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私が勇者  作者: 淡海
【序章】
1/6

零話 始まりは事故から。

始まりは大きな交通事故だった。偶然に偶然が重なった、奇跡のような大事故。

興味がない?私だってそう。でも、それが自分の話となれば別。



お気に入りの作者さんの出した新しい本を買った帰り道、大型トラックが凄まじい速度で東京の大通りを走っていたのが始まり。不幸にも、信号を渡っていた私は、丁度大型トラックの前にいた。

トラックは、そのまま私に激突、あろうことかそのまままっすぐ走って、大きな看板の柱にあたってやっと止まった。大きな看板を支えていた柱が壊れたことで、看板はバランスを崩して、真っ逆さまに私の上へ。

激痛を感じるより先に、私は、看板に潰されて死んだ。



トラックに激突して、複雑骨折、柱に直撃したことで、背骨だけでなく、首も折れて、最後に重たい看板に潰された私の死体は見るも無残な姿になっていた。

流石に、その死体を写真に残す勇気のある人はいないのか、人だかりの中にはグロすぎて、吐いている人もいた。



そういえば、私がかった本はどこに飛んでいったんだろうか?どうでもいいことなのに、気になって信号の会った場所へと戻る。本は、私とトラックが激突した数メートル先に放り投げてあった。

行き交う人達が、血のついたそれを見ているけど、拾おうとする人はいない。曰く付きだよ。

幽霊になって死んだんだから、触れる訳ないのに、私はしゃがんで、それを拾おうと手を伸ばした。



作者さんの名前は、太郎。サンプルの書類によく使われている名前だった。でも、以外にこの人が書く作品は面白いんだって、先輩は笑いながら言っていた。今日だって、このあと先輩が家に来る予定で。



――……先輩って誰?



不意に、疑問に思う。



私は本当にこの作者さんがお気に入りだった?前まで、私って漫画しか読まないような人間だったはず。


ていうか学校で、家に招待するほど親しくしていた人っていた?




頭がぼーっとする。



手首にある見覚えのないブレスレットについた鈴がなった。誰かが、私を呼んでいる気がした。


けれど、眠気に勝てなかった私は、そのまま目を閉じた。

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