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第2話 五年後と勉強と武器

是非読んで下さい。

 あの事件から五年が経った。あれから俺達は、一緒の部屋で育てられる事になった。理由としては、あの時起こった事がまたいつ発生しても良いようにだろう。多分、あれが無くても元々こういう風に育てるつもりだったと思うがな。

 今日からは、我が母親、マリア・クレイから一般的な事を、父親、ティーダ・クレイからは戦闘面に関する事を教えて貰うことになった。

 俺達みたいな貴族の子供やその従者の子供は十五歳になると国が建てた学園に通うようになっている。(貴族ではない平民の子供でもある程度の入学金を払えば、学園に入学可能である。)

 その為、学園に行く前に事前学習をしておく必要があるのだ。

 そして、あの時のスコール様はと言うと…、


「シン~。早く始めようぜ~」


 むっちゃだらーんとしていた。分かりやすく詳しく説明するならば、用意されていた勉強机に突っ伏して目がとろーんとしてやる気が無さそうにしていた。それでもちゃんと机に座っているあたり、勉強する気はあるらしい。

 俺も自分の勉強机に座った。そして、母さんによる勉強会が始まった。



  ◆◆



「はい。それでは、勉強会を始めますね」

「はい」「へーい」


 母さんが勉強部屋に備え付けられていた黒板の前で俺達に向けて話し掛けてきた。俺もスコール様(机から顔を上げた)も返事した。

 俺達はあらかじめ母さんに渡されていた『よく分かる一般常識』(母:マリア作)を開いた。中を一度開いて見たことがあるのだが、要点をしっかりと分かりやすくまとめられてあって、その上ところどころにイラストが描かれているため、子供でも簡単に理解出来る物だった。よくこんなのを作れたな。文体やイラストの書き方を見る限り、母さん一人で作ったのだろう。

 文字は前世の英語の文字を少しずつ変えている程度だったので、書くことは楽だった。言葉は最初から分かっていたので、こちらも苦労することはなかった。


「それでは、一ページ目を開いて下さい。まず、私達が住むこの世界は『スラー』と呼んでいます。私達はこの世界の『人間』という種族です。種族は人間以外にもたくさん有り、獣の遺伝子を宿した『獣人種』。基本的に森に住み、平和と自然を愛する種族『エルフ』。火山やその近くの洞窟に住み、鍛治仕事や物作りをする種族『ドワーフ』。そして、古の時代から千年前まで人間と対立し、争っていた種族『魔人族』。その他多くの種族が存在しています。ここまで良いですね」

「はい」「へーい」

「よろしい。では次にいきます」


 その後も、母さんによる勉強会は進んで行った。


 俺達人間が多く住む大陸を“ムーラ大陸”

 海を隔てた魔人族が多く住む大陸を“イースラ大陸”

 エルフやドワーフ等その他の種族はどちらの大陸にも住んでいる。

 という事や。


 この世界の流通通貨はアルドと言い、金貨、銀貨、銅貨で支払われている。

 内訳は、

 銅貨一枚=一アルド

 銀貨一枚=百アルド=銅貨百枚

 金貨一枚=一万アルド=銀貨百枚

 一万アルド以降は基本的に金貨で支払われている。銅貨一枚が一円だとするなら、計算も簡単だな。




 俺達が住んでいる国は、グラン王国というらしい。

 このグラン王国は、人間の種族全体でも領土、人口、商業、軍事等あらゆる面で最大規模の国らしい。


「では、最後に私達の立場を教えておきますね。まず、スコール坊っちゃま。スコール坊っちゃまは、ここグラン王国の中のグライド領を治めるグライド家の長男です。爵位は子爵位です。爵位は上から順に公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵です。グライド家は下から二番目です。まあ、これは申し訳程度に覚えていれば、良いです。」

