表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

その1

 2011年3月31日の事。自分の名前は安川健太。この日の朝、故郷の福岡県から飛行機に乗って、東京の羽田空港に着いた。つい最近まで福岡の某大学に通う大学生だった。


健太「入社式にわざわざ東京でしなくてもいいのに・・・。」


 明日行われる入社式の為に、僕はここにやって来た。一応しっかりした名のある会社だ。支社が全国に広がってる。でも会社としては東京にある本社で行うとの事で、自分みたいに上京してくる者たちの為に、この日宿泊できるホテルを用意していたのだ。さすがと言うか、景気の良い話と言うか、とにかく今自分は、そのホテルへと向かっている途中だ。


健太「・・・まぁ、費用は会社持ちだから、贅沢っちゃあ贅沢かな。」


 そもそも一流の大学を卒業した訳ではないので、自分としてはこんな会社に入社できただけでもラッキーだ。しかし多少の不安はある。それは入社して、やってみない事にはわからない。


健太「・・・それにしても、久しぶりだな。いつ以来だろう。」


 東京へは何度か来た事がある。だから今、空港からモノレールに乗って都内に向かっている。ホテルの場所も何となくあそこだなって健闘がついてる。迷ったらそれも何かの笑い話になるだろう。


健太「・・・どうせ地方に配属されるんだろうな。・・・あっ!?」


 たった今窓からの景色で、とある競馬場の様子が見えた。でも単なる地方の競馬場だと思う。東京競馬場の所在地からしてその場所は違うし、何よりその競馬場はあんまり広くないように見えた。


健太「・・・ダービーが行われるには、あまりに小さ過ぎるな。」


 日本ダービーは東京競馬場で開催される。その時は何万人もの人たちがやって来る。見えた競馬場の広さじゃあ、いくら何でも狭いよな。しばらくしてその競馬場の風景は過ぎて行った。


健太「・・・そうか。・・・だったら、宮崎でも良いかな?」


 とふと呟いた。それには理由がある。それは2010年、去年の事だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