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幼少期⑩

関所へ着いた。


「街を出たいのだが良いか?」


「身分証を見せてください」


俺は先程作ったギルドカードを提示する


「ギルドカードですね。はい、確認できました。ではお通りください」


「ありがとう」


服装の事で街を出るのを止められたり、色々な面倒事を考えていたが、どうやらそんな心配は不要なようだ。

ギルドへの信頼が伝わってくる。


無事に街を出た俺は目の前の景色に圧倒される。


整ってはいるが街のような道ではなく、草を刈っただけの道。

辺りは一定の長さで揃っている。これは人口ではなくそういう草らしい。


武器を持ち、防具を着用した冒険者がちらほらと見える。


えっと……ゴブリンとウルフだっけ


どこにいるんだ? スキルで探すしか無いか


<ステータス>


アルト


スキル

叡智


あ、これじゃ無いのか?


「スキル叡智発動」


「音、声照合、開始……照合、成功。照合し、た音声はマスター、のものと一致。ロック、を解除し、ます。マスターとの同期を開始……成功しました。」


無機質な機械音が頭の中に聞こえてくる。

だが、その音声は所々不自然な場所で区切られている。


「マス、ター、ご用件、は何で、しょう?」


「君は?」


「マスター、のスキル「叡、智」です。それ、と、叡、智とマ、スターは同期し、ているので、声に出さなくとも、会話が、出来ます。」


(こんな感じかな?)


「出来て、ます。」


(じゃあ早速だけど、ゴブリンとウルフの位置を教えて)


「イエ、ス。それ、にはマスターの、スキルの使、用権を頂く、必要があ、るのですが宜、しいですか?」


「うん、いいよ」


「スキル、の使用、権を確認、創生を、使用して、スキル、マ、ップを作成……成功。マップにゴ、ブリン種とウル、フ種の位置、を表示」


目の前に地図が展開され赤点と黄色点でそれぞれゴブリンとウルフが表示されている。

だが、その地図は音声と同じく所々不自然なところがある。

まだ自分の目で見ていないから分からないものの、変なところに川があるなど少し不自然だ。


だが、助かったことに変わりはない。一応大まかな位置は把握出来た為、素直に礼を言う。


「何だこれ……凄いな。助かった。」


「有難う、ございま、す。他に用、件は?」


(あぁ、ない。)


「わかり、ました。用、があればい、つでもお申し付け、ください。ザ、スト、ロンゲスト。最強で、あらん事を」



そう言ってスキルは閉じた


でもマップは視界の左端に残ったままだ。


少し消えろと意識すると消える。見えろと意識すると見える。


便利なスキルだな。


地図を開いたまま森へ入る


基本的に魔物は森に生息しており、餌や人間を襲う時は平原に出てきたりする。


だから平原が安全という訳ではないが森より数段ましだ。


「この辺りに反応があるんだけど」


マップには7個の赤点が俺を取り囲むように記されている


「こりゃ囲まれたな」


さて、どうするか


今回武器は置いてきている。主に魔法で戦うためだ。


では、俺はいつ魔法を勉強したのか。


答えはしていない。恐らく魔神の能力を奪った時に全ての魔法の使い方を得たのだろう。


何とも便利なご都合主義だ、とやった本人が感じてしまう。


これじゃあまるで俺が読んでた主人公イェイって感じのラノベの主人公だな。


あれ? その主人公なら俺は主人公イェイ状態なのか?


今は主人公イェイの状態に陥った主人公が主人公イェイって言ってるのか


……などとかなりふざけた事を考えている。


そんな事を考えていたのは時間にしてわずか1秒。


たかがゴブリン程度の魔物がその1秒で出来ることなどしれている。


せいぜい草の音を立てる程度だ。


俺は音のなった後ろへ向き魔法ランクNの雷針(らいしん)を放つ。


俺の桁外れの魔力ではなった雷針は、見事ゴブリンの頭を貫く


「ゴキャァ!」


呻き声を上げて死ぬ


それを見た仲間達が木で出来た棍棒を持ち、一斉に飛びかかってくる。


雷壁(らいへき)


触れた相手を感電させる魔法ランクEの雷壁。一斉に飛びかかってきたゴブリンたちは当然避けることもできず全員跡形もなく死ぬ


今度は呻き声を立てる暇も無かったようだ。


なんか呆気なかったな。


だが、跡形もなく消えたということは素材を採取できないという事。


これは依頼だ。ギルドへ討伐部位を見せないのであればどうやって確認するのか。


答えはギルドカードにある。あのカードには討伐した魔物の情報が保存される。


なので依頼達成時にそれを確認すればいい。簡単かつ凄いものだ。


そう言ってまたマップを見る。


音で気づいたのか4体のウルフが速いスピードでこちらに向かってくる。


「よし、今回は体術だけで戦おう。」


はぁ、魔法のことはどこに言ったのやら……


まぁいいや! と気を取り直し構える。


「グガァ!」


2体のウルフが突撃してきて、残りは引いて様子を見て居る。


俺は突っ込んできた2体のウルフの顔を片手ずつで掴むとその反動で2匹を飛び越える。


そのまま後ろで見て居るウルフたちに詰め寄り片方のウルフのクビに手刀を入れて骨を折る。


もう片方は腹を蹴り、顔を殴り顔の骨を折り殺す。


それが終わった頃先程避けたウルフが殺された仲間を見て明らかに怒り、より早く突っ込んでくる。


俺は超スピードでウルフたちの背後に回ると手に少し魔力をまとい首を一気に二つ落とす


「はぁ、意外と何も感じないんだな。」


あたりはまだまだ明るい。時間にして3時くらいだろう。


ウルフの牙と毛皮を採取して水魔法の魔法ランクBの浄水(じょうすい)で返り血を綺麗にして風魔法で服を乾かし、森を抜ける。


こうしてかなり呆気なく、特に何も起こらずに初依頼は幕を閉じた。


この時はまだ知らない。夕食時に、あんな事が起こるなんて……。






<hr>




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