっれぇ? 俺の相手はこんなクソジジイかよ……拍子抜けだなぁ!」


「そちはまだ若いのぉ、儂の相手ではなかろう」


ニヤリと笑いながら振り向くサンドラの目に、大きな剣を担ぐように持ち、黒い羽根を生やしたまだ若い少し顔の整った男が現れた


「口だけは達者なようだなぁ! だが老人はお呼びでないぜ、さっさと帰りな!


天に……<ドゴォン!>」


男が話終わる前にサンドラによる火属性Aランク魔法火炎で、灼熱の炎は男を包み込まれる


「ほほっ、口だけは達者なようじゃの」


サンドラは後ろを向き、その場を去ろうとする


「最後まで言わせろ、くそジジィ!」


だが、サンドラのそれは叶わず燃え尽きたはずの男は余裕綽々と立っていた


「ほぅ、これを無傷で受けるか……なかなかやるのぉ」


「勘違いすんな! あちぃし痛てぇよ!」


男は声を荒らげ手を横に振りながら言い放つ。それと同時に男の手には、先程担いでいた大剣が握られていた


「お主、名前は?」


サンドラは男に訪ねる


「じいさん、人に名前聞くにゃ、自分から名乗るのが筋ってもんじゃねえか?」


「そうじゃの、儂は火の属性精霊王サンドラじゃ。短い付き合いになるだろうがよろしく頼むぞ」


「俺は十傑集が1人ガモスだ。ところで、なんで精霊王がこんな所に?」


「それはな、我がリーダーが主の使い魔になっての……我らも今はそのお方にお使いになっているというだけの事じゃ」


ガモスは目を見開いて驚く。

サンドラはサラッと言ったがこれは大変な事である


この世界に存在する精霊の数は数え切れない。


恐らく把握しているのは精霊の長のキウンくらいだろう。そんなにいる精霊の長がある1人の使い魔になったということはつまり無数の精霊も全てがそのものの配下になったと言うこと


精霊はどこにでもいる。つまり、作戦も何もかもその主に筒抜けだ


今回の場合アルトにこの世界のありとあらゆる情報が筒抜けである。


「貴様の主とやらは一体何者だ!」


「我が主の名前は主より言わないように命が下っておるが故言うことは出来ぬが……お主らも知っている人間ぞよ」


「ふっ! まぁ言わねぇならいい。お前をぶっ殺して記憶を探るまでだ!」


ガモスは大剣を大きく振りかぶり、異常な速さのスピード(恐らく時速100キロは出ているであろう速さ)でサンドラに斬りかかる


サンドラはその攻撃を後ろに飛び退き回避する


ドゴォン!


大剣は地面に当たる。大剣が当たった地面は、3メートルほどの切れ込みが入り、辺りはヒビ割れすら起きている。


「おぉ、怖いのぉ。それを直撃していれば恐らく死んでたぞぉ」


サンドラは少し眉を細めて言う。その目には、冗談は感じられない


「何を……当たらなければ意味ねぇじゃねぇか!」


「それもそうじゃのう。ならばわしも」


そう言ってサンドラが手を前にかざすと、地面に赤色の魔法陣が展開され、そこからこれまた真っ赤に染まった双剣が現れる。


「ゆくぞ!」


サンドラは双剣を右手が前に、左手が後ろになるように斜めを向いて構える。


「上等だ!」


ガモスは大剣を斜めにして構える


サンドラの剣から炎が溢れ出し、サンドラの全身を囲む


約10メートルは離れていたであろう距離をサンドラは1歩の踏み込みのみで詰め、右手の剣を左下から右上に斬り上げる。


ガモスは上体を軽く逸らして躱す


だがまだ攻撃は止まらない。右手を振り上げた勢いのまま左の剣も同時に振り上げる


ガモスは大剣の腹の部分でその攻撃を弾く


サンドラはその勢いのまま一回転し、右の踵でガモスの脇腹を蹴る


大剣で弾いた時の反動と、上体を逸らした時のバランスの崩れで反応が遅れ、その攻撃をもろに受ける


その勢いで軽く数メートル吹き飛ばされるが、空中で体制を整え、両足で着地する


サンドラの足には火が纏われており、ガモスの上着は燃え尽き、上裸になる


「じいさんの癖にパワーも速さも上とは驚いた……これは久し振りに楽しめそうだなぁ!」


ガモスは叫ぶと体に力を入れる


「うぉおぉぉぉぁぁぁぁあ!」


背中から手が2本増え、全体的に少し大きくなった


「この姿になるのは久し振りだなぁ。よし、行くぞ?」


サンドラは双剣を構える……が、遅かった


ガモスは既にサンドラの背後に周り、大剣を奮っていた


サンドラは咄嗟にしゃがみこみ、ガモスの足を蹴ってその勢いで後ろに飛ぶ


足を蹴られたガモスは、バランスを崩し一歩後ろに下がる


「ほぉ、これは驚いた。この姿の俺の速さについてくるとは……」


「其方こそ、そんなに早いとは思わんかったぞ。少し……本気を出してしまいそうになったじゃないか」


「な、まだ本気じゃないのか! ふざけるなぁ!」


男は背中の手に小さな剣(とは言っても普通の両手剣ほどの大きさ)を1本ずつ手に取る


「俺のこの攻撃、交わしきれるか?」


そう言うとガモスはサンドラに斬り掛かる





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