8(両想編) ルキ~side~
ルキ~side~
年越しパーティのミリィは、美しかった。私の色を纏いながら、軽やかに踊る姿。綺麗だと声をかけると、はにかみながら麗しく微笑む。
ミリィを自分だけのものにしたいという欲。私はもう、抜け出せないところまで来ているかもしれない。
ミリィから第一事務官の推薦枠に合格できたと報告があった。近衛騎士は王宮の勤務だが、文官は少し離れた建物で勤務する。近衛騎士は日中夜の護衛があり、文官のミリィと生活のリズムが違う。
ミリィに会いにくくなるな…そう思うと、一緒に住めばいいのではと頭に浮かんだ。そうだ、卒業したらミリィと婚約しよう。今でさえ、ミリィに会えない日々が続いているのに、これ以上は耐えられない。
この頃、週末にシシリーナ王女の護衛として王宮に呼ばれることが多くなった。シシリーナ王女は、この国の第3王女。王立学園の1つ下の学年で、春から隣国へ留学することになっている。隣国の公女が学園に訪問したとき、護衛をしたのが私だったので、王女の目に留まったのだろう。学園内でも頻繁に呼び出され、王女の無理難題をこなし、護衛というより御守りだった。留学するまでの辛抱だと自分に言い聞かせた。
卒業前にミリィの誕生日があるから、正式に婚約の申込をしようと考え、逸る気持ちを抑え、婚約の準備に取り掛かった。