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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

朝が来る前に

作者: clown

男は、異臭を感じ取り、見覚えのない部屋で目を覚ました。

すると、目の前には、刃物で何回も刺され、肉と骨が入り混じったような胴体に、形や表情がくっきりと分かる頭部がくっついているというおかしな死体があった。

頭部は、筋肉の繊維ひとつで、体とつながっているような感じだ。

男は、その、あまりに無残な光景を見て、死体の横に嘔吐した。

だけど、胃の中には何にも入ってなかったようで、胃液が飛び出ただけだった。

自分の胃液のにおいと、死体の生臭いにおいが入り混じり、その部屋はものすごい異臭が立ち込めていた。


臭い。気が狂いそうだ。


そう思いつつ男は部屋を見渡した。

自分が立っているところの後ろには鉄格子つきの窓があり、鉄は頑丈そうだった。

しかし、その窓は透明だったので、今が夜だということは分かった。

部屋には、そのしたい以外には何もなく、壁も、床も、天井も、真っ白だった。

ただ、死体の周りの床は血で赤く染まっている。

死体の向こう側には扉があった。

そして、ふと下を見ると、自分の足元に、血まみれの包丁があるのに気がついた。

そして、自分の服が、血しぶきで真っ赤に染まっていることにも気がついた。


もしかして、この死体は、、、


いやな考えが頭をよぎる。

男は必死で、この部屋にくるまでのことを思い出そうとする。


昨日は確か、夕方ごろ、友達とゲーセンに行き、帰りに居酒屋によって、その後、、、

うぅ、だめだ思い出せない


男は何かしたことは覚えていたが、そのしたことを思い出そうとすると、激しい頭痛に襲われた。


とりあえず、男はこの異臭から離れるために、死体をまたぎ、扉を開ける。

扉は普通に開いた。


ギィーーという音をたて、扉が開く。

重さから言って鉄製のようだ。


扉を開けると今度は、ドアがたくさんある細長い空間にでた。

どうやら、廊下のようだ。

異臭を部屋に閉じ込めておくために扉を閉める。

だいぶ、ましになったみたいだ。


とりあえず、ここにいてもしょうがないので、自分から見て、右にすすむ。

そして、一番奥の扉を開ける。


扉を開けるとそこには広いリビングのような空間が、あった。

もちろん、窓には鉄格子がついているが、もし鉄格子がなければ、とても開放的ですてきなリビングになるだろう。

その空間には、大きな丸型の低いテーブルと大型のテレビ、そして、ソファがあった。

驚くべきことにソファには、とても美しい顔立ちをした少女が毛布をかけてねむっているようだった。


この少女に聞けばここがどこなのか分かるかもしれない、、、

この少女の眠りを妨げるのは気がひけるが、聞いてみるしかないだろう。


そう思って、少女をゆする。

だが、少女は起きない。

少女の、毛布をはがしてみた。

そこには、手首がなくなっている少女の胴体があった。

少女の体は、とても滑らかできれいだった。

しかし、手首がなくなっているということは、この少女は死んでいるのだろう。

それに気づいたとたん、男は青ざめ、退(しりぞ)く。

男の身体はガタガタと震えた。


まさか、死んでたなんて、、、


男は驚きのあまり、少しのあいだ動けなかった。

数分後、男は、我を取り戻し、出口をさがすことにした。


なんとかして、ここから脱出しなければ。


男は、再び、入ってきた扉から、廊下のような空間に出る。

次は、今いる地点から見て、一番奥の扉を開けることにした。

大体の家はそこが玄関だ。

ガチャリ

ドアノブをひねる。

しかし、開かない。

ガチャ、ガチャ、ガチャ

何回やっても開かない。

ためしに、扉をたたいてみる。

鉄製だ。

しかも、音が響かない。

相当分厚い扉なんだろう。

鍵穴はないみたいだ。

仕方なく他のドアを探す。


次は、最初にいた部屋の向かい側の扉を開けてみる。

ガチャリ

今度は簡単に開いた。

中は、まるでお風呂場のようだった。

スモークのかかったドアが右のほうにあり、大きな洗面台が目の前にあった。

鏡に映る、血しぶきを浴びた自分を見るのがつらい。

恐る恐る、スモークのかかったドアを開ける。

すると、そこには、赤く染まったお風呂に手首を浸しているスーツ姿の男がいた。

きっと、男は死んでいる。

なぜなら、そのお風呂が赤く染まっていたのは、スーツ姿の男の手首が切れていたからだ。

つらい。

もう、死体は見たくなかった。


その部屋を出て、今度は最初にいた部屋の隣の扉をあけにむかう。

この、廊下のような空間にある扉で調べていない扉はあと2つだ。

ガチャリ

今度の扉も簡単に開いた。

扉をあけると、そこには人の胴体があった。

頭はなかった。

男は、吐きそうになったがこらえた。

そして、その胴体が、何かのメモらしきものを持っているのに気がついた。

そのメモを取る。

そのメモには3,1,2,3,1,2,2,3,2,1,1,3,3,2,1という数字が書いてあった。

意味は分からなかったが、何か大切なことが書いてある気がしたので、男はその紙をとっておくことにした。

それ以外は、その部屋には、なにもなかった。


そして、次が最後の扉だった。

ガチャリ

今度も、簡単に開く。

中に入ると、1台のPCが置いてあった。

そのPCのディスプレイには、3つの数字と、その数字の横にアルファベット1文字が書いてあった。

1,t 2,c 3,y といった感じに。

そして、男は考えた。

あのメモの数字を選んでいけば、鍵が開くんじゃないかと。

そして、男は3を選ぶ。

違うアルファベットが出てくる。

1,o 2,g 3,q

男は1を選ぶ。

また違うアルファベットが出る。

1,j 2,u 3,p

男は2を、、、

そしてまた、

1,n 2,b 3,c

また、

1,a 2,l 3.k

また、

1,u 2,n 3,g

また、

1,j 2,n 3,w

また、

1,h 2,v 3,o

また、

1,n 2,t 3,r

また、

1,e 2,b 3,x

1,s 2,f 3,m

1,s 2,a 3,c

1,e 2,z 3,a

1,t 2,p 3,k

1,e 2,m 3,w

その数字を選ぶと、画面は真っ黒になった。

そして、男はあることに気づいた。

最初の部屋に戻った。

もう、朝は近づいてるようで、だんだん、空が明るくなっていった。

足元の、包丁をひろう。

手首を、ザクリと切り落とした。

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