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プロローグ

巻き戻って・・・また働くのは疲れる。

「うわっ!」


目が覚めた。

時刻を見るとまだ朝の5時前。

ふと横を見るとスースーとかわいい寝息が聞こえる。

ちょうど5歳ごろの息子だ。


「まただわ・・・」と私はつぶやく。


この時点から人生を1度やり直している。


最初の人生は息子が結婚して少ししたころにまき戻った。


育てた息子は立派な社会人になり結婚もした。

ただ、優秀すぎたためかこの田舎から東京に行きうちにはめったに帰ってこない。

何のために働きながら子育てを頑張り、近くに住んでいる姑の嫌味や嫌がらせに我慢したのか・・・。


何故、この時点に巻き戻るのか?

それは多分、夫との離婚を考えていた頃だったからだ。

家庭を顧みないと言うか気ままに自分の思い通りにしか生きられない男。

この後、夫が会社を解雇され一旦反省を見せたように思ったが、何度もこの時点で何故離婚しなかったのかと後悔をすることになる。

人の性格ってそう簡単に変われるものじゃない。


何よりこの後、私も不況の煽りで会社を解雇。

ただ、もうひたすら頑張って息子を育て上げた。


そして息子が結婚して、一応落ち着いた頃ふと虚しくなった。

更年期なのもあるんだろう。

涙がこぼれて仕方ない。


そのころ年甲斐もなく「異世界転生」の小説にはまっていた。

ふと気が付くと異世界に転生していたと言う小説。

もし、異世界で人生をやり直せたら、きっと素敵なロマンスがあるような。


すると人生をやり直したいと言う気持ちが沸々と沸いてきた時に意識を手放した。



目覚めた時、いつもと違う自分の体調に気が付いた。

いや、いつも眠りが浅いのでそこまでの違いはないが体が軽いような気がする。

顔に手をあてると肌がすべすべしている。


もしや!と思い起き上がりあたりを見回すと小さい息子がスースーと寝息を立てて寝ていた。

時計を見ると5時前。

いつも私が起きる時間だ。

これから、朝食を作り夫と私の弁当を用意して息子を自転車で保育園に連れて行き、私はそのまま出勤。

夫は別の部屋でギリギリまで寝ている。

私が、息子を保育園に連れて行こうとする直前に起きてくるのだ。


え・・・・。

まき戻った?

最悪な時に。


パニックになる。

今日は何日だ?

日付を確認すると請求書を発送する日だ。

まき戻る前は、よくCMで請求書はクラウドでと言うのを見ていたがこの頃はまだ手でせっせと膨大な量の請求を発行して郵便で送付していた。


巻き戻ったという事はまたあの膨大な量をこなさないと駄目なのか?

実は、この頃の無理がたたり私の手や肩は年をとるごとに支障が出るようになった。

若い頃の無理が祟りと言うのは本当だったと後年後悔する。


唯一、会社を解雇され良かったと思ったのはこの会社をやめられた事だった。

上司との確執や子育てしながらの時間の調整。

そして、私が働く限り夫が手のひらから水がこぼれるようにお金を使ってしまう。


頭の中で整理する。

巻き戻ったという事は「やり直せる」という事だ。


私はとりあえず。

以前のように起き朝の用意をして、息子を保育園に送り会社に出勤した。

そして・・・辞表を出した。

引継ぎなどがあり1か月後にやめる事になった。

引き留められはしたが、離婚して実家に戻るのでと言うと納得してくれた。


1か月・・・。

丁度この後夫が会社を解雇される。

この後が、また姑とのいざこざで大変だった。


それからは、必死で隠しながらいろいろと用意をした。

実家近くで職探しをした。


息子の親権を勝ち取らないといけない。


必死に行動した。

夫には直前に伝えた。


ショックを受けていた。

しかし、ちょうどその時に夫が会社を解雇された。


私は実家に息子を連れて戻った。

実家は父が亡くなっていて母が一人だった。

喜んでくれた。


母に息子の面倒をある程度頼み、就職をした。

とりあえず前の会社と同じ業種のような感じだったけど、職場環境は以前に比べて良かった。

前の時は上司の妨害で出世も出来なかったが、そこでは5年で主任になった。


夫とはうまく離婚は出来なかった。

義両親が乗り込んできて姑に罵倒される。

しかし、夫の行動やその解雇された理由などを知って舅がかばってくれて離婚できた。


そして息子は育った。

でも、前回と同じ道を選んだ。

やはり東京に行き、やはり同じ人と結婚をした。

人の人生は変えられないのか?


いや、少しの変化はあった。

息子が大学生の頃に母が倒れた。

回復はしたけど、母が私に依存するようになった。


介護とまでは行かないけど、母と二人の生活。

楽しみもなくやっぱり私は何をして今まで来たんだと虚しくなる。


心にぽっかり空白が出来た時・・・



また巻き戻った!



<つづく>

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