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二人の先生

我が家には、教師である俺と、幼稚園教諭を目指している恭子の二人がいる。

恭子は、夏休みが明けてからの学校での就活と課題とレポートが中心となった中での授業に明け暮れていた。それも帰ってきてから、時間があればご飯を作ったりとしてくれる時もあるので、俺としてはすごい助かっている。

俺は三年の受験勉強が追い込みに差し掛かってきたこともあって、毎年恒例の講習シーズンになっていた。そのせいで帰りが遅くなることもあったり、サッカー部のほうにも顔を出す機会がどんどん減ってきていた。

そして瑠璃ちゃん。高校受験まであと数ヶ月と迫ってきており、一日何時間か勉強をしている。毎日勉強の時間はとっているみたいなのだが、気合の入り方が違う。わからないところがあれば、俺か恭子に聞きに来るし、学校での火曜と木曜の放課後にある放課後講習にも出ているようだ。まぁ恭子からの話によると、なんでも講習には怜央くんも参加しているんだとか。まぁ二割くらいはその可能性もあるんだろうけど、真面目な瑠璃ちゃんのことだから講習は真面目に受けているんだろう。

そんな忙しい時期ではあるが、夜ご飯だけはみんなで取るようにしている。

誰から言い出したわけでもなく、自然と三人でテーブルについて食事をするのが自然な流れになっていた。


「いただきまーす」

「いただきます」

「はい、召し上がれー」


今日は恭子の料理。

麻婆豆腐と舞茸炒飯と卵を入れて作るだけのふかひれスープ。中華だ。

なんでも時間がなかったとのことなのだが、それでもちゃんと作ってくれるのはえらいと思う。


「うん。おいしい」

「おいしー!」

「それは良かった」


何を作らせても美味しい。これは将来いいお嫁さんになれるな。……俺のな。


「こんなに料理とかしてて、レポートとか大丈夫なのか?」

「恭子ちゃんを舐めないでいただきたい! 私、こう見えても前日には終わらせておくタイプだから。真面目ちゃんだから」

「意外と真面目ちゃんだからな」

「意外とは余計だと思いますー」

「アハハハ」


瑠璃ちゃんと二人でも楽しくご飯を食べていだが、恭子が加わってさらに楽しくなった気がする。食卓が明るい。

半同棲と言いながらも、徐々に恭子の荷物が増えてきており、きっと荷物を移動させ終わったらこのまま半同棲から本格的に同棲へと移行していくんだろう。ちょっとニヤける。

そんな夕食も食べ終わり、瑠璃ちゃんがまた勉強へと戻っていく。

俺と恭子は並んで皿洗いをする。

カチャカチャと俺が洗っていった皿を恭子が横で拭いていく。


「私洗うからいいのに」

「恭子だって忙しいのにご飯作ってるだろ」

「だって居候だし」

「それでも助かってるのは事実だ」

「んふふ。そう言われると照れるからやめてー」


皿を拭きながら腰をくねくねさせる恭子。


「何照れてんだよ。改めて言われて恥ずかしくなった的な?」

「イエスです」

「なんだそれ」


笑いながら皿をすすいでいると、恭子が俺の身体に寄りかかってきた。

横目でチラッと頭を見て、とりあえず皿を洗い続ける。


「ありがとね」

「何を今さら」

「私、今すごい幸せかも」

「これからでしょ。これからもっと幸せになっていくんだから、心構えとしては素晴らしいかもな」


横でエヘヘと笑う恭子。俺も思わず笑みが浮かんでしまう。


「正親」

「ん?」


恭子に呼ばれて手を止めてそっちを向いた。

向いた瞬間に恭子の顔が目の前にあって、唇を奪われた。









最近私は、受験生としてキチンと勉強をしている。

でも恭子ちゃんが一緒に暮らし始めてから、もっと勉強するようになった。

……私だって一応気を使っているつもり。

二人からは気を使わなくていいよって言われるけど、本当はキララちゃんとヒロトくんみたいにイチャイチャしたいのかと思って、ご飯を食べてちょっとだけテレビ見てから、勉強する時間が増えてきた。

それでもキララちゃんと亜里沙ちゃんからスマホに連絡が来るから、それで三人でチャットしてる感じで勉強してるからさみしいとかっていうのは感じない。キララちゃんはヒロトくんとも連絡を取り合いながららしいから、きっと勉強はしていないんだと思う。

このまま正親さんと恭子ちゃんが結婚して、三人で暮らし始めるのはすごい嬉しい。すごい嬉しいんだけど、ちょっと複雑な気持ちにもなる。

私と正親さんは親子だけど、血が繋がってるわけじゃないし、もちろん恭子ちゃんとも血は繋がっていない。

だから血の繋がっていない三人が同じ屋根の下で暮らすことになって、正親さんと恭子ちゃんの間に子どもができたとすると、私だけ繋がりがないっていうことになってしまう。あんまり考えないようにはしてるんだけど、もしそういうことになったら私はどうしたらいいのかっていうのを時々考えてしまう。

相談しようにも誰に相談したらいいのかわかんないし、正親さんと恭子ちゃんが幸せになるのは、私も嬉しいからどうしたらいいのかわからない。

だからとりあえずは、勉強をしたり、みんなと遊んだりして考えないようにしてる。


「恭子ちゃんがお母さんかぁ」


あんまり実感はわかないけど、きっとあの二人は結婚するんだと思う。

きっと今も私がいなくなったことで、イチャイチャしてるんだとも思う。


「……あとで取りに行こう」


私は冷蔵庫に飲み物を取りに行くのは、もう少ししてからにすることにした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

いつ感想書くの? 今でしょ!


明けてから三日経ってますがおめでとうございます。

今年ものんびり更新となりますが、よろしくお願いいたしまする。


次回もお楽しみに!

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