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枯れ葉  作者: 花染
4.戦争になっても
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27.2つの魂、1つの心(3)

 プルートへ向かうラルクたちは、当然ながらワープ魔法を使った方が早いと解っているが、戦争を食い止めるためには、軍の大将を殺す事と王を殺す事だ。しかし二手に分かれるのは、安易な考えはない。


 ネールへ向かうには、二国を繋ぐビーナスを通らないと国へは、入れない。その上にこの二国を繋ぐビーナスへの道は、1つしか無い。


 そう考えたラルクたちは、歩く事にした。


「しかし、逃げも隠れも出来ない一本道で、どうやって大将を倒すん?」

「大将を殺すのは、あたしに任せて」


 ビオラは、ニッコリ微笑みながらピースをした。


「あたしならパッと移動して、パパっと倒す事が出来よ。出来るだけ早く殺るから大丈夫ブイ」

「ビオラちゃん此処は、せめて真面目に言って」

「えへへ。ごめんね。


 でも、あたしにしか出来ないと思う。あたしなら一瞬で行動が出来るし大将ぐらいなら見分けれる。あたしにやらせて」


 その言葉にヨモギは、少しだけ考え頷き腰につけていたポーチからナイフを取り出した。


「ナイフだけど確実に殺れるか?」

「うん」


 ビオラは、ナイフを受け取り深呼吸をした。それを見たナムは、耳をピクピクして、遠くを見た。


「んニャ!近くに沢山の足音が聞こえる!もしかして、ホヌ帝国の奴らだ!」


 その言葉に反応して、ラルク達は、目を細めて遠くを見た。たしかに居るが、それは、想像遥かに超えた少人数だ。何百何千何万人とかを想像していたラルクは、言葉を失った。


「アレは、ひーふーみー…500人ぐらいだね」

「それだけ、国が汚染されているって事になるわね」


 ビオラは、考えヨモギを見た。ビオラの視線を感じたのかヨモギは、目をそらし


「お前さんならパッと、パパっと出来るんだろ?」


 ビオラは、その言葉の意味を理解してくるりと回った。


「出来るよ。でも先ずは、話をして、ダメだったら、ね。オーケー?」

「ああ」


 そう言って、歩き出した。


 兵士は、ラルク達に気が付き足を止めた。兵士の何人かは、ザックの存在に気が付き剣を構えるものもいる。


「ルティス王国の女王の代理として、ワシらは、此処にきた。我が国ルティス王国は、戦争を望んでない。だから、引いてくれ」

「望んでは、いないだと?なら何故“月読みのザック”がいるんだっ!」

「そうだ!お前は、前の戦争で我々エルフの命を多く奪った大罪人だ!」

「お前こそが、死ぬべきなんだ!」


 エルフ達は、ザックに向けあらゆる暴言を言い始めた。ザックは、言い返すことも出来ず歯を食いしばり深呼吸をした。


「うるさいなー」


 後ろの方から声がして、皆をかき分けるように現れたのは、いつぞやの女の子を風した人形ララだ。ララを見たナムは、顔色を変えこう言った。


「ララ!サラは、どうした!?」

「サラ?あ、ララちゃんの半分を持っていた人形ね。そんなの決まってるじゃない。ララちゃんは、1つになりたかったから返して貰ったんだよ。いらなくなったゴミは、ちゃんとゴミ箱へ捨てたよ。確か、燃えないゴミだったよね?」

「サラは、ゴミじゃあニャい!ララとサラは、2人で1つの人形ニャんだ!」


 ララは、首を傾げてナムを見下ろした。かつては、コンバットとして人間の姿をしてたが、猫の姿になっている彼を見て、哀れな目で見た。


「ゴミよ。要らない物、必要無い物、役に立たない物、壊れた物…皆んなゴミ。ゴミは、ゴミ箱へ捨てる物だよ。


 だから、ララちゃんは、綺麗にお掃除をする為にこうして、ここに居るんだよ」


 そう言って、両手を上げてくるりと回った。すると、兵士の半分以上が、人形へと変わり、人形の隣に立っていたエルフは、驚き騒ついた。


「皆んな、お掃除の時間だよ」


 ララは、不気味な笑みを浮かべてそう言った。


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