湖上のダンス(妖精リィンクル物語)
魔法学校の見習い妖精のリィンクル。
学校では魔法の勉強をしながら日々楽しく学んでます。
そんなリィンクルに友も沢山います。
そんなある日湖で泣いてるカエルに会います。そのカエルの望みとは?!
リィンクルはどうするでしょう………
リィンクルは妖精学校に通う見習い妖精さんです。
学校の一番好きな授業は花の蜜を採取する時です。
集めた蜜は大好きな蜜パンにします。
そして友人たちにおすそ分けして、お昼時間に食べるのがとても楽しみでした。
お昼休みは同じクラスのコマツーナとシンリンと食べます、コマツーナはお昼休みはいつも本を読んでます。
シンリンは隣のクラスのリッツの所へ、行ってしまいます、それは少し寂しいです。
コマツーナはとても不思議な本の読み方をします。
彼女はナナメ読みと言って、本の右上から左下までサッと目を通して一秒で読むのです。
「えー、それで理解できるの?」
「もちろん」
コマツーナは毎日昼休みは本を読んでます、きっと彼女は偉い学者になるでしょう。
残されたリィンクルはボール遊びをタママナとやって、かなり上達しました。
何かに役立ってるのかなと思いながらせっせとボールを使いこなしてます。
お日様の中を飛び回るのは、とても健康的で確かにあまり病気をせず、力も強くなったような気がします。
今日は毒の授業です、キノコで作られた教室のドアを開けながら、イッシズンカ助教授先生が言いました
みんなの歓声が上がりました。
課外授業はピリカラール山の麓で行うからです。
ちょっと怖いけれどリィンクルも興味あります。
山にはいろんな花や樹木があり、その中から先生が危険なものを教えてくれるからです。
毒にも様々な作用があり、相手を笑わせたり、眠らせたりと魔法に使用するのに便利ですから、絶対にきちんと勉強しなくてはと気合いが入ります。
「だいたい、紫色の花は毒性があるのよねー」
知ったかぶりのウエハラーンが言います。
リィンクルはいつも遅刻しても偉そうなこの妖精を好きではありません、すごく意地悪だからです。
「あなたには分からないと思うけど、トリカブトやベラドンナは猛毒よ」
「それくらい」
「ふん、みた事ないでしょ、あなたいつも寝てるから」
「寝てないし」
すると助け舟のようにコマツーナが呼んでます。
「リィンクル、こっちにキノコがあるよ」
「わぉ、本当だ!」
先生が葉っぱの教本から見せてくれながら。
「食べられるものと毒があって食べられないキノコ」
「先生、キノコもきれいな色のは毒があるんですね」
何で目立つ色の方が毒があるのかとても疑問でした。
「そうとも限らん」
「この赤いのは毒キノコなんですか?」
「これは毒キノコだが、赤いものだけでなく、実は茶色のキノコの方が毒キノコが多いのですよ」
「へぇーそうなんですか」
むやみに食べては危険なのだと悟りました。
キノコの採取中に突然痛みを感じました。
「イタタタ!」
「どうした?」
「なんか、トゲが刺さりました」
リィンクルが指を見せると応急手当をしながら。
「このハチミツで作った薬で治るでしょう、もしかしたら夜に熱が出るかもしれません、明日はお休みして養生しなさい」
「はい、ありがとうございます先生」
その夜、リィンクルは熱が出てうなされました。
ぼんやりしていてはダメだと思いました。
*****
ある時、一匹のカエルがぼやいてました。
「何でこの世は不公平なんだ!みにくいアヒルの子はあんな素敵な鳥になったっていうのに」
丁度そこにリィンクルが通りかかって泣いてるカエルに声をかけました。
「どうしたの?なんでゲロゲロ泣いてるの?」
「だって、どうして僕はカエルなんだ」
「え……カエルじゃ、ダメ?」
「だめだよー」
