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新感覚脱出ゲーム  作者: ピタピタ子
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集合

「ケイジ、2回目の任務を与える。1回目は新人として中々の成果を残したな。」

「あの、次の派遣先はどこなんですか?アメリカ国内じゃなきゃ困るな。」

「次の派遣先は日本だ。」

「日本かよ。俺が日本語喋れるからって。面倒臭いことになったな。給料あげてくれよ。」

「これは社長からの命令だ。最初は俺が仕事をあげてたが、今回はお前の1回目の任務の評価が良かったから、社長もお前に目をつけたんだ。給料はもちろん上げるけど、お前の実績次第で給料がもっと上がるかもな。」

「もし納得のいかない給料ならこんな仕事辞めてやるからな。」

「この仕事は辞めるのには口うるさい決まり事がある。国の法律よりうるさい決まりだ。もし守らなければ、命が無いと思え。」

アメリカに拠点を置く会社で2人の社員が話していた。裏NPO法人ダスト更生プロジェクトという会社だ。5年前に設立した会社で、知る人しか知らない知名度の低い企業だ。これから入社半年目のケイジの任務を見ていこう。


「面倒臭いな。やっと日本ついたよ。マップにも表示されない極秘の場所なんて。新人は会社の検索エンジン使えない糞ルールがあるからな。給料が良かったから辞めずにいたけど。」

床に星型の矢印が印されていた。彼はそこにカードキーを当てた。すると異空間に飛ばされた。

「ここか。まずはプレイヤーを集めないとな。その前に俺の素性が知られたら、面倒臭いことになるから作業着に着替えるか。」

ちなみにこれは会社の規定だ。

「プレイヤーは9人か。木村友世、山本佐江、入江美代子、佐伯舞華、雪田マリ、時任千華江、有吉加世、船崎穂乃華、沢恵理香か。」

今回タブレットに表示されているプレイヤーはこの9人だ。全員女性だが、ただの女性ではない。世間が言うお局と言う女性だ。しかも中にはとんでもない罪を犯してるお局もいる。ケイジはどんな風にこのゲームを進行していくか楽しみだ。

「全員女かよ。しかもよりによってこんな奴ら見てるだけでも疲れるというのに数ヶ月こいつらのこと管理しなきゃ行けないのかよ。それならまだ前のテロリストの方がマシだったな。」

彼女達はテロリスト並みの罪を犯してる訳では無いが、彼女達の罪は簡単に許されわけないのもいる。違った意味のヤバい人間だ。電話が鳴る。ケイジの上司、ベンからだ。

「ベン、何だ?」

「もう会場には着いただろ?プレイヤーは全部集まったか?」

「これから集める所だ。たく、面倒臭いな。名古屋とか大阪とか遠い所に住んでる奴もいんのかよ。」

「俺はお前より実績残してるから、会社が支給する車使いたい放題だ。もちろん運転手つきだ。」

ベンはいつもケイジにマウントを取る。もちろん成績が良く、これ以上の待遇を受けてる社員もいるが、企業秘密だ。

「新幹線だから待たないと行けないし、何で俺がこんな目に合わなきゃいけないのか。」


東京に住んでる3人のプレイヤーをまず探し回った。情報部の社員からの情報を元に探した。

「何するのよ!」

振り向くと一人のプレイヤー木村知世は気絶した。新人は1年経たないと社用の車は使わせて、貰わない。だからプレイヤー集めは基本的に上司がついてやるが、ケイジの実力が良いので、さらに実力を試すために今回は海外かつハードな任務になった。彼女を持ち上げ、ケイジはとっさに新幹線に乗ろうとした。

「しまった。新幹線はまずい。レンタカーを借りるしかないか。」

乗り間違いやキャンセル分の交通費も会社が払う。 ケイジはレンタカーを借りた。そこのトランクに彼女を入れた。

「あともう一人入りそうだな。」

レンタカーで港区まで移動する。情報部から得た彼女のメールアドレスに連絡を入れた。もちろん彼女の同僚のアカウントを乗っ取って。

「2人目確保。」

2人目の雪田マリを乗せて、会場まで戻る。苦戦しながらも難なくターゲットを捉えた。

「3人目確保!でもさっきの女より体重が重いな。」

女性の体重に関して、軽々と触れてはいけない。彼は時任千華江をトランクに運ぶ。そして彼は神奈川県まで移動した。横浜の近くで4人目の佐伯舞華を確保して、トランクに詰める。そしてまた会場まで戻る。

