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陰女子宅への訪問者  作者: 八刄あぬ
春休み篇
6/23

散髪される陰女

アイラビュは鞄からハサミを取り出し、下にゴミ箱を置いた。アイラビュはその髪を触っていると、心震えた。その長い黒髪は無数に絡まっており、埃なども被っていた


「ショコラちゃんさ、最後にお風呂入ったのはいつ?」


ショコラは少し考えた後、紙に書いた


《3かげつまえ》


レインも驚きを隠せない。アイラビュは分かっていたかのように頷く


「分かった。それで、どんな髪型がいいとかある?」


《ない》

「ならアイラビュのお任せで頼む」

「分かった」


レインの言葉に了承の返事をした。そしてアイラビュ本人も緊張をしていた。初舞台がここまで難易度の高いもの。とりあえずとアイラビュは肩より下の髪を全て切り下ろしていく


『髪の絡まりは下の方で起こりやすい。下さえ切ってしまえば、上の絡まりも取りやすくなる』


全て切り下ろし終わると、別人のようにさっぱりとした。ゴミ箱は溢れんばかりの髪。レインはゴミ箱を持ち


「一度捨ててくる」


と捨てに行く。そして空のゴミ箱を持ち再び戻ってきた


「お疲れ〜!」

「疲れましたよっと」


謎のノリだ。そしてアイラビュは細かい部分を切り始める。それから十分ほどすると、髪も整いショコラは物凄く可愛らしい髪へなった。と同時に髪に腕や足など体全体の細さがより際立つ。少し捻れば折れるような細い腕


「ショコラ、似合ってるぞ」

『ふーん、レインって年下相手だとこんな感じなんだ』


切り終わると、アイラビュはハサミを片付け、黒いピンでショコラの前髪を左右で止めた。デコの出るヘアスタイルに変わった


「流石、センスいいな」

「あんがと。あと風呂には私が入れるよ」


レインは疑問に思う


「風呂くらい一人で大丈夫じゃないのか?三ヶ月前は自分で入ったってことだと思うし」

「ダメダメ。私が入れて上げる。はい、こっちですよー」


アイラビュは二階、ショコラの部屋前にある浴室へ連れて行く。レインはラテの部屋に戻り合ったことを話した。アマサケはラテの下に座っており、ラテはその膝の上に座っている。アマサケは話す


「ま、九年籠もってるやつが一人で風呂は普通に危ない。一度転んだら体弱すぎて重傷、立ち上がれますか?無理、さよなら。だろ?」

「なるほどな、それもそうか」


レインは納得したのと同時に


「アイラビュって意外と頭いいのかもな」

「いや、あいつは母親の介護してるから慣れてるんだろ」

「はえー、そうなのか」


続けてレインは聞いた


「そんで、お前ら何してんだ?なんでアマサケがクッションみたいになってんだ?」


ラテは言う


「知らないわよ。こいつ、急に私の椅子に入り込んできたから、ムカついて上に座ってやったのよ。そしたらこうなったわ」

「問題ないだろ?私がクッションになると同時に、ラテは私の掛け布団になっている。実に効率のいい温め合い」


アマサケは楽しそうに話す。レインは呆れ溜息を吐く


「そんなアマサケさん、次出番ですよ」

「はいはーい。じゃ、ラテ、どいて」

「ったく」


ラテが立ち上がると、瞬間にアマサケがラテの背筋をなぞる


「ひっ!」


ラテは顔が赤くなり不意にも抜けた声が出た


「ちょ、アマサケ!」

「そんじゃ、私は行ってくるからな」


アマサケは部屋を出ていく


「ちょ、待ちなさい!」


怒り狂うラテを後にレインは扉をそっと閉め、部屋の外に出た

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