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第3話 魔法と特殊な武器と模擬戦

少し遅くなりましたが、是非読んで下さい。

 一ヶ月が経った。あれからも母さんによる一般常識の勉強と父さんによる訓練が続いていた。

 まあ、そう長い時間やっている訳でもないからちゃんと頭に入ってくるため、そう苦労することはない。

 スコール様は勉強会ではたまに寝る時もあるから、大丈夫なのかは分からないが、父さんとの訓練は楽しいのか真面目に受けていた。

 そんなこんなで、日々を過ごしていた。

 そして、今日もまた勉強会が始まる。


「はい。それじゃあ、今日も始めますよ」

「はい」「はーい」


 それでも、最近はスコール様も段々とやる気になってきているのか、勉強会でも寝ることもなく、最後までやることが多くなっている。


「今日は魔法についての勉強をしましょう」

「!はい!!」

「おお。魔法か」


 魔法と聞いて、俺達のテンションが上がった。

 俺はファンタジーな異世界と言ったら、魔法はつきものと色々楽しみにしていた。

 スコール様は、小さい頃に聞かされた本での物語で魔法に興味を持っていた。

 そして、母さんによる授業が始まった。


「まず、魔法は主に十の属性に分かれています。属性は、火・水・土・木・風の五大属性。氷・雷の二つの派生属性。光・闇の二極属性。それに回復や補助が主な役割をしている無の属性があります。私達はこの中で自分に適性のある属性の魔法しか使う事が出来ません。よく覚えておくように」

「はい」「はーい」


「うん。良い返事です。それでは次に行きます。

魔法は属性ごとに魔力の色が変わります。火は赤色、水は青色、土は茶色、木は緑色、風は灰色、氷は薄い水色、雷は黄色、光は白、闇は黒です。無属性は使う魔法によって色が異なります。

次に魔法は下級・中級・上級・最上級とランク付けされています。日常生活では、基本的には下級しか必要ありませんが、非常時には、中級・上級の魔法も使わなければなりません。最上級魔法は他のとは違い、詠唱をしなければ使う事が出来ません。それ故に、威力も範囲も中級・上級とは段違いに強くなり、消費する魔力も多くなります。魔法はこれから教えていくことになりますが、使用する場合には周りの事も考えて使用して下さいね」

「はい」「はーい」

「それじゃ、次は属性の相性について教えますね。魔法にはそれぞれ得意な属性と苦手な属性があります。

まずは五大属性、

 火は風に強く、水に弱い。

 水は火に強く、土に弱い。

 土は水に強く、木に弱い。

 木は土に強く、風に弱い。

 風は木に強く、火に弱い。

丁度一周するようになります。

次に派生属性ですが、

 氷は土と風に強く、火と水に弱い。

 雷は火と水に強く、土と風に弱い。

 木の属性はこの二つとは相性は互いにイマイチです。

最後に二極属性についてです。

二極属性は互いが互いに弱点になっています。

五大属性や派生属性との魔法での対決となると同級の場合は基本的に二極属性が勝ちます。もし二極属性が使えるのならこちらもちゃんと覚えておいて下さい」

「はい」「はーい」


 なるほどな。そこまで複雑な事はないって訳か。しかし、俺はどの属性を使えるんだろうか。母さんの話なら自分に合った属性の魔法しか使えないんだろ。

 これで最後かと思われたが、まだあるようだ。


「では、最後に特殊な武器について教えますね」


 特殊な武器?何だろう?聖剣とか魔剣とかそんな感じの武器かな?


