第5話 町ともう一つの主従との出会い
遅れて申し訳ありませんでした。
是非読んで下さい。
あれから、一年と少しが経った。今の俺達の年齢はもう少しでスコール様が七歳になり、その一月後には俺も七歳になる、というところだ。
俺達はこの一年間、素振りや模擬戦を続けていっていた。一年も続けていった成果もあり、段々とスピードを上げての模擬戦を出来るようにもあり、攻撃も単調な動きをするだけでなく、多彩な攻撃をするようになった。
その他には、一ヶ月位前からちょくちょく父さんに連れられてグライド領の領主、つまり俺達の家があるアクトルの町に行くようになった。
町の雰囲気は、ラノベとかでよくある中世ヨーロッパのようなレンガで建てられている家があって、商店街的な所には果物屋や肉屋等多くの露店が並んでいた。物凄くとは言わないが、それでも賑わっているようだった。
最初に父さんと一緒に行った時は、
「いらっしゃい。おや、ティーダさんじゃないか。今日はどうしたんだい?」
「やあ。今日は俺とレオンハルト様の子供達に町を案内していた所だよ。町の様子を教えておきたくてね。ほら、二人ともご挨拶しなさい」
「こんにちは、シン・クレイと申します。よろしくお願いします」
「どうも!スコール・グライドです!!」
露店商のおばちゃんに俺、スコール様の順に挨拶した。
「おやまあ、礼儀正しい子と元気な子だね。よろしくね坊や達、私はルリアだよ」
と、そんな感じの軽い自己紹介等をしていった。
その後も、出会う人のほとんどに声をかけられる度に挨拶をすることになってしまっていた。まあ、そのおかげで町で出会った人の事は顔と名前を覚える事が出来たし、次に町に行った時は、しっかりと話をすることが出来た。
スコール様は、町に出るのはノリノリだったが、その前の段階が疲れた。起きるのが面倒くさいとか言って、中々起きてくれないだとか、外出用の服に着替えるのが面倒くさいと言って、無理矢理着替えさせたりと、余計な時間をとらされた。町に出てからは、テンションが異様に高くなっていつも以上の声と行動力があった。こんな声を聞いたのは、初めてだ。父さんは少し驚きながら、「いつもこの位でやってほしい」と呟いていたのは、少し面白かった。
まあ、そんなこんなで順調な日々を過ごしていた。
◆◆
「「お客さん(ですか)?」」
「そう。今日は僕達の古くからの知り合いで隣の領の領主のクルド・レイアス様とそのご息女様、あとはそのご息女様の専属従者の娘も来るからね。失礼のないように。あとその子達は二人と同い年だから、仲良くして上げてね」
「はーい」「はい」
今日の朝になって、父さんが突然そんな事を言ってきた。何でも隣の領主様とは昔ながらの知り合いらしく、これまでもたまに家に呼んだり呼ばれたりして仲が良いらしい。成る程、だからたまに父さんか母さんが居なくなっている時があったのか。
何故今回に限って俺達にも話をしたのかと言うと、今回はあちらさんの娘さんが一緒に訪れるかららしい。お互いの子供もそろそろいい年になったんだし、同年代の子供達とも交流させた方がいいだろうという事で連れてきて、子供だけで話をさせようとという話になって、今日の訪問が決まったらしい。
「どのような人達なのでしょう?」
「楽しみだな。シン」
「はい。そうですね」
そんな会話をしていると、外から馬の足音と車輪の音がしていた。
「あ、どうやら来たみたいですよ」
「そんじゃ、出迎えに行くか」
「はい」
俺達は出迎えに行くために外に出た。
◆◆
外に出ると、一台の馬車が止まっていた。その馬車の扉が開かれると中から二人の少女が出てきた。
一人はお嬢様と言った感じの雰囲気を出し、服装もピンクを基調としたドレスを身に纏ったオドオドとした茶髪に茶色の眼の少女。
もう一人はいかにも従者然とした佇まいをしていて、黒を基調としたメイド服を着ている真面目そうな赤髪に黒眼の少女。
