プレイヤー紹介
「大好物推測?ルールは何なのかしら?」
ケイジは説明する。
「大好物推測はこのゲームマスターの大好物を3つ当てることだ。」
「そんなのざっくりしてるわ。」
「そうよ。何かヒントとかないのかしら?」
プレイヤーは少し困惑している。
「質問回数は全員合わせて3つまでだ。」
「それじゃあ、私達がふりよ。何か救済手段くらい用意しなさいよ。」
「救済手段?そんなの用意するわけないだろ。」
ケイジはプレイヤー達をあざ笑う。
「人が助けを求めても人を何度も追い詰め続けたんだから、俺が被害者なら救済なんてしないな。そんなのはともかくお前達は助ける値しないことのほどをしてきた。責めるなら、行いの悪かった自分と他の同レベルのプレイヤー達を責めることだな。」
ケイジは笑い続ける。
「ルールの説明は以上だ。そうだ。ゲームをはじめる前にプレイヤーの紹介をする。まずは一人目木村知世、50歳パート主婦。2人の子供を持ってる。職場で新人をいびったり、噂話するのが好きな典型的なお局だ。あとここは重要だけど、ここの最年長だ。」
「お局?私は新人なんていじめたつもりなんてないわ。今の子は何でもかんでもすぐパワハラと訴えてくるのよ。それに私の時代はもっと大変だったのよ。それと年齢軽々と話すんじゃないよ。」
「最年長のおばさんか、宜しくね。」
船崎穂乃華が木村知世を馬鹿にする。
「あんた今は良いけど、後で痛い目を見せてやるんだから、覚悟しなさい。」
「あー、怖。おばさんってこういう人なのよ。私がおばさん扱いとか一緒にされたくないわね。沢恵理香さん!」
入江美代子は木村知世を馬鹿にしつつ、沢恵理香に説教した。
「次は2人目のプレイヤーを紹介する。山本佐江、48歳独身女性。女性には甘く、男性やモテる女性や男性の味方をする女性を嫌うミサンドリストだ。これも厄介なお局だな。」
「あのさっきからお局って言ってるけど、年取った女をお局呼ばわりするから女性差別が無くならないのよ。何で男は年取ってもそんな言葉で罵られないのよ。可笑しいでしょ?日本は遅れてるのよ。」
「本当、その通りね。」
山本佐江もケイジに怒鳴る。入江美代子も便乗する。
「確かに各国の課題もあるし、ジェンダー間の問題は終わってない。だが女性を皆お局だなんて一言も言ってない。その言葉が嫌なら、お前らは人として終わってる人間と言うしかないな。一人の人として尊敬に値しないしない人間ということだ。これで納得言ったか?」
ケイジに言われると山本佐江は苛々しながら口をムズムズさせた。
「次は3人目のプレイヤー、入江美代子だ。一言で言うと玉の輿女だ。若い時に10歳以上年上の金持ちな社長と結婚。それから3人の息子に恵まれる。現在は社宅に住んでいて、社長の妻というのを武器に自分ルールを押しつける女だ。取り巻きを連れて年収マウントをとったり、ブランド物アピールだ。いわゆる旦那のお飾りってところだな。」
「飾り?何も知らないくせに決めつけるのやめてくれる?お飾りじゃなくて、旦那と相応しい関係の女なのよ。」
「その服装でもよく言えるよね。こんなに痛い40代もいるんだ。」
船崎穂乃華と沢恵理香がクスクスと笑う。他の主婦達も馬鹿にした目で彼女を見た。
「同じ年代として恥ずかしい。」
「ちょっと囚人服なのに、胸を見せるんじゃないよ!」
山本佐江が美代子に怒る。
「は?私、胸が大きいから少し露出しちゃうんだよね。まな板なあんたには分からないか。」
「このクソ女!男たらし!」
二人は取っ組み合いの喧嘩になった。