「特殊な武器は、二つ有ります。そのどちらも魔法の力を高めてくれます。

その名も、魔武器マナウエポン神武器ゴッドウエポンと言います。

まずは魔武器について教えます。魔武器とは、鍛冶師が珍しい金属や上級の魔獣の素材等を使って作られた武器の事です。…あ!」


 と、ここで母さんが何かを思い出したのか声を上げた。


「まだ魔獣の事について教えてませんでしたね。まず、この世界は魔力に満ちています。魔力が無い場所もありますが、それでも基本的には満ちています。空気中の魔力は体内の魔力と違い、生物等に様々な変化を及ぼします。唯の獣だったのが、たくさんの魔力を体に取り込み、魔獣になります。魔獣になった獣は、それまでとは生態が変わり、おとなしかった獣でも凶暴になります。見た目が可愛い時も、油断しないで下さいね。他には、ドラゴンやゴブリン等生まれた時から魔獣に分類される物もいます。そしてそれは、私達人間も例外ではないのです。例を挙げるとするならば、魔人族と獣人族です。例えば、魔人族は、人間が魔力を取り込み過ぎて、角が生えて、肌が褐色になった事が始まりです。他にも、獣人は、倒した獣の肉を食べたのが、体の中に残っていて、その状態で魔力を取り込み過ぎた事が原因で出来た種族だと言われています。その他にも、様々な理由から、変化が起こり、人間から種族が生まれる事がありました」

「母さん質問です」

「はい。どうしましたか?」

「今でも、その変化は起こりますか?」


 俺は気になったことを訊いてみた。


「大丈夫です。今はもう昔ほど魔力が多い場所は少なくなっておりますので、そういう変化は起こりません。分かりましたか?」

「はい」「はーい」


「よろしい。あ、あと魔獣はS~Eにランク付けされています。S・Aが上級、B・Cが中級、D・Eが下級ですからね」


「では、そろそろ話を戻します。魔武器は珍しい金属や魔獣の素材を使っているだけに武器としても強いですが、本領は魔法を使用する時です。魔武器は特定の属性だけですが、通常の状態よりも魔法の威力が強くなります」


 おお。それだけ強いんなら是非欲しいな。

 俺がそう思っていると、母さんが「ただし!」と思考を中断させる声をあげた。


「魔武器はただ素材を揃えれば良いという訳でもなく、揃えたとしても、簡単に作れる物ではありません。名の通った鍛冶師が素材の力を充分に引き出し、時間をかけて作らないと、魔武器にはなりません。そして、魔武器は使い手を選びます。魔武器自身が選んだ者でなければその本領を発揮することは出来ません。例え、魔武器を作って貰ったとしても、手に入れたとしても、魔武器に認められなければ、意味がありません。唯の宝の持ち腐れです。選ばれなかったら、他の人に渡す事をオススメします。」


 ふーん。ま、俺も俺と共に戦ってくれないなら、使ってくれる奴に渡した方が良いしな。

 隣でスコール様は「え~。まじかよ~」と文句を言っている。


「では、次に神武器ゴッドウエポンについてです。神武器とは、その名の通り、神様の名前が付いている武器の事です」


 神様?神様ってもしかして前世でも見たことある神話とかに出てくる神様か?


「そして、神武器には名前の通りの神様の魂が宿っています。それ故に人の手では作る事は出来ません。さらに、その神武器と適合率が高いと宿っている神様と話す事が出来たり、姿を見ることも可能ですよ」

「はーい。マリアおばさん」

「(ピクッ)…はい。どうかしましたか?スコール坊っちゃま?」


 母さんの話の途中でスコールが割って入った。

 母さんはスコール様のおばさんという単語に少し反応したが、それでも笑顔で対応した。


「あのさあ~。家に神武器ってあるの?」


 あ~。それは俺も気になっていた。


「う~ん。グライド領には魔武器も神武器も無いのよね。ごめんなさいね。でも、貴族の中には持っていて代々受け継いでいる所も有りますよ。知り合いの貴族の所にも有りますし。その他にも世界各地には今もまだ所有者のいない神武器がまだありますよ。運が良いと出会えるかもしれませんね」


 う~ん。無いのか。あったら面白かったのに…。


「それと、神武器も魔武器と同じく使用者を選びます。ですが、魔武器よりも好みにうるさいですよ。その分、魔武器よりも全体的に強く、使える魔法も多くなります。そして、神武器にはそれぞれ宿っている神様によって特性が備わっています」


「それでは、これで今日の勉強会を終わります。今日教えた事をしっかりと覚えて下さいね」



  ◆◆



 午後は父さんによる戦闘訓練だ。

 まずは父さんが来る前に、いつも通りに基礎トレーニングと素振りをしていた。

 すると、


「二人とも~。素振りはそれ位にしてちょっとこっちに来てくれないかー」

 

 父さんが現れて、俺達を呼んだ。一体何をするつもりだろう?

