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無気力ちゃんの転生チート  作者: 時ノ音 紅蒼紫
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ユースィリアinギルド?=スィルシュ


「ケラケラ草にクッテリーノ、ラブラーデ。よくもまあつぎからつぎへとこんなにも稀少なものばっかりもってくるのねぇ、あんたって。」

受け付けぐちであきれたように肩をすくめるノエル嬢。

「ははは...、昔っから運だけはいいのさ。」

わたしはそれに笑ってかえす。

「あっきれた。昔っからここに住み着いているくせに、採集しかしないひとがよくもまあ言えたものね。」

ふるふると首を横にふるったノエル嬢。

わたしはくちもとにへらりとしたうすい笑いを浮かべてこたえる。

「男のくせに、だらしない...って?」

「そうよ、まったく。ひとのせりふを取るもんじゃあないわよ。」

じとっとした目でこちらを見るノエル嬢。さすがギルドのアイドルだけあって、そんなかおさえも可愛らしい。

「べつにかまわないでしょう?減るもんでもないさ。」

おどろいたようにわざとらしく両腕を広げてみせれば、じっとりとした視線はさらにつきさすように向かってくる。

「...はぁ。まあいいわ。けどあんた、いつまでもそう下っぱのまんまじゃあろくに食っていけやしないんだからね。」

心配するようにこちらを見るノエル嬢のおせっかいがなんだかとても嬉しく感じられる。

とくに、あのひとりさびしいぼっち学園での生活のあとならば。

と、いうわけで。

ひさしぶり~!ユースィリアだよ~!

みんなびっくりした?

実はね、わたしはいま学生兼ギルドやってます。

と、いっても討伐とかじゃなくて、採集だけなんだけれどね?だって討伐ってこわ~いゴブリンやらゴーストやらのモンスターがい~っぱいでるんだもん。めんどくさいよね?

ちなみにギルドでの名前はスィルシュ。男で通しております!

真っ黒でこの世界では目立つらしい髪は、上からひとつ結びの金髪のウィッグをかぶってかくしちゃえ。目だつ目のほうには包帯をぐるぐるまきにしてかくしちゃえ。

というかんじで変装したら、みんな誤魔化されてくれたので大助かり。

ギルドカードに性別は表示されないし、名前のほうもどちらかというとゲームでのキャラネーム寄りだしだからほんと、正体隠すのにはもってこいなんだよね。

まあ、それもこれもこの世界では情報も武器意識が強いからなんだけど。

あ、ちなみにわたしの変装は、はんぶん面白がっているだけだから気にしなくてい~よ。ユースィリアはおもしろいことが大好きなのですよ。

...ここだけの話、リューゼクタ学園って寮があるからほんとうは出入りに許可が必要なの。けどねー、友達のいないわたしは人数的にも一人部屋。なのでこ~っそり抜け出しちゃうことができるの。わ~、ぼっちばんざい!...って言っててむなしいよね...。

...ま、まあ気をとりなおしてそれでなんでギルドに入ってるかってことなんだけれどね、理由はわたしの資金稼ぎなの。

それは、十数年をこえて、いつかもわからない世界さえもこえてしまったお話。前世日本で暮らしていたわたし、ユースィリア。じつはものすごく貧乏でした。

日々のご飯に困る毎日。水で腹を満たしたのは数えきれないほど。

だからこそわたしはこの世界に生まれ変わって思ったの。将来こまらないよう金をためとこう...って。

そうして始めたギルドのお仕事だけれど、やっぱり当然のことながら採集はあまりもうからない。それに、受けられる仕事のランクを左右するギルドランクだって上がりにくい。だからこそ、採集を受けるのは長くて始めの半年ほどだけ。あとはみんな討伐して稼いでいっているの。

けれど、前世安全な世界でくらしてきたわたしはあんまり討伐が好きじゃないんだ~。

でもね、幸いなことにスィルシュがあるけばキセキがおきるって噂話があるくらいわたしの運は最高なのだ~、えっへん。だからいまはお高い希少価値のある草をいっぱいとって懐にいれているの~。

ま、そんなわけで。

たしかにいつまでもつかわからない運勢にたよるのには危機感を持たなくちゃいけないかもしれないよね?

でもわたしにとってはモウマンタイ。

なんせわたしはユースィリアだもん。

いざとなれば前世の知識売っちゃうし。

生きていけるおかねさえあれば、あとはどうでもいいよね~?

ってなわけで。

「ノープロブレム。でも俺は殺しても死なない男さ。」

いまはやっぱりまだこの状況を楽しんじゃお~!

ノエル嬢の盛大なるため息を無視しながら、わたしは決意をあらたにするのでした。



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