「つまらない争いだな。4人目のプレイヤーを紹介する。佐伯舞華、43歳。外資系のエリートなイギリス人の旦那と結婚。2人の娘がいる。外国人旦那自慢が絶えず、日本人やアジア系の旦那を持つ女性にマウントをとるのが日常茶飯事の海外かぶれ女だ。娘達も過剰に甘やかし、マウントの道具として使っている。海外をやたら語るくせに専業主婦。この手の人間は嫌いなんだよ。」
プレイヤー達はケイジを日本人だと思ってる。しかしアメリカ人の父と日本人の母から生まれたアメリカ人だ。彼は自分の素性を決してプレイヤーには明かさない。ゲームマスターは素性を簡単に明かしたら成立しない。
「あんた欧米人女性に相手にされないひがみね。日本の男なんて背低いし、格好悪いし、レディーファースト出来ないし、育児とか全然関わらないからそりゃ欧米でモテなくて当然でしょ。その発言国際結婚してる私達全員を敵に回してることになるわね。」
「別に国際結婚してる人達が全員マウントしてると言ってないけど。英語も日本語も理解力がないなんて人として救いようがないな。お前は性別とか関係なく、人として魅力がないだけなんだよ。そんなのも分からないか?発言の一つ一つが自分の自己紹介してるみたいだな。それとお前の発言はこの会場にいる既婚女性プレイヤーを敵に回してるな。俺は別に敵に回すような証拠もないし、不利な状況じゃないけど、自分の状況よく分かってるのかな?」
ケイジは舞華をあおる。
「悔しいなら、皆外国人と結婚すれば良いのよ。あんた達は負け組なの。」
「社長の妻を前にしてこの発言するのかしら?言っておくけど、英語のレベルならあんたよりか私の方が上なのよ。英語の実力ない時点であんたの負け組なの。」
美代子は舞華を馬鹿にする。
「旦那とあんた釣り合ってないでしょ。旦那さん、可愛そう。美女と野獣の逆バージョンね。」
有吉加世がさらに挑発する。今度は加世と美代子と舞華が言い争いの喧嘩になり、お互い髪を引っ張り合う。
「次のプレイヤーを紹介する。5人目は雪田マリ、45歳独身OL。プライドの高いキャリアウーマン。自分より能力の劣ってる人間を徹底的に追い詰めるお局だ。数多くのパワハラをしていたようだな。入江美代子同様、ブランド物が大好きなようだな。過去に同級生を数人いじめてた最低最悪な女だ。」
「悔しければ能力をつければ良いのよ。私はね、そこら辺の女達とは違うのよ。専業主婦なんて仕事の出来ない言い訳よ。」
「そんなこと言ってるけど、仕事を言い訳に結婚出来なかった行き遅れなんでしょ?痛いにもほどがあるわ。」
美代子が馬鹿にする。
「何なのよこの玉の輿女!あんたは所詮旦那のお飾りなのよ!」
「離しなさいよ!」
ゲームプレイ前より関係が悪化してる。本当に彼女達は更生するのだろうか?
「次のプレイヤーを紹介する。6人目のプレイヤーは時任千華江、47歳既婚女性。子供はいない。体重は70kg。」
「ちょっと、何で私のだけ体重公開するのよ!」
「職業は中学校の音楽教師。吹奏楽部の顧問を務めてる。自分の気に入らない生徒の内申点を下げたり、部活中や部活外の時間、生徒を罵倒するようなことをしてる最低教師だ。」
「私のやり方が気に食わない生徒が全て悪いのよ。私が吹奏楽部に名誉を残しているんだから、それくらいの厳しさは必要よ。」
「他にも秘密がたくさんあるけど、ゲームの行い次第ですぐ暴露しちゃおうかな?」
ケイジはプレイヤーを嘲笑う。仮面をつけていても笑い声が表情を連想させる。
「私、働いてて色んな人間見てきたけど、デブって1番向上心がないのよね。ダイエット出来ないのは甘え。普通に生きてたらこんなに太れないよね?」
マリが千華江に刺さる一言を言う。
「どう見ても私はデブじゃないわ。独身女のひがみかしら?男子生徒は私のことしたってるし、私は可愛いのよ。」
「おばさん、無理があるでしょ。まあ独身女もデブ音楽教師も同レベルね。」
