19話
「…そう言えば闘気法ってなんなんだ…ですか?」
魔物を討伐して休憩に入ったジークが俺に問いかけた。
「闘気法ってのは身体強化魔法の1種だ。通常魔法陣を展開して体外で発動する身体強化魔法とは違って体内の魔力を直接身体強化魔法に変換する習得難易度がバカ高い魔法だ。だが一般身体強化魔法とはレベルが違う強さを得られる」
「…なるほど…」
「…まぁその代わりに習得が命懸け。直接変換かましてるから魔力暴走のリスクも高い。精神影響度も高いわ、でデメリットは正直クソ。だが常時展開出来るほどコストは低くデメリットを補ってあまり有るほどの強さを得られるって話さ」
例外がたまにいる、とは口に出さなかったがジークも察していた。
…まぁ正直、姫サマに聖闘気を渡したが一瞬で使いこなすとは思わなかった。剣に纏わすつもりで渡した聖闘気を取り込んだ上に常時発動できるとはねぇ…
さて…と…
「おらァ!休憩時間終わりだ。も一度殴り合ってこい」
「わかりました師匠!…モグラモドキ先輩宜しくお願いしまァァァす!」
モグラモドキ先輩かよ…キャラ壊れてないか?王子だろ?お前…
モグラモドキに突撃するジーク。
ボコボコになりながらもモグラモドキと接戦を繰り広げるジークを俺と…モグラモドキングが並び立って眺めていた…え?キング???
『もぐ…もぐぐ…(頑張れよ…若人達よ…)』
2足で立ち、腕組みをしながら見守る姿は師匠そのもの……えぇ…
それから2週間。俺とモグラモドキキングはつきっきりでジークの修行に付き合った。
モグラモドキとの1対1からキングを含めた1対2に以降…そして
『もぐもぐ…もぉぐぅ!!(我が屍を超えていけ…少ぉ年!!)』
「暗黒闘法…開!!ううぉぉおお!!」
ついには暗黒闘法を自力で発動させ、暗黒剣の一撃でモグラモドキングに一閃。
『もぐぐ…もぐ…(見事だ…少年……これで修行は最後だな…)』
「師匠…師匠ぉぉ!」
『もぐぐぅ…もぐ…もぐぐもぉぐ…(泣くな、少年よ。私は嬉しいのだ…受け取れ我が力を…)』
モグラモドキングから暗黒闘法の気が受け継がれる…その力を使えばジークを簡単に倒せただろうに。ジークの目の前に現れてから一度も使うことがなかった力を譲渡した。
『もぐぐもぉぐ…(優しさを忘れるなよ…少年。心の闇に呑まれるな…君の心には常に私がいる……)』
力を使い果たしたモグラモドキングは砂と化した…
「しぃぃぃしょぉぉぉぉぉ!!」
ジークの慟哭は天を貫く勢いだった…
〜完〜
って出てもおかしくない場面に出くわした時ってどうすればいいんだろうね?
俺そっちのけで盛り上がってるし……
とりあえず、帰るか。うん。帰ろ、帰ろ。
「…もう一人の師匠…あなたの想いは無駄にはしません…ッ!!さぁ師匠!!私に修行をつけて下さいッ!!」
こうなんか高貴な駄犬って言葉が似合うようになってしまったジークは俺を呼び止めさらなる修行期間を経て、いつの間にか約束の2ヶ月が経とうとしていた。
モグラモドキングってなんだよ!!
初期構想にいなかったじゃん!!




