五話 説明
「は、はい。まず、この世界は、大きく分けて四つの大陸に分けてあります。
僕達、人類と魔王が収める魔族が住むサタンザル大陸。
下半身が魚、耳が生えている。体の一部が獣の獣人が住むアゼル大陸。
体の一部が機械の者達が住むドロイド大陸
天使のように翼が生えて、神に仕えるものたちが住むアスラクライン大陸。
そこにいける者は聞いたことが無いですね。」
長々しい説明。四つに分かれた大陸か…。
ん?
「待って、どうして魔王の住む魔界と私達の大陸が交わっているの?」
「昔、最初の魔王が生まれた時に地震があったんです。
その時に一番近かった人間の大陸が、引き寄せられ、くっついてしまったんです。」
パルケくんは部屋にあった本棚から魔王と勇者と魔術師、三つの紋章と書かれた絵本を取り出した。
文字は日本語では無いけれど、あの魔術師が言った通り、私は勇者の意志と心臓が備わっているらしく、この世界の言葉や文字も分かった。
「…昔々、あるところに平和な大陸、人間界がありました。
魔物などは一匹もいない平和な世界。
しかし、それはとある地震によって終幕を迎えました。
当時の魔界は制する者は居なく荒れていました。
それを見兼ねた上級魔族達は自らの魔力を全て使い魔王を作りました。
何度死んでもその心臓は消えることなく新しい体に入り、その体に元の魔力を宿す。そうしていつの世代も魔界の平和が保たれるように。上級魔族達はそれを願い消えました。
しかし、魔族の生んだ魔王はどう足掻いても欲望の塊でしか無かった。
生まれた際、大地震は起こり、霧の海を揺らして人間界とくっついてしまったのです。
魔王はそれ以来、人間達を滅ぼし、人間界を新しい領地にしようと企みました。
そこで天界の神様は光をもたらす勇者とそれを支える魔術師を産み出した。
これが最初の魔術師と剣士だった。
二人は見事魔王を倒した。
こうして平和は訪れました。
めでたし、めでたし。」
心臓がズキッときた。悲しい話だ。
上級魔族だって平和を願っていたんだ。
なんてゆうか…傷つく事ではないだろうけど悲しい話だ。
何も話さない私の肩にパルケくんは手を置いた。
「話にはまだ続きがあるんです。
魔王を倒した二人に魔王は最後の力を振り絞り呪いをかけました。
24代目の二人の性別を反転させるという呪いです。
そして事もあろうことか、召喚を優雅様が16歳になるまで遅らせるために自ら、優雅様の近くの人間に生まれ変わったのです。」
「そ、それじゃあ、私の近くに魔王はいたってこと!?」
「はい。幸い、魔術師はこちらに生まれましたが…」
魔術師。この展開で行くと最初に私を呼び出した奴になるんだろう。
「魔術師の名前はフラン・ルドベギア。有名な貴族の息子さんです。」
「フランって言うんだ…」
「因みにどの世代も勇者と魔術師は結婚していますよ。
前の勇者様は魔王と戦う前に結婚され、知恵の紋章を司るマイスさまを生んで魔王と戦い亡くなられました。」