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9話

「さて、集合地点は…っと」

集合時間1時間前。集合地点の街外れの平原に既に人影あり。早いな。

王国ヴァンライア主要都市アレウォルガ近郊ダンジョン【王家の試練】…アレウォルガにつくまでいつも拠点にしてる街から3日もかかった。遠出なんてするもんじゃないな。魔物との戦闘避けて隠密行動で動いてきたからフラストレーション溜まってら…はぁやだやだ王女サマのワガママなんて…


こちらをみた直後掴みかかってくる衛兵が1人。

「貴様かぁ!ドラゴン如きで驕っている新人というヤツは」

うん、第一印象は最悪。帰っていいか?

俺はあたりを見渡すと護衛兵が10人程度とおつきのおじいさんが1人。そして第二王女サマが1人が集まっていた。

どうやらパーティー構成としては第二王女サマ1人に護衛兵が4人。部外者の俺1人。推奨最大人数の6人パーティーになる訳だ。これなら俺が抜けても構わんだろ…王女サマの姿をみて更に気落ちする俺。

「貴様なんていなくとも我々だけで攻略してみせる!」

全身フルアーマー軽鎧姿の護衛兵が叫ぶ。なんと威勢のいい護衛兵か…頼もしいね。

「…こちらは依頼できただけだ。文句があるなら依頼主に文句を言ってくれ」

「…なんだと…!?」

嫌味で返したらすぐ激昂する護衛兵…コイツ大丈夫か?


「あぁ!やっといらしてくださったんですね!」

一触即発の雰囲気の中、ほんわかした声と共に第二王女サマがやってくる。人の背丈ほどある大剣…王家の宝剣を片手で軽々と扱いながら。


「これはこれは王女サマお会い出来て光栄です」

護衛兵を振り払い、膝を折ってヴァンライア式の御辞儀でご挨拶する俺。

「非公式の場なので礼節は省いて大丈夫ですよっ!」

「…承知しました」

どんな無茶振りだよ!?…俺は立ち上がり王女サマと目を合わせる。

「私はヴァンライア王国第二王女のリコ•アストラ•ヴァンライアと申します!宜しくお願いします!ドラゴンスレイヤー様!」

「Dランク冒険者レッドフード。ご依頼につき参上しました。宜しくお願い申し上げます」

「かたいですねー敬語NGで!!」

だからどんな無茶振りだよ!!不☆敬!!強要かい!

「…あーわかった。王女サマ」

「リコって呼んでくださいね!」

「…リコ様」

「はいっ!」

元気だねー


じろじろと俺を見回す王女サマ。

「…噂通りの全身を赤いローブで包み、深くローブを被っていて…お素顔は…あれ?これは面頬?」

面頬はこちらに赴くときにつけてきた。口に血や砂が入りにくいようにでき、なおかつ表情を隠せるのがいい…こんな依頼表情固定し続けられるもんかよ…


対する王女サマの姿は片手に宝剣。胴体はペラい魔法軽鎧。頭部はティアラ。そしてミニスカートである。

…ミニスカートである。

げんなりした表情を隠せる面頬サイコー!


ダンジョンに持ってくるにはデカイ大剣。防御魔法が切れたら最低限の防御力すら維持できない軽さ特化の魔法軽鎧。動きやすいとはいえ脚が露出するミニスカート……ダンジョンを軽く考えているのだろうか…

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