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陰女子宅への訪問者  作者: 八刄あぬ
春休み篇
15/23

恐怖の緊張警報

治療を終えると言われた


「終わりましたよ。ショコラさんね、甘いものはほどほどに」


ショコラは全くの無反応を見せた。レインが一礼する


「助かりました。ショコラ、立てるか?」


ショコラは息の吸えないような感覚に襲われていた。目眩や耳鳴りの襲われ、意識が朦朧としていた。レインは酸欠になっているのだと、すぐに理解した


「大丈夫かい?」


歯医者が聞いた。その瞬間、ショコラは椅子から倒れ落ちた──。そのことはアマサケやラテにも伝えられた。ショコラは病院の布団上で未だ意識を失っていた。レインがショコラの横で寝顔を見ている時、扉は開いた


「大丈夫かー?」


アマサケが病室へ入る


「極度に緊張をすると、息を忘れ酸欠になる。歯医者で倒れたんだろ?」

「想像は容易ってか」


レインは気の抜けたような声で返した。アマサケはレインがかなり疲れてるのだと察した。一日中ショコラに付きっきりであり疲れて当然だ


『レインのやつ早くも疲れてやがる。ま、いい機会だ』


「レイン?ショコラを私の家に三日間預けてみないか?」

「お前の家に?」


アマサケは頷く


「私の家なら少し緊張はするだろうが、少しは慣れている。更に私の友達も呼ぶから、人との接触も可能。練習場としてはうってつけだろ?」


レインは少し考える。その間にアマサケは話す


「ちなみに、ショコラはお前にべったりだ。しかしそれはよくない。今度はお前無しで生きられない人間になる」


決断ができたレイン


「分かった。ショコラを三日離れさせる。分かっているとは思うが、完全に限界が来たら家に返す。それだけは絶対だ」

「当たり前だ」


ショコラは目を覚ます。気を失い数時間、すっかり真夜中だった。アマサケはほっとした


『私たちがいるこのタイミングで起きてくれて助かったな。もし真夜中に目覚めてたら、全く状況も分からず怖かっただろうしな』


「病院?」


レインは頷く


「そうなるな」


ショコラは俯き涙を流す


「ごめんなさい……」

「泣かなくてもいい。お前は頑張っただろ?」


アマサケは話す


「レイン。ショコラは悔しさや恐怖で泣いている。いつゴールに到達できるのかも不明で、努力しても辛さが増すだけで成長が感じられない。これは自分との戦いだ。何度辛くなって泣いてもいい」


「その涙を受け止めれるのはレインだけ。じゃ、私は帰る」


アマサケは籠に入るフルーツを置き部屋を出ていく。フルーツ籠には葡萄、苺、桜桃などの比較的小さく食べやすい物が詰められていた


『ったく、アマサケには敵わん』


レインはショコラを抱きしめ、その涙を受け止めた。一緒にいるとその辛さは少しだけ分かるようになった。ショコラの気持ちを

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