 取り敢えず俺達は顔を見合わせて頭の上に?を出しながらも父さんの元に向かった。


 父さんの元に着くと、


「よし!来たな。今日は模擬戦をやるぞ」


 と、言ってきた。

 この言葉に俺とスコール様はまた頭の上に?を出していた。

 父さんは俺達の困惑している様子を見て、


「ああ。いきなり模擬戦をやれって言われても無理があるよな。んじゃ、何で模擬戦をやるのか説明するぞ」


 と、手をポンと鳴らしながら言ってきた。


 まあ、父さんの話をまとめると、

 俺達はこの一ヶ月間、真面目に基礎トレーニングや素振りを頑張ってきた。

 だけど、基礎ばかりやっていてもいざ本番になってちゃんと動けなければ意味がない。

 そういう訳で模擬戦をやって本番の時の予習をしておこう。

 ということらしい。ちなみに今日思い立ってすぐに行動したらしい。


 …まあ、いいんだけど。…次やるときは事前に教えてほしい。と思った。

 俺はてっきりそういうのは計画してやってる物だと思ってたから、余計に思った。

 本当に大丈夫なのだろうか。俺の父は…。


「んじゃ、二人とも。構えて構えて」


 俺の思いとは裏腹に父さんが俺達を一定の距離に移動させた。どうやら始めるようだ。


「二人とも。今まで僕が教えて来たことをしっかり使うんだよ。それじゃ…、始め!」


 父さんの合図と共に模擬戦が始まった。



  ◆◆



 「行くぜ!」


 まず飛び出したのは、スコールだった。彼は一直線にシンの所にはしり、近付くと大鎌を上から降り下ろした。

 シンは冷静に刀を抜き、それを止めた。

 数秒、その状態のままだったが、


「はあ!!」


 シンが力を入れ、大鎌を弾き返すと、そのまま胴へ向けて薙ぎ払いをした。


「うお!あっぶね!」(キンッ)


 スコールは間一髪の所で大鎌の柄で防いだ。

 その後、数回打ち合った後、お互いに下がった。


「…ふう。なあシン」

「…はあ。何でしょうか?スコール様」

「結構自然に体が動いたな」

「はい。体が軽く感じました」


 二人は一先ず緊張を解いて、会話を始めた。


「いやあ。いきなり模擬戦をやれなんて言われた時はどうしたものかと思ったけど、やってみたら案外やれたな」

「はい。基礎トレーニング位しかやってませんでしたが、…私達、才能あるのではないでしょうか」

「おう!そうかもな!」


 二人は笑い合った。


「…それじゃ、さっさと続けるとしますか」

「…はい。そうですね」


 そう言うと、二人はまた構え直した。

 そして、また始まろうとした瞬間、


「ストーーップ。今日はここまで!」


 ティーダによる待ったがかかった。二人は再開しようとした時に声がかかったため、盛大に転んだ。


「ちょっとティーダおじさん。いきなり止めないでよ」

「そうですよ。いきなりでしたので、転んでしまったではありませんか」

「ハハハ。まあ、そう言うなって。初日にあまりやり過ぎても危ないだけだからね。ほら、もうそろそろ晩ご飯だから家に戻りなさい」

「「はーい」」


 二人は不満を全開にしながらも武器をしまい家に戻って行った。

 後ろからティーダがその姿を真剣な顔で見ていた。



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