表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

悪役嫁に私はなる!

「うそでしょ・・・」


起き上がりつぶやく。

前に巻き戻った時、息子は5歳。

今回もどう見ても5歳。

日付を確認するも同じだった。

息子が5歳という事は、私は32歳。

それから、あの巻き戻る前の年齢が57歳。


「25年・・・」


嘘でしょ!

また、それだけ働かないと駄目なのか!

もう、カケル2で50年働いたことになるわ。

いやいや1回目の人生は、途中で解雇されてそのあとしばらくは専業主婦でいた期間があるから少し少なくなる?

しかし、数年後また働き始めた。

2回目は巻き戻る直前まで働いていた。

独身の時から考えるとやっぱり50年以上働いている。

いくら、体が若くなってもまた繰り返すのかと絶望する。


物語などではあっという間に1年とか10年経ったと飛ばしているけど、1日1日一生懸命働いてへとへとになって帰宅する。

朝も夜も子どもがいるため気が抜けない。


1回目にしても2回目にしても自分の事は後回しにした人生だった。


「よく考えないと・・・」


とりあえず今回も出勤しないといけない。

ブツブツつぶやいていると息子が目をあけた。


「お母さん、おしっこ」


息子をトイレに連れて行き、もう一度布団に戻した。


こんなに可愛かった息子も、成長すると離れていき親の事は全部後回しになる。

おまけに遠くに行き、めったに連絡もないし会わない。

高校生ぐらいの時は反抗期もあった。

また、それを受け止めないと駄目なのかとうんざりする。


仕事もそうだ。

保育園から今から何度も連絡があり、仕事を途中で抜けて迎えに行ったり、また休みをとったりしないといけない。

小学生の頃は、学童保育に通わせていたが高学年になるとそれもなくなり夏休みは給食がないため朝に息子のご飯の用意をして出かけていた。

2回目の実家住まいの時は、その点では母が作って食べさせてくれたので楽だったが・・・。


よく考えろ私とつぶやく。


2回目の人生も決して楽ではなかった。

母は確かに息子の面倒は見てくれた。

でも、元々子どもの世話をするのが嫌いな人だった。

私は子供の頃は、母が体が弱いというので祖母に預けられていた。


1回目の人生では、元気だったのに2回目で倒れたという事は、その原因は私と息子かもしれない。


実家に帰らず息子と2人で生きていく人生を送るのか?

それもどうなのか?

もうすでに50年以上苦労している。


ふと思いついた。

夫はもう後半月ほどしたら、解雇の理由となった事を「やらかす」

それを阻止してみたらどうだろうかと。

同じ解雇でも私の場合は、不況で従業員の削減で会社側の理由だったが夫はそうではなかった。

やらかすのだ。

なので退職金もでなかった。


夫の会社は夫が退職した後、数か月後に潰れた。

これは仕組まれた事じゃないかと推測する。


まずはこれを阻止してみよう。

夫を先にこの危ない会社をやめさせるのだ。


この頃少し病んでいた感じがあった。

とりあえず今日は出勤して夜に話を聞こうと思う。

なにしろ私はすでにもう2度も経験していて、その経緯を知っている。


夫の転職を見届けたら私は会社を辞めて


「専業主婦」になろうと思う。

いや、1度目の人生で在宅での仕事の経験もありその道を探そうかと。


そして、一番の問題。

休みの度に呼び出す姑。

この対策も考えないと。


50代後半になり「虚しい」と言わない人生を。


はっ!と気が付くともう7時前になっていた。

急がないと。

朝食を用意する。

今朝は、弁当の用意が出来なかった。

それと夫の分は作らなかった。


勝手に適当に食べればいい。


息子を起こして食べさせて保育園に送る為に自転車に乗せる。


免許は持っているけど車2台も持てる余裕がなく、私は自転車で出勤だった。

前回も体が軽いと思ったのは、この頃の運動量で太ってなかったらか。


ペダルを漕ぐ足に力が入る。

リアチャイルドシートに乗っている息子が叫ぶ。


「おかあさん!グラグラして面白い!」

ゲラゲラ笑っている。

おっといけない。


そしてふと思う。


「悪役令嬢ならぬ悪役嫁に私はなる!」


なんだか〇〇王に俺はなる!みたいな感じだな。

そうそう、悪役嫁に私はなる。


今日の目標は、「悪役嫁、夫に会社を辞めさせる」だ。


よし!気合い入れて行くぞ!

そして、最終的な目標は


「もう、後悔しない人生を!」だ。


そうじゃないと、またプラス25年働くのかと思ったらぞっとする。

またペダルをこぐのに力が入る。


「あはは!早い早い!グラグラする!」

息子が叫びながら笑っている。


<つづく>


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