「はい」「へーい」

「スコール坊っちゃまは、グライド領の次期領主になられますので、これから頑張って勉強していきましょうね」

「へーい」

「シンちゃんは、スコール坊っちゃまの専属の従者になるから、ちゃんとスコール坊っちゃまを支えられるように頑張るんですよ」

「はい」

「うん。どちらも良い返事ですね。では、今日の勉強会はここまでです。それじゃ、昼御飯にしましょう」


 こうして、母さんによる勉強会初日が終わった。



  ◆◆



 昼食を食べ終わり、午後からは父さんによる戦闘の訓練だ。

 と言っても、今日は初日だということもあって、あまり激しい事はしないだろう。という予想を立てた。

 俺とスコール様は屋敷の庭に出て父さんの元に向かった。

 父さんは何かを並べていたようで、俺達が来ると振り返った。


「お、来たか。二人とも。早速これを見てくれ」


 そう言って、父さんが俺達を手招きした。そして、俺達が見た物は、地面に並べられたたくさんの武器だった。

 その種類は、近接武器は片手剣や大剣、槍や斧、棍棒等があり、遠距離武器でも弓矢やボウガン等、それぞれ少しずつ形が違うが、たくさんあった。


「どうだ。凄いだろう」

「おお。凄いな」

「凄いのですけど……」


 その多さに俺達は感心していた。だが、同時に疑問が出ていた。

 何故こんなところに並べられているのだろう。と


「これから二人には、この中から自分の使用する武器を選んでもらう」

「「え?」」


 突然の父さんの言葉に俺達は戸惑った。


「使う武器って、自分で決めるものなのか?」

「もちろんです。自分にとってどの武器が良いのか、自分の直感を信じて決めて下さい。まあ、要は二人がそれぞれ好きな武器を使う事でより早く強く成長出来るって訳だ。さあ、二人とも選んでくれ」


 父さんにそう言われ、俺達は武器を選び始めた。


 俺はまずオーソドックスな長剣を手に取った。やっぱり異世界っていったら剣は定番だよね。っていう安易な考えを持っていた。

 俺は長剣を持ち上げた。子供の体では、重さであっちこっちとふらふらしていたが、何とか耐えた。

 俺は持ってみて気が付いた。


(何かが違う……。これじゃない……)


 と。そして、俺は長剣をその場に置き、他の武器を手に取っていった。



  ◆◆



 どうも。初めまして皆さん。スコール・グライドです。現在俺達は武器選びの途中です。


「しっかし、好きな武器かあ~。どれにしようかな」

「ゆっくり決めて下さって結構ですよ」


 と、シンの父親のティーダ叔父さんに言われるが、早く次に進みたいし、さっさと決めちまうか。

 ふと、俺の従者になる予定のシンの方を見てみると、色々触って悩んでいた。

 こういうのは、勘で決めた方が良いんだよ。


 そして、俺は目を閉じて、適当に歩き回り、立ち止まった。


「俺の相棒になるのは……、お前だ!」


 目の前にあるらしい武器を掴み、持ち上げた。


 そして、目を開けると、俺の手にあったのは…、


「お前か。よろしくな」


 一振りの大鎌が握られていた。



  ◆◆



「よっしゃ。俺のはこいつだ」

「スコール坊っちゃまはそれでよろしいのですね」

「おう!」


 背後からそんな会話が聞こえてきた。スコール様はどうやら決まったようだ。


(俺も早く決めるか。しかし……)


 あれから色々な武器を手に取ってみたが、どれも違和感があった。惜しい物もいくつかあったが、何となく決められなかった。


(うーん。あとは……)


 俺は改めて見回し、まだ手に取ってない武器がないか確認した。

 すると、端の方に刃が反り返った形をしている一回り小さい剣があった。


(あれは……、刀?)


 まさしく前世の地球の日本の刀であった。

 何故こんな所にあるのか疑問に思いながらも俺はまだ手に取ってないと思い、刀の側に近付いた。

 そして、俺は刀を手に取った。不思議と違和感は無かった。それどころか手にしっくりと馴染んだ。


「お。シンはそれにしたのか。それは“刀”といってな。ここから遥か東の海を渡った先の島国の『ヤマト』って国の武器の一つなんだよ。とにかくよく切れてな。凄いんだよ」


 成る程。この世界にも日本に近い国があるのか。

「へえ~。じゃあ、私はこれにします」


 こうして、二人とも武器が決まった。


「それじゃあ、二人とも今日はそれぞれの武器で素振りをして終わりにします。それぞれ好きな様に振ってみて下さい」


 その後、俺達は父さんに言われた様に好きに素振りをして、ところどころで父さんの指導が入りながらもやっていった。そのあとは、基礎トレーニングをして、今日の訓練が終わった。

 



読んで下さってありがとうございました。

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