「え?なんで?」
「だって、一生アヒルの子みたいに変身出来ない」
そう言ってカエルは大声で泣きました。
まわりの全てから苦情が出る程のひどい騒音でした。
「ちょ、ちょっと待って、静かに!カエルさん」
リインクルは慌ててカエルをなだめました。
「落ち着いて、じゃあどうしたらいい?」
顔をあげて、カエルがリインクルを見ました。
「素敵な王子になりたいな」
「お、おうじ……」
「どうか、みにくいこの私を王子さまに」
「えぇー」
「いつもいじめられてました私、ホントです」
「ホント……う?」
「はい、ホントです。ですから素敵に」
「むむむ……」
カエルのつぶらな瞳がキラキラと光ってリィンクルを見つめてます。
それを見たリィンクルは夢を見せようと思った。
「わかったわ、オッケー、じゃあ王子さまね!」
リィンクルは持っていた魔法の杖を振り上げて。
「じゃあ王子さま、あのね実は私は見習い妖精なのよ」
「へっ?」
「だからね、魔法は三十分、それだけしか続かないの、それでもいいの?」
「はい!」
「あ、それからこの湖の向こう側に行ってみると、良い事があるかも……さぁ目をつぶって」
リィンクルは魔法の言葉をとなえました。
「リィンクルリィンクルーリリンリンクルクル」
するとカエルが何と王子さまに変身しました。
「おぅ、なかなかいいじゃない、うーん、でもちょっと目が出てるかなぁ、ちょっと待って!」
「はい?」
リィンクルがカエル王子の目に杖をあてました。
出ていた目玉もすっかり普通になりました。
ステキな王子の誕生です。
そして、カエルは目の前の湖の上をぴょんぴょんと飛び跳ねながら進んで行ってしまいました。
「さすがぁーカエルさん、湖の上を飛んでるわん」
あっという間に湖の向こう岸に着いたカエル王子は、岩に座ってる美しい娘に気づきました。
「あのう……」
驚いた娘はカエル王子を見て言いました。
「え?どこから現れたの?」
「えぇっと、あ、湖の向こう側から……」
「そうですか、あなたは?」
「あぁーカエール王子と言います、あなたは?」
「わ、私はアマガ……アマー王女です」
「アマー王女さん、私と踊ってくれませんか?」
「え……どこで?」
「この湖で、ご一緒に!」
「よろこんで」
二人は手に手をとって湖の上で踊り出しました。
そこにやって来たリィンクルは、友人の妖精のフルーとバィオリーに頼みました。
「あなた達!音楽音楽、お、ね、が、い」
フルートとバィオリンの二人が奏でる優雅な音に乗って、カエールとアマーが楽しく踊っています。
時が過ぎて、いつの間にか二匹のカエルが寄り添いながら踊る姿が湖面から光り輝いて見えました。
「ねぇフルー、いいんじゃない」
「ふーん」
「ねぇバィオリー、恋人ほしくなるよね」
二人がそろって頷きます。
湖面の上に淡い空の宵闇の中から月が現れて来ました。
その湖月は、二人を暖かく包んでくれていました。
その夜、明日から始まるキャンプ合宿の用意の後、ベッドに入ったけれどもなかなか眠れませんでした。
学校生活は順調でとても楽しいと感じていました。
でも明日リィンクルの身の上に、とても恐ろしい
災難が降ってくるとは夢にも思わなかったのです。
でもそのお話は、次回にお楽しみに。
リィンクルの部屋のカーテンが、花の香りが混じった野風で優しく子守唄のようにそよいでいます。
今日もリィンクルは頑張りました。
「おやすみなさい、見習い妖精リィンクルちゃん」
Fin
リィンクル物語は毎回毎回、見習いならではの失敗を繰り返して成長していきます。
中にはびっくりする事、恐ろしいこともありますが。
リィンクルらしく解決していきます。
ピリカラール山の妖精学校は今日も生徒達が頑張って学んでいる姿がありますよー




