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陰女子宅への訪問者  作者: 八刄あぬ
春休み篇
9/23

アマサケマッサージ

翌日、午前七時。レインは自室があり、そこからラテの部屋へ向かった。早朝から起きてるかと覗くと、いなかった。鞄も無く、既に何処か出掛けたのだろう


『ラテは朝早いからな。じゃ、ショコラを起こしに行くか』


レインがインターホンを押す。しかし寝ているのか反応は無い


『早起きは健康の秘訣だしな……いち早く起こしたっ──』


インターホンが鳴った。これは家のインターホンだ。レインは急いで一階へ降り、扉を開けた


「はい」


レインが出ると、アマサケが立っていた。何やら大きな箱を荷台に乗せ持ってきていた。アマサケは何やら楽しそうだった


「おいお前、時間を考えろ。こんな朝早くからインターホン鳴らして、まだ寝てるとか考えないのか?」

「知るか。私は今日行くと伝えたぞ?」


レインは溜息を吐く。そしてショコラも起きてきていた。レインがアマサケを家に上がらせると、階段の上からショコラが覗いていた


「ショコラ、起きたか。それとも起こされたか、おはよう」


そしてショコラの部屋に三人、レインはカーテンを開け陽の光を入れる。ショコラはベッドに、片方の椅子にレインが座ると、アマサケは立ちながら箱を開ける


「まず一つ目、このジャーキーだ。毎月この家に届くよう頼もうと思うが、気に入るか分からんから試食として持ってきた」

「ショコラは油物食べれないぞ?」


レインは言う


「これは油を殆ど取り除きつつも旨味も残した一品だ。野菜も混ぜてあるから、さっぱりしてて食べやすい。いいもんだろ?」


レインは感服していた


「よくそんなショコラの為に作られたような物を見つけれたな」

「だろ?」


アマサケは小さく笑う


「ま、これ特注品だからな」


レインは驚いた


「嘘だろ?ここまで」

「当たり前だ。私はラテの妹など、どうでもいいが……そう、強いて言うなら暇つぶしだ」

『と言いつつ、こいつ本当色々やってくれるからな』


アマサケが次に箱から出したのは。アマサケが箱を漁っている間、ショコラは目を輝かせていた。ゲームのガチャと似たものを感じたのか、何が出るのかと。アマサケは細長いタオルを一枚取り出す


「っと……?アマサケ、それは何だ?」


アマサケは続いて運動用マットのような物を出した。そして下に敷く


「ショコラ、横になれ」


ショコラは言われた通り横になると、アマサケはタオルでアマサケの目を隠す。後頭部で一つ結んであり、まるでスイカ割りでもするかのように


「全身マッサージをする。これは体全体の筋肉を伸ばして、少しでも柔らかくする」

「お前マッサージまで出来るのか?」

「一応。ちなみに、全身筋肉痛になるのは覚悟しろ。これが近道になる」

「ちょ、全身筋肉痛って」


ショコラは何一つ文句のない顔をしていた。ショコラが良いならレインに言う権利は無い


「あとレインは部屋出てろ。より静かな空間を作りたいし、こいつがドMでない限りは見られたくないだろうしな」

「それもそうだな。じゃ、ショコラ、リラックスして色々やってもらえ」


レインは部屋を出る。レインは時間が空いた為、出かける。ショコラと自分の飯の食材調達にショッピングモールへ向かった。そしてアマサケは言う


「じゃ、やる」


アマサケはショコラのピンを取った。そして足首を少し強く上下に伸ばし、つま先から足首までをほぐす


「痛い」


あまりの痛さに声が出た。アマサケは次に足裏のツボを押す。指の付け根辺り、足裏の左右端、そして指の左右を少し強く握り、指をほぐす。ショコラは痛みが勝り気持ちいいという感情は無かった。踵もツボを押し、左右から握る


「どちらかと言うと骨に刺激を与えてる。おそらく、今のお前は体中がボヤッとしてて……つまり体が眠っているような状態だ。それを起こしてやるのがこのマッサージ。ちなみにこっから少し痛いぞ」


脛の脛骨(すね)の左右にツボ押しをし、脹脛(ふくらはぎ)をもぎ取りように大きく強く握る


「あっ……」

「次は結構ヤバいからな」


大腿部(ふともも)の上側のツボを的確に付くと、下側を脹脛同様に強く握る


「ダメ……これ」

「そりゃそうだ」


その後、股関節、尻から腰まで終える


「トイレ」


ショコラはそう言い立ち上がると、軽そうに走る。ショコラはその変化にアマサケへ脱帽。そして少しし、トイレから戻って来るとショコラは再び横になる


「次は背中、肩、腕と上半身を終わらせていく」


背骨の付近を押していく。震えたような「あ"ー」という声がショコラからは出ている。アマサケは一旦安心した


『こいつは他人の前で話せない。それは緊張により声が出ないからだ。今は私の前でも声は出てるし、少なくともマッサージの間はリラックスができている証拠』


そして背骨の左右、山となる部分を押していく。そして肩のツボを押し、腕に入る。脇は疲れが溜まりやすく、アマサケは脇の中でなく、脇の前と後ろの腕と背中や胸筋を繋いでる辺りを強く握る。腕を動かした疲れはここに来る


「あ"ー……お姉……ちゃん、そこ」

「分かってる。痛いだけだ」

「だけ?」


腕を終えると手の平をやる。指の付け根を押す


「付け根は目で見ると三関節だが、実際はその下。手の平の中央より少し上辺りだ」

「関節?」

「指にある横線。上から一二三と数える」

「そうなんだ」


指は念入りにやる。特に第二関節より上を二本指で挟むように揉む。普段のスマホから手は凝っており、ショコラは眠ってしまう


「寝たか」

『こいつ、やはり夜中にスマホ見てるか。ケーキだけじゃなく、こっちも依存症か?いや、どっちも完全に依存してはいない。七十パー依存症と言った所か。いずれにしても朝からは寝かせれんな。夜に寝れなくなりスマホに行き着く』


アマサケは首を軽く揉む。そして顔下も顎下、その骨に沿って骨を摘むよう揉む。耳下の窪み、更に耳裏も軽く。次に後頭部を軽くツボ押しし、第二関節を曲げて尖らせ、頭頂から左右前後全方向へ髪の流れに沿うかのように降ろす。次にデコの中心を尖らせた指で髪の付け根から鼻の頂点辺りまで降ろし、同じことを顔の端でも行う

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