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陰女子宅への訪問者  作者: 八刄あぬ
春休み篇
21/23

神に見えた人間への一歩

「ショコラ、突然だがお前の高校が決まった」

「決まったの?」


レインは一枚資料を机に置く


「『参区ノ学園』って言ってな、アマサケの親が運営してるらしい。練習場ということなら受験も何もいらんと言ってくれていると」

「それってどこにあるの?」

「めちゃくちゃ近所。ま、当然ではあるが」

「じゃあ……行く!」


レインは携帯を取り出し、メールでアマサケにそう伝えた


「よし、少し休憩したら下見行くか?」

「うん」


そして学校へ向かう道。とても近くであり、二百メートル程度真っ直ぐ行くだけ。新しく作られた高校らしく、到着し目に入る校舎はとても綺麗な物だった


「これが……高校?」

「ああ。にしても大きいな。時代が違えば俺が先輩だったかもな、なんちゃって」


それから数日が経った。高校初登校日も間近になっていた頃、ラテとアマサケが通話をしていた。家にいつも通りいるラテ


「アマサケ!一つ言うけれどね、高校なんてハードル高くないかしら?行くだけ無駄だと思うのだけれど?」

「ラーテ、お前にとやかく言う権利は無い。ハードルは高いが無駄にはならない。今更どうした?入学にはお前の同意もあっただろ?」


ラテは椅子を後ろに回転させ立ち上がる。そしてベッドにダイブし、仰向けに話す


「同意って言っても、あんたに言われた通り進めただけで私の意思は無い。それに、制服やら色々が届いて本当に行くのねって思っただけよ」

「心配でちゅか?ラテお姉ちゃん」

「黙れ!」


ラテは電話を切った


「あのショコラがね。ま、別に私には関係ないけど」


ショコラの部屋、赤い制服へと着替えた。明らかに違う雰囲気に圧巻されるレイン


「似合ってるぞ」

「なんか下がスーッとする」


スカートの裾を持ち、新しい感覚に違和感を覚えていた。レインは写真を撮る


「アマサケにも送っておく」

「待って」


レインは何かとショコラの方に顔を上げる


「アマサケには写真じゃなくて……実際に見てもらいたい」

「そうか、分かった」


レインはその写真を消そうとすると


「待って!」


再び止める。今度はなんだと顔を上げると、ショコラがレインに近づいた


「その写真は消さなくてもいい」

「そうか、分かった。唯一の写真として残しておく」

「唯一?」


ショコラがスマホを見ていると、レインのアルバムには写真の一枚も無かった


「え、寂しい!」

「撮ったのは全部消してるからな」

「そうなんだ……」

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