大学生コンビとお泊まり会
ゴールデンウィークに入って、正親さんはサッカー部の合宿があるからということで、1日だけ私は家でお留守番することになった。でも帰ってきた次の日が休みって言ってたから、遊んでくれるって。楽しみー。
それで正親さんが心配だからって、恭子ちゃんと香恵ちゃんにお願いして、ウチに来てくれることになった。だから3人でお泊り会。
お昼は3人でおでかけして、恭子ちゃんが正親さんからもらったお金で、服とかを買いに行った。洋服は3人で買いに行くことが多い。香恵ちゃんが言うには、正親さんは服のセンスがわかってないみたい。だから3人で買いに行くってことが多い。
そして今は3人でカレーを作ってるところ。
「香恵…」
「あたしは料理とかムズイって」
「そんなんじゃ立派なお嫁さんになれないよ?」
「いいんだ。あたしが結婚する頃には、きっとロボットとか流行ってるだろうし」
「ロボットがぜんぶやってくれるの?」
それならすごい楽チンになるなー。
掃除とかもやってくれるのかなー。
でも洗濯は正親さんが『こうやって干すと隙間なく干せるでしょ? 俺、こーゆーのたまんないんだよね』って言ってたから、きっとロボットがやってくれるとしても自分でやってそう。私もカレー作りたいし。
「ならないって。だからじゃがいもの皮むきぐらい頑張ってよ。たった3個じゃん」
「恭子にとっての3個と、あたしにとっての3個は、北海道と沖縄ぐらいの差があるって」
「ないない」
「むー。瑠璃ちゃんもそう思うよね?」
「私がじゃがいもむく?」
「……いや、なんか瑠璃ちゃんにお願いしたらダメな気がする。あたし、頑張るよ」
「がんばれー」
香恵ちゃんが小さく息をはいて、ピーラーでじゃがいもの皮をむいていく。
恭子ちゃんは玉ねぎを切って、私はにんじんを切っていく。
恭子ちゃんは料理が上手で、トントントンと切っている。私はそこまで早く切れないから、指を切らないように切る。
香恵ちゃんからもらったじゃがいもも切って、お肉を切って、私が炒め始める。お肉から炒めて、あとで野菜を入れる。
恭子ちゃんはあとで入れるお水を用意して、洗い物をしている。
香恵ちゃんは『つかれたー』って言って、ソファに座ってテレビを見始めた。
炒まったところで、恭子ちゃんが用意してくれたお水を入れる。あとは沸騰させて煮込むだけ。
「おいしくなーれ」
ちゃんとおまじないをかけておくのを忘れない。
恭子ちゃんがそうやってやっておくと美味しくなるって言ってた。実際に恭子ちゃんの作るご飯はおいしいもん。
香恵ちゃんが洗い物をしている恭子ちゃんの方を見て話しかけた。
「武田って明日何時くらいに帰ってくんの?」
「さぁ? でも夕方くらいになるって言ってたよー」
「ふーん」
「なんで? 香恵、用事あるの?」
「いや別に。恭子って武田と最近遊んでるの?」
「遊んではいないけど、瑠璃ちゃんと3人でご飯食べたりしてるよ。ねー」
「ねー」
「まぁ恭子がそれでいいならいいんだけどさ」
そう言って、香恵ちゃんはまたテレビを見た。
どういう意味かと思って恭子ちゃんを見てみると、ちょっと困ったような顔をして私に笑ったので、私は首を傾げた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
感想とか書いていただけると嬉しいです。
中村がやっと登場しましたー。
次回もお楽しみに!