その二人の後から現れたのは、優しそうな大人の男性だった。おそらく、あの人がクルド・レイアス様だろう。そして、あの少女達がその子供達か。
あ、お嬢様の方が従者の少女の後ろに隠れた。どうやら恥ずかしがり屋な人のようだ。
「良く来たな。クルド」
「久しぶりだな。レオン」
まず、レオンハルト様とクルド様が互いに挨拶をして握手をした。昔からの知り合いなのと、家の中という事もあり、友達同士の挨拶という感じだ。
すると、クルド様が俺達に気付いた。
「お。という事は、そっちの二人がお前とティーダの息子達か」
「ああ、そうだ。ほら、二人ともご挨拶しなさい」
そう言うと、レオンハルト様は俺達を前に出した。
「(ええ~。メンドイな…)スコール・グライドです。以後お見知り置きを。クルド様」
「どうも。シン・クレイと申します。よろしくお願いいたします」
俺達は共に一礼して挨拶した。スコール様は小声で何かを言っていたが、聞き取れなかった。
「クルド・レイアスだ。爵位は一応君達の所のひとつ上、伯爵位ってことになるかな。ああでも、あまり気にする必要はないからな。で、こっちは俺の娘とその従者の……」
クルド様は、後ろに隠れている少女達を前に出した。
「あ、あの、エリザ・レイアスです。その……よろしく……です」
「アデリナ・シルスだ。お嬢様に危害を加えるのなら、容赦しないからな」
相手の少女達も挨拶した。エリザ様の方はオドオドしながら消え入りそうな声で、アデリナさんは何故か俺達を威圧しながらだが。
「お初にお目にかかります。エリザ殿。スコール・グライドです。今後ともよろしくお願いしたい」
「は、はい………。こちらこそ…」
ここで、いつの間にかエリザ様の近くにいたスコール様がいつもとは違い過ぎる言葉使いで、一礼して握手を求めていた。いや、本当にお前誰だよ。って感じる程に変わりすぎていた。
エリザ様は顔を仄かに赤く染めながら応じた。
「むっ」
と、エリザさんが反応した。エリザさんは二人の間に入ろうとしたが、
「初めまして、アデリナさん。シン・クレイです。同じ従者同士仲良くしましょう」
「!?……こちらこそよろしく頼む」
その前に俺がアデリナさんの目の前に立ち、握手を求める事でそれを阻止した。
アデリナさんは突然目の前に現れた俺に驚くも、きちんと握手に応じてくれた。
「お、早速仲良くなったようだな。良い事だ」
「そうですね。ところで、クルド様。ジェードさんや他の人達は来ていないのですか?」
「ああ、あいつは今回は留守番だよ。今日は子供達がメインだからな。大人が大勢いても邪魔になるだけだからな。俺とこの娘達の二人と数人の従者だけで来た」
大人組は、俺達の様子を微笑ましく見ていた。
「さて、と。それじゃそろそろ行きますか」
「そうだな。おーいスコール、シン」
「はい?何ですか父さん」
「どうかしましたか?レオンハルト様」
レオンハルト様が俺達を呼んだ。
「父さん達はこれから中で話をしてくるから、お前達は外で遊んでいなさい」
「はい」「はーい」
「それじゃ、後は頼んだよ。二人とも」
そう言うと、大人組は中に入っていった。
すると、
「ぷはあ、つっかれたぁ。そして、緊張したぁ」
「「………へ?」」
「……はぁ、そういう事ですか」
スコール様が緊張を解いて力を抜いた。
エリザ様とアデリナさんはスコール様のいきなりの変わりように素っ頓狂な声を上げた。
成る程。やはりあれは演技でしたか。一瞬本気で真面目になってくれたのかと期待した俺が馬鹿だった。
スコール様は先程までの凛とした姿勢を崩してだらけた姿勢になった。
「改めて、よろしくな。二人とも。スコールだ。こっちが普通の状態だからな」
そして、改めて自己紹介した。
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