表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰女子宅への訪問者  作者: 八刄あぬ
高校一年篇
23/23

2024/11/16_23:04:57

「ショコラ!息を忘れるな!」

「……」


ショコラには耳鳴りが走っており頭も真っ白。全く声が届いていなかった。このままではまずいとアマサケはショコラの口に口を合わせ人工呼吸を始めた。途中レインも合流をする


『呼吸ができていないのか!?ここまで酷いのは初めてだ』


途端、ショコラは意識を失った。アマサケは安心した様子で急ぎ足を少し遅める


「これで呼吸は可能」

「ショコラの意識が弱くて助かったってわけか」


アマサケは頷いた。意識が消えれば緊張も消え、自然と呼吸をし出す。ショコラはそのまま保健室のベッドで眠ることに。アマサケとレインは二人ベッドに沿う椅子に座り、アマサケは話す


「目覚めた時、ショコラが腹痛のことを忘れてくれるといいが」

「腹痛ってそんなヤバいのか?」

「一般的には知らんが、私は過去に腹痛で自害を試みたことがある。あれは辛かった」


レインは黙って聞いている。その話を


「私もこいつと似ててな、緊張が腹痛の形で現れる病気みたいなやつだ。少し緊張しただけで腹痛になるってのを繰り返してたら、知らぬ間に腹痛癖になったのか、緊張すらしてないのに腹痛が来るようになって地獄の日々」

「地獄……今は面影もないがな」


アマサケは頷く


「努力した。何故緊張してるのか?不安に感じてるから。何故不安に感じるのか?知らない場所、人。その中で腹痛になったらどうしようという恐怖。恐怖しないにはどうするべきか。まず落ち着ける暖かい格好をし、相手をよく見る。よく見ると別に怖くも何とも無い同じ人間だ。怖いものとして見るな、ただの人間として見ろ、自分に自信を持て……ってな」

「お前も辛い過去あったんだな。ショコラに肩入れする理由はそれか?」

「ああ。勿論ラテの妹だったってのは大きな理由の一つだがな」


それから翌朝となる。学校への寝泊まりにレインは新鮮さを感じていた。アマサケは既に部屋にいない。ショコラも目を覚ました


「……レイン」

「ショコラ、調子どうだ?」

「大丈夫」


ショコラが立ち上がろうとすると体が動かなかった。震えが、脳が緊張を覚えていたのか震えていた


「立てない」

『まだ震えてる!よっぽどだったのか』


アマサケが保健室へ入った


「暖かい茶、入れてきたぞ?」


ショコラは受け取ると、飲み始めた。暖かいが飲める程度の温度であり、調整に慣れていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