4話
久しぶりの本編です。
お楽しみ下さい。
前日譚との温度差で風邪ひかないで下さい。
冒険者として復帰し爆速でDランクに昇格した俺は今日もまたギルドマスターの部屋に呼び出しを喰らう。
俺の前には苦い顔をしたスカーフェイス。
また、俺なんかやっちゃいました!?
「お前ってやつは…もっとこうあるだろ!?」
理不尽極まりない言いがかりで怒られる俺。
そんな俺の目の前にはミンチになった魔物。我ながら1撃でミンチに出来るとは素晴らしい…だがまぁまだ全然全盛期火力には足りないってレベルじゃなくてェ…もっと消し炭にしたくてェ…
…が、素材として見た時は全く使えない、角•骨等々etc.が混じったミンチ肉が持ち帰れないっていう理由で放置され大量生産されてる現状にギルドマスターとして言いたいのもわかる。わかってやってはいる。
「…前にも言いましたけど、狂化入らないとスキル流用出来ないから火力不足で。狂化状態だと手加減出来ないんですよ?」
好きでミンチを製造しているが、一応こっちにも理由はある。それに放置していてもDランク以下の他の冒険者が小金拾いとして持ち帰ってるし…最近はリアカーまで持ち出してる奴もいたし、問題ないのでは?
「はぁ…頭の痛い話だな……その武器とやらは手に入らないのか?」
「無理ですね。一般流通してないんで」
大きな溜息と共に頭を抱えるスカーフェイスの問に即答でnoを突きつける俺。
「…今日はもういい……しかしダンジョンに潜る気はないのか?」
「…前も言いましたが、例えCランク昇格条件にダンジョン攻略があったとしても。ソロで潜って出てこれるほど燃費がいい訳じゃない。パーティーなら最低深度の狂化じゃ味方の区別なくぶん殴る。深度上げりゃ今度は血液が保たない。どっちにしろ無理って事さ、スカーフェイス。何度でも説明するがどう転んでも答えはnoだ」
「…そうか。なら討伐報酬をカウンターで受け取ってから帰るといい」
スカーフェイスの言う通りにカウンターで討伐報酬を受取、拠点にしているボロ宿への帰路につく。
市民権を持たないDランク以下の冒険者は泊まれる場所が少なく、Dランク以下冒険者の数が多い為どうしても街外れのボロ宿に集められている。
…まぁその分安く泊まれるんだがな。
空を見上げながらインベントリに固定されている武器を呼び出そうとしてエフェクトが発生し透明な長柄が出てきて…失敗して消失する。
何千回目の失敗、いつものように失敗。
せめてまともな武器があればなぁ…
帰路の途中、怪しい露天商の売っているモノが目に入る。
2丁拳銃。銃身下部から飛び出すように大型の刃がついた近接戦闘もこなせる1品。
…他と違いがあるとすれば、呪われている。という点だ。
ブラッドウェポン…血塗られた呪いの武器…俺の適正武器
俺の適正2種の内の1種。それがハンドガン。しかも2丁拳銃。この上なくぴったりだ…
えぇと金額は…金貨100枚(≒1億円)だと…!?
「おいババア」
「なんだね?クソガキ」
「値段狂ってるだろ。これが金貨100枚!?金貨1枚の価値もねぇよ」
「言ってろクソガキ。この真紅と黒のコントラスト。無骨な造形美。最高の美術品じゃないか…」
「全くだ。呪われてなければ、だがな」
「ほーう…アンタ呪い使いか」
「半分以下の正解。んでババア」
「なんだクソガキ?値下げならしないよ!」
「通報した。」
「…へ?」
往来で呪いの武器を売るのは違法。市民権を持っていなくても刑罰に処される。
って事でギルドマスターに直接連絡済。
露天商のババアはすぐさま衛兵に捕まり連れていかれた。
ギルドマスターが報奨金をって言うので、俺は呪いの武器防具アクセを求めた。
ギルドマスターは一瞬驚いたが、すぐさま理解し頭を抱えた。一般流通してないとはそういうことか、と
俺はただ同然で譲って貰い(ギルドとしても保管に困るので快く)、全ての呪物を2丁拳銃に喰わせる。
禍々しく妖艶となった此度の相棒枠。
ねんがん の ぶき を てにいれたぞ!
「さぁ行こうか…相棒!」
呪いの武器を両腰にぶら下げ意気揚々と平原へと急ぐ俺。
これでやっと全盛期の0.01%の火力が出せるぞっと
呪いの武器ってロマンですよね。
勇者パーティーが呪いの武器使ってたら印象悪いし使う事はなかったらしいです。




