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エース  作者: わふ〜
4/4

恐怖

言葉にならない感情が駆け巡る。

後悔や緊張に似たそれが自分のなかを縦横無尽に満たし、支配しようとする。


次はカーブを外す。

空振ってくれれば儲けもの、空振らなければチェンジアップを挟む。

神崎裕也を睨みつけ、投球に入る。

ここで捻じ伏せてこそのエース。

三球目を投げた。しかし、リリースの直前で力が抜けた。

回転が上手くかからなかった実感があった。

すっぽ抜けたボールはワイルドピッチにはならなかった。

だが、その甘いカーブは打つには絶好のボール。

奴が見逃すは訳がない。

神崎裕也は狙いをつけ、バットを豪快に振った。

自分は思わず目を閉じてしまった。

そして次に聞こえたのは


「ファーール!!」


審判の声であった。

目をつむったせいで何があったかわからなかったが、おそらくバットに掠ったのであろう。

ここにきてチャンスが生まれた。

これなら抑えられる、あとはスライダーを投げ込めばいける、自分ならできる。

そう考えた時、キャッチャーの隼がタイムをとって野手達が集まってきた。




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