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三題噺

夜更かし(三題噺、お題雪、無音、窓辺)

作者: 春夏冬 悪姫

私音無雪(おとなしゆき)は夜更かしが好きだ。

しかし、今日は意図して夜更かししていない。

昼間のことがあって眠れないのだ。

時計を見る。

午前1時28分。

眠れない私は考える。

あの言葉の意味。

今の感情(こころ)の正体。

あいつとは近所に住む知り合いだった。

幼稚園から一緒だから。

所謂幼なじみという所だろう。

小学校中学年までは一緒に遊んだ記憶があるがそれ以上だと登下校が被ったら一緒に帰るくらいだった。

特にそうなった原因はないが、あえて理由を上げるなら私が女であいつが男。故に興味が違ったってことくらいだろうか。

私はあいつのことを友達だと思っていた。

小、中、高となんやかんやで一緒になったけどそれはたまたまだろう。

私が今の高校に行くのは言ってなかったし、あいつが行くことも知らなかった。

それくらい中学校時代話さなかった。

なんで、私はそんなこと思い出してるのだろう?

あいつから言われた言葉を考えるのを拒否してるのだろうか?

あいつの言葉が頭をよぎる。

恥ずかしくて見悶えてしまう。

時計を見る。

いま午前3時32分。

ベッドの上で考える。

「私から言わせればそれって幽霊みたいなものなのよね」

知り合いのそんな言葉を思い出す。

「あるかないか。なんて見た人体験した人しか分からないでしょう?」

だから、この感情(きもち)も迷信?

この感情(こころ)はなに?

なんで、あいつはあんなこと言ったの?

湧き上がる疑問に対する解答を探す。

思考に少しモヤがかかった。

なにか忘れてる?気づいてない?

それでも、私は思考する。

いま午前5時52分。

私は決断する。



「昨日の答えを教えてくれ」

そう切り出してきた。

人気のない校舎裏。

雪の言葉を俺は待っていた。

突然だと思っただろう。

自分からすれば自覚したのは中学校の時。

多分持っていたのはそれより前。

だから、俺からすればかなり待った・・・というよりも切り出せなかった。

断わられたらと思うと・・・その後の関係が。

返事までの少しの時間。

聞き逃すかと集中する。

それは周りが無音になったかと思うほど。

雪は口を開く。

「正直よく分からないけど・・・」

そう言葉を濁したが

「でも、今の気持ちをハッキリ知る方法は分かったの。だから、あなたの提案は受け入れます。」

遠回りにあいつらしくそう言った。

それだけでも良かったけど雪はさらに継ぎ足す。

「お付き合いしましょう。」

「よっしゃー!」

思わずガッツポーズを決めてしまった。

嬉しくて涙が出そうだ。

雪を見ると、ぽかんとしてる。でも、それでもいい。

何でもいい!


その時、口笛が聞こえた。

音の聞こえた方を見ると・・・







窓辺から同級生がニヤニヤしていた。


本日のお題。

雪、無音、窓辺。




お粗末さまでした。

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