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うっかり八兵衛

「で? なんで宏太がこの電話に出るわけ?」


後ろの食卓では、瑠璃ちゃんが夜ご飯の料理を並べている。

俺はそのまま宏太との電話を続けていた。


『今大阪に帰ってきてんねん』

「いやいや。そうじゃなくて、こっちはちょっとした警察沙汰になろうかとしてるってのに…」

『警察? 何かあったん?』

「お前のせいじゃボケっ!」


思わず叫んだ声に、瑠璃ちゃんの小さな悲鳴が聞こえた。

ふり向いて瑠璃ちゃんに詫びを入れる。


『俺? 俺のせい?』

「はぁ…お前から連絡がなかなか返ってこないから、何かあったんじゃないかって思って…まぁ無事だったからいいんだけどさ」


俺が半ば諦め気味に言うと、宏太は小さく笑ってからちょっとだけ謝った。


『そっか。ごめんな』

「いいよ。で、何してんの? 帰省?」

『ひいばあちゃんが亡くなったんや。葬式とお通夜。3日くらい前から調子悪くて、山場だ山場だって言われまくっててん。それで大阪に急いで戻ってさ』

「そっか…宏太、携帯は?」

『あー…そーゆーことか。そっちに携帯忘れてきてんねん。何もこんな時に連絡入れなくたってええやん。いつも連絡せーへんくせに』

「友里江がさ、何やら宏太を見かけたって言ってて」

『友里江? 正親の元カノの?』

「そうそう。仕事帰りにたまたま会ってさ」

『まぁ俺からは何も言わへんけど、気ぃ付けぇや。女ってのは計算高い生き物やからな』


何か知ってる風な言い方をする宏太。


「友里江が計算高い? 考えられないけどな」

『いくら暴力女でも腐っても女や。女は狙いを決めたら周りからじっくりとくるんや。怖いでぇ』

「…なんかあったのか?」

『そら俺の人生は山あり谷ありや。話したいことは山ほどあるっちゅうねん』

「つまり?」

『今度飲もうってこっちゃ』

「おうよ。その時にいろいろと詳しく聞いてやるからな」

『よし。とりあえずはそっち帰ったらまた連絡するわ。あー友里江とは会うなよ?』

「わかったっての。恭子に嫉妬されても困るし、女関係はなるべく手を広げないようにしてるんだ。瑠璃ちゃんの目も光ってるしな」

『ハハハ。いい監視役が出来て良かったやん。じゃあまたな』

「ん。気を付けてな」


電話を切ると、瑠璃ちゃんが隣に座ってきた。

後ろを見ると、夜ご飯の準備はバッチリだった。


「宏太さん、大丈夫だったの?」

「うん。携帯忘れたまま大阪に戻ってたんだってさ。心配して損した」

「無事で良かったねー。正親さん泣きそうになってたし」

「なってませんー。でも無事で良かったよ」


瑠璃ちゃんの頭を撫でると、瑠璃ちゃんはくすぐったそうに笑った。

あ、そうだ。

友里江にも伝えておかないと。

スマホでメールを送った。


『宏太大丈夫だった。携帯忘れて大阪に帰ってただけだった。心配して損したわ』


送ったあと、席について瑠璃ちゃんと一緒にご飯を食べてる最中に着信音が鳴り、メールが返ってきた。

食後、食器を片付け終わり、瑠璃ちゃんとテレビを見ながらメールを確認してみると、


『宏太馬鹿だわー。心配かけるとかないわー。これはしっかりと奢らせるべき』


と、返ってきていた。

返信しようかと思ったが、宏太の言葉を思い出して、返信するのはやめた。

別にもう恋愛感情はないとは言えども、俺には恭子という彼女がいるのだ。余計なことはしないのが得策だろう。


そして数日後、宏太から連絡があって、二人で飲みに行った。

もちろん迷惑料として、宏太に全部おごらせたのは言うまでもない。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とかライティングしてもらえると、モチベーションがアップテンポでトゥゲザーしていきます(?)


これが投稿される頃には、ちょうどぼっちデイズの聖地巡礼写真をツイッターに上げていることでしょう。

興味のあるかたは覗いてみてくださいませ。

ツイッターでイタズラタイツの名波の絵も描きました。なかなかの自信作w


次回もお楽しみに!

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