1話
魔物とダンジョンと魔法が存在するファンタジー世界【アスヴァルガ】
そんな世界のAクラスダンジョン最奥部に血みどろで壁にもたれかかっている黒髪の少年が一人。そう俺だ。
何を隠そう俺は異世界転生者である。
よくあるVRMMOをやっていたら転生した、というアレだ。
役職とアイテムインベントリの中身を引き継いでレベル1から再スタートになった訳だが…インベントリの中身はロックされてるせいで元々あった容量はほぼ使えず他人よりかなり小さいインベントリ。特殊職のせいで特定の武器じゃないと実力を発揮できない。スキルすら使えない適正武器じゃない武器(片手剣)を強制され、役職のせいでコスパが悪い初級魔法をメイン武器に魔法剣士のような立ち位置で勇者パーティーの中衛職を担っていた。いた(過去形)。
それでも戦えていたのはひとえにVRMMOで転職しまくったおかげで適性がないのにすべての初級魔法を使えることが出来たからだろう。
…この世界における勇者とはめっちゃたくさんおる精霊が加護を与えた者達のこと。役職とはまた別なのがややこしい…
勇者パーティーの目標は最難関ᏚᏚᏚクラスダンジョン、世界樹の迷宮を完全攻略し加護を与えた精霊を次世代の世界の守護神にする…というお題目のもと、精霊達は面白そうだからと気にいった人たちに加護を与えてとりあえずダンジョン行こうぜ!!ってしてるだけなのだ。
人類もとりあえず精霊とダンジョンの恩恵あるし、まぁいっか!とめっちゃお気楽。
だから勇者がたくさんいるし、勇者パーティーもむっちゃある。
俺がいた勇者パーティーは俺含め少年2人、少女3人の5人組。
金髪ロングの少女が勇者…役職は剣聖。
7大精霊の1精霊、光の精霊に認められた正義感満ち溢れた希望に満ちた少女。…俺の幼馴染なの。
…そう幼少期から俺にフラグを建設し、俺を冒険に駆り出した原因。好意の視線を幼少期から向けてきているのは知ってるが、無視しました。はい。
…また、武闘家と白黒魔導士の少女も俺に好意的だったのもあり、重騎士の少年は面白くなかったのだろうよ。だって重騎士3人の事大好きで劣情漏れかけたし、ハーレムにしたかったんだろう…最初から好意を伝えてもらっておけばこんなことには…
そういう訳で俺は重騎士の罠に嵌り、Bクラスダンジョンを攻略中に転移魔法でAクラスダンジョン【人狼の洞穴】の最奥部に追放されたのだった…いやぁ、転移魔法に包まれる直前、最後にみた重騎士の顔はそれはもうわっるい顔をしていたのなんの…って
「ワオォォォン!」
狼の遠吠えが俺の思考を遮る。
「…ったく現実逃避する時間もくれねぇってかぁ!?せっかちさんだねぇ!そりゃボスを倒されちゃ仇討ちしてぇよなぁ!」
俺は軽口を叩きながら、折れた右腕左足を魔法で固定し…その目を狂気に沈める。
【狂化】【痛覚鈍化】
雄叫びを上げながら、攻略したダンジョン最奥部から魔物を蹴散らしながらフロアを蹂躙し階段を駆け上がる。
俺の役職は■■■■狂戦士。
VRMMOの元アタックホルダー。
インベントリの中身さえ使えれば余裕なのに…
残った理性で現実逃避。それでも敵に向かって剣をぶち込む。外はまだかぁ!?
やっとの思いで外にでる俺。
「…当分、ダンジョンには潜りたくねぇな…とりあえずギルドにいくべ…」
狂化の反動でさらにボロボロになった身体を引きずりながら冒険者ギルドに向う。
…狙いは身体を治すポーション!
新人で処女作になります。それと不定期更新になります。
移動中にちょこちょこかければいいかなぁと思って…
自己満足で書いてあるのでお目溢しを…何卒ッ…何卒ッ…!!




