第1話 プロローグ 最強チート能力
無職ニートシリーズにハマりました。
ある者は必死に練習し、
ある者は泣き崩れ、
ある者は諦める。
最強のチート能力は
人一倍頑張っても獲得できない能力。
それをあっさりと取得してしまった者も、
またいる。
今日もダラダラと過ごす。
あっちから転生して、
早200年。前世でも今でもニート生活続けている。
「久しぶりに外でっか…」
後頭部をポリポリと掻きながら外へと出る。
もう何年風呂に入ってないだろう。
ここは、何も無い荒地。
水はあるし、火もあるが、運ぼうともしなかった俺は風呂に入っていない。
振り返ってみると、あっちの世界が恋しくなる時もある。
それはそうと、最近、家が軋む様になった。
外に出て、家を見ると、
「うっわ、ボロくせぇ」
案の定ボロッボロだった。
「そこら辺の木をくっつけるか…」
さて、木をくっつけるとなると、
木が必要だ。荒地、つまり誰も手をつけていない。木は余るほどあるのだが…
「どう切ろう、これ。」
切れそうな物を探すが見当たらない。
「こんな石ころで切れるわけねぇか。笑」
遊び半分でやってみる。
ドゴォォォン
バキバキバキバキ
「ま、マジかよ…」
俺の手、どうなってんの…?
いや、石がやばかったと言う説もある。
「も、もう一回。」
ドゴォォォン
バキバキバキバキ
「ま、マジかよ…折れた…」
石ころで折れるか?木って、普通。
「あ、いや、木が脆かったって言う説も十分有り得るぞ。もう一回。」
これくらい太い木なら無理だ…
ドゴォォォン
バキバキバキバキ
「ま、マジかよ…これは木とか石ころがどうこうの話じゃねぇぞ…」
ま、まぁ、置いといてだな。
「家を直そう。」
10分後ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「や、やべぇぞ、こりゃ…ビフォーアフター効かねぇ…」
俺の目の前にはさっきのボロ家とは
比べ物にならない家がたたずまっていた。
「前の俺、普通の木でこんなに出来なかった筈なんだが…」
ま、まぁ、これもさておき。
「風呂、流石に入るか。冷てぇ水だとしても、我慢だな。」
「冷たっ、やっぱり冷てぇや。温かくなんねぇかなー、なんか俺の手かざしたら湯気出てくるとか…」
ん?なんだ?この白いものは。
「湯気ぇぇぇえ?!な、なんでだ?!さっきまでめっちゃ冷たかったのにっ?!」
ちゃんと、温かい…
「マジ、かよ…」
ま、まぁ、これもさておき…
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「食料調達だな。」
肉が食べたいんだよなぁ
最強野菜ばっかだったからなー
「肉ねぇかな、肉。」
木の棒で肩を叩きながら歩く。
《ガウルルルルル…》
「うをっ、なんかやべぇのいたっ!」
《ガウッ》
「うわ、気づかれた、こうゆう時は、」
《ガウルルルルルッ》
「逃げるが勝ちだっ」
コイツ足はえぇっ
追いつかれるっ
こうゆう時は、目潰しの石ころだぁっ
《ガァァァァァァァ》
あら?
「死んでる…?」
石ころで死ぬのか?
普通がそうなのか?
俺が異常なのか?
…
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今日の生活から見て、
俺は自分が前と明らかに違うと悟った。
絶対に違う。何かが違う。
「なんだ…?」
石ころを投げただけで折れる木、
手をかざしただけで温かくなる川、
石ころで死ぬ猛獣。
…
能力だ。
俺は、
俺は、
チート能力を獲得したんだ…!
あっちでの生活と同様、
ニート生活を送り続けて200年。
遂になんと最強チート能力を獲得したようだ。