あなたに殺してもらえて
精神障害のある娘を、父親が殺害する事件がありましたね。
その事件が元ネタでは無いのですが、同じようなものです。
僕には、もう一人の僕がいた。
もう一人の僕は、ストレスを受けた時や、ふとした時に現れる。
その時僕は、行動や言動をコントロールが出来なくなる。
体が小さくなって、もう一人の僕の脳内に閉じ込められ、目に映った物を、まるで映画のように見ている感覚になる。
もう一人の僕は、物を壊し、人を傷付け、暴言を吐く。
だから、僕は必死にもう一人の僕を抑えつける。でも、結局負けてしまう。
小さくなった僕は「やめて」と何度も叫ぶだけだ。
気付けば僕は、自分の体に戻っている。
目の前に光景に、罪悪感が生まれる。
死んでしまいたくなる。
それを止めてくれるのは、まだ付き合いの浅い友人。
まだ出会って一年経つかどうかくらいなのに、彼は長年の付き合いの友人のように、自然に接してくれる。
そんな彼でさえ、僕は容赦無く傷付ける。
辛くて、一緒にいるのをやめようと言ったこともあるが、彼は笑って「まだ一緒にいたい」と言ってくれた。
嬉しい。嬉しいけど、彼は明らかに疲れた様子だった。
いつしか、死の事ばかり考えるようになっていた。
彼は、明るく笑った。
死にたい。
彼は、明るく笑った。
殺して。
彼は、明るく笑った。
一緒に死のう。
彼は、明るく笑った。
もう一人の僕が、今まで以上に暴れた。
泣きながら「ごめんなさい。殺してください」と繰り返していた。
物が次々と壊れて行った。
彼は必死に止めようとしてくれていた。
彼は泣いた。初めて泣いた。大粒の涙を流した。
「幸せになってくれよ」
その言葉を聞いて、小さな僕もコントロールが出来なくなった。
頭を抱えて泣いた。叫んだ。
「お願い。殺して」
苦しさなど感じなかった。
意識が朦朧としながら、幸せだと感じた。
僕が幸せになったら、彼も幸せだろうか。
そんな事無いか。視界がぼやけても、彼がまだ泣いているのは分かる。
幸せなはずなのに、心が痛む。
かなりの駄文になってしまいました。