沢恵理香が二人ともののしる。
「次のプレイヤーを紹介する。7人目は有吉加世、41歳既婚女性。実娘と旦那の義娘との暮し、旦那が元ヤクザなのを良いことに他の主婦の旦那を馬鹿にしてはマウント取ってる女だ。自分の気に入らない相手がいると、辞めるまで追い詰めたりしてるんだな。俺はもっとヤバい不正の数々知っているんだよな。」
「あんた旦那がヤクザだからって調子乗りすぎね。ゲームはじまる前から正直旦那自慢がうざかったのよ。」
「あんただけには言われたくない。」
加世は国際結婚マウント女舞華をぶっ飛ばした。
「痛いじゃないの!私の顔に何てことをするのよ。分かった。私のことが憎いんでしょ?私が本物のセレブだってことに。」
「今回だけは佐伯に共感ね。旦那の稼ぎが大したことないからパートで働いて、威張ってるのよ。高級ブランドの物を身に着けてるけど、実際は試着しては返品してるんでしょ。こういう偽セレブもいるもんなのね。」
舞華と美代子をぶっ飛ばした。
「何するのよ。暴力女!」
「あんまり調子に乗ると、顔の原型無くなるくらい殴ること出来るけど良いのかな?私、元ヤンだから。誰も私に勝てはしないよ。分かったら、調子に乗った口を聞かないで。」
「おばさん、暴力で相手を制圧するなんて馬鹿なの?今ので皆があんたを警戒するよ。下手な真似はしない方が良いよ。」
沢恵理香が耳元で小馬鹿にしながらささやく。
「次のプレイヤーを紹介する。8人目は船崎穂乃華、36歳既婚女性。3人の息子がいる。仕事はかけ持ち。普段はフリーランスでITエンジニアの仕事をしてて、たまに入る飲食業の仕事では良い人を装い、自分の気に食わない気弱な年上の女性には根拠のないルールを押しつけたり、取り巻きを使っていじめとかしてるんだな。上司とか他の仲間の前では何もしない典型的な偽善者タイプか。事実確認があっても上手く誤魔化すを何回も繰り返す最低女だな。お局って口が達者で人を丸め込むのが上手いけど、ゲームマスターを良いように使うのはそう簡単じゃないから、今までの常識なんて通用しないと思うんだな。」
ケイジは船崎穂乃華のことも嘲笑う。
「そう言う陰湿な人とゲームプレイするとか先が思いやられるわ。」
時任千華江が彼女を指摘する。
「私の生活全てを見て言ってるの?全ては仕事覚えの遅いババアが全て悪いのよ。教えてもすぐ2回も同じこと聞く。それなのに客にヘラヘラと笑顔振りまいてるババアが嫌いなのよ。」
「おやおや、飲食の仕事場ではそんな本性出さないのに、ここでは本性出すって人間って怖いな!」
ケイジがクスクスと笑う。
「どんなに今までの事実を隠蔽しても証拠はいくらでもここで見せれるから、ゲームの行い次第で公開してやるよ。」
証拠は情報部が入手したものがほとんどだ。
「次のプレイヤーを紹介する。9人目最後のプレイヤーは沢恵理香28歳、独身女性。バスケ部の顧問に枕営業をして外部コーチをしてお金を稼いでるんだな。しかも卒業生。当時の自分より上手い生徒に嫉妬して、その生徒を孤立させて、部員間のいじめを助長してるようだな。他にもこっちはたくさんの秘密を握ってるんだよな。」
少し不可解な点はある。何故、副業せず彼女が外部コーチだけでお金を稼げてるのか疑問でしかない。他に裏があるに違いない。
「散々私のこと玉の輿ババアとバカにしてたけど、あんたの枕営業して威張ってるよりかはずっと健全じゃないの。だからゲームマスターにもあの時、お得意の技を使ったんじゃないの?色恋営業が出来なければ、あんたはただの無能よ。」
美代子が仕返しに恵梨香を叱責する。
「プレイヤー紹介は以上だ。ゲーム開始だ。」
彼女達の通らなくてはいけない試練だ。