「そろそろ疲れてきたな。」

今度は越谷まで行き、5人目の山本佐江を確保した。

「次は名古屋と岐阜までか今日は遅いからこの辺にするか、そう言えばあいつらにエサをやらないとな。」

会場に戻ると既にいる5人のプレイヤーはイライラしていた。5人のスーパーで買ったような惣菜パンを上から人数投げた。

「これはお前らのエサだ。朝と昼の分もあるから大人しく分け合って食べろ。俺はもう寝るから。じゃあな。」

ガラス越しで5人のプレイヤーはひたすら怒鳴って怒っていた。彼は自分の名をまだ名乗らなかった。怒鳴り声だけは一人前の大人達だ。


次の日、早朝名古屋に行き。寝起きを利用して、6人目の入江美代子を確保した。

「次は岐阜まで行くか。」

岐阜市まで行き、沢恵理香の自宅に侵入した。後ろから銃を突きつけた。

「後ろを振り向いたら、銃を放つ。命が欲しければ、黙って言うことを聞け。絶対に振り向いたり、騒いだりするなよ。」

とっさにスタンガンを使って、気絶させた。

「7人目確保。」

この企業はどんな荒技をプレイヤーに使っても、処罰されることはない。この会社はある条件を満たしたものには人権というものを剥奪するのを認める権利がある。

「あと2人だけど、今日は名物でも食べて帰りたいな。」

キオスクで適当にお弁当などを買って会場まで帰った。会場に新たに2人のプレイヤーを投入した。

「あんた、どういうつもりなのよ!今すぐここから出しなさい。」

「君達の行い次第でここを脱出出来るけど。」

昨日以上に怒っていた。プレイヤー同士も決して仲が良いとは言いきれない。

「ほら、エサだ。ゲームがはじまるまで俺は手を離せない。しばらくこれを食べてろ。」

「ちょっと、初対面に対して失礼じゃないの。その仮面を外しなさいよ。あんたのこと通報してやるんだから。」

木村知世はピリついた表情で怒った。

「この状況でよく言えるね。言いたいだけ言えば良いよ。これからどんな状況に立たされるかも分からないのに。仲良くエサを分け合えよ。」


次の日、早朝から大阪まで彼は行く。この仕事は体力と忍耐力がものを言う仕事でもある。面倒臭いと言いつつ、実績を残すためにはこんな所で疲弊しない。同期の中でも過酷な任務を任されている。

船崎穂乃華は酔っぱらっていた。そこを狙って車まで運んだ。

「好都合だな。8人目確保。いよいよあと一人というところか。もう一人は情報部によるとこの辺にいると思うんだが。中々見つからないな。」

急きょ情報部から情報が来た。最後の一人は大阪は旅行で来てて、ちょうど旦那と新幹線に乗った所だ。彼は情報部に連絡した。

「急な変更は困る。プレイヤー集めに支障をきたす。到着地はどこなんだ?」

「品川よ。」

情報部が彼女のソーシャルメディアのアカウント全部のパスワードを公開した。その情報をもとに有吉加世のアカウントとその旦那のアカウントを乗っ取った。追跡情報も聞きながら、有吉加世を確保した。これで全員揃う。プレイヤーを安全に会場まで運んだ。


翌日、いよいよ新感覚脱出ゲームが始まる。

「皆さん、こんにちは。ゲームマスターのケイジだ。これから新感覚脱出ゲームをはじめる。プレイヤーを紹介する木村知世、山本佐江、入江美代子、佐伯舞華、雪田マリ、時任千華江、有吉加世、船崎穂乃華、沢恵理香の9人だ。」

プレイヤーは早速不満げな顔をしていた。

「これからこの服を来てもらう。」

服装変更装置で全員、囚人服になった。

「ちょっと、やだ!この服、高いのよ。早く、返しなさい。」

入江美代子は動揺する。この中で全身高いブランド物を身にまとっている。

「安心しろ。平等に全員分、特殊な装置で処理したから。戻ってくることはない。あと鏡も見ろ。」

「人のメイクを勝手に落とすなんて、最低よ。」

船崎穂乃華や他のプレイヤーも声を荒らげて怒る。

「俺は誰がメイクをしようがどうでも良い。問題はお前らの性格の悪さだ。メイクでどんなに隠そうがお前らの性格は簡単には治らない。」

「てか、あんたメイクとったらただの若作りおばさんじゃん。ウケるんだけど。」

最年少の沢恵理香は入江美代子の顔を見て馬鹿にした。

「は?誰に向かって口聞いてんのかしら?あんた、若いだけじゃん。対して可愛くないじゃん。」

「ケイジさん、このおばさん怖いです。助けてください。」

恵理香は上目遣いで画面上のケイジを見る。

「キモ。こういう女は金とかでしか男見ないタイプだから1番嫌いなんだよな。」

ケイジは容赦のないゲームマスターだ。

「あんた、女を見る目がないわ。私、こんなに綺麗じゃん。あんたみたいな低レベルの男には分からないのよ。」 

「言ったでしょ。あんたはただ若いだけが魅力な尻軽女って。」

「あんたみたいなのがいるから、男が調子に乗るのよ。こんな人と同じ空間なんて最悪だわ。」

山本佐江も恵梨香を責める。

プレイヤー同士も同族嫌悪なのかかなり仲が悪い。

「9つのゲームが終わるまで、ここの密閉空間からは出れない。まずは一つのゲーム。大好物推測だ。」

地獄のように長いゲームがこれからはじまる。

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