ネックレス
10月も中盤。
だんだんと寒くなってきて、日本で一番早い夏の終わりを迎えたと思ったら、早くも冬の気配を感じ始めた。
我が彼女の誕生日が10月の22日ということで、今日は誕生日プレゼントを仕事帰りに買いに来た。こーゆー時は学校が街中にあってよかったと思ってしまう。
札幌駅のステラプレイス内をグールグルと回っているのだが、何をプレゼントすればいいのかわからぬ。
今までも彼女にプレゼントをあげたことはあったけど、イマイチ思い出せなかった。というよりも大学の時に付き合ってた彼女以外は、名前すら思い出せない。そんな青春時代で大丈夫か?
少なくとも恭子がもらって困らないものを渡したい。
よく『困ったら自分が欲しいものをあげたらええねん』っていう宏太がいるけど、実際にそんなことされたら貰った方が困るっちゅうねん。
やっぱり無難に指輪とかの方がいいのかな。なんか恋人っぽいし。
でもペアリングとか授業中につけてたら、俺は冷やかされるだろうし、恭子もピアノの時にカチャカチャなるから外してそう。それに保育士ってきっとアクセサリーとか付けてたらダメな気がする。万が一子どもが飲み込んじゃう可能性とかもあるだろうし。
もし買うとするなら簡単に取り外せるやつか。
でもそんなこと言ったら指輪も簡単に外せるもんな。
もうどうすればいいのかわからん。
「よし。悩むのは止めよう。とりあえず指輪を買うって決めたんだし、店に行ってみるべし」
そう決めた。
そしてとりあえずといった形で、たまたま目に入った店に居た店員さんに話しかけた。
「すみません。指輪を探してるんですけど」
「いらっしゃいませ。どのような指輪をお探しですか?」
どのような…どのような?
「えっと、簡単に取り外せて邪魔にならない感じで、でも彼女に似合いそうな指輪を…」
とりあえず希望を言ってみた。
そして店員さんは苦笑い。
「えっとぉ…彼女さんへのプレゼントですか?」
「あ、はい」
「取り外せる指輪ということは、何か付け外しを頻繁に行うお仕事をされてるんですか?」
「いえ、付けてたら邪魔かなーって。保育士の専門学生なんですよ」
「あら、ずいぶん年の差があるように見えますけど」
「結構離れてますね。ハハハ」
「そうですかー。でしたら彼女さんのことも考えちゃいますよねー。だったら指輪じゃなくてネックレスとかにしてみたらどうですか?」
「あーネックレスー」
それは考えてなかった。もう頭の中は指輪一択だったし。
「それなら学生でしたら研修中とかだけ外してればいいでしょうし、保育士ってピアノ弾きますよね。その時も邪魔にはならないでしょう。それに指輪と違ってあんまり目立たないものなので、気軽に付けてもらえると思うんですよ」
「確かに」
プロは言うことが違うなー。
「ちなみにご予算とかって…」
「決めてないです。気に入ったのがあれば買おうかと」
「でしたら、今人気があるのがこの辺のなんですよ」
そう言って見せてくれたゾーンは、チェーンに小さなハートが2つついているものだった。そのハートには薄いピンクの宝石がついていた。
恭子って、こーゆー可愛い系が好きなのか?
俺にはよくわかんないな。
もっと落ち着いた感じのがいいのか、こーゆー可愛い女の子女の子したやつが好きなのか。
「あっ、こっちのはどうなんですか? 人気あるんですかね?」
「そちらは、人気はさっきのには劣りますが、長く人気があるタイプのモデルですね」
こっちのは、チェーンの先にさっきのやつよりは少し大きめのハートが付いていて、そのハートの下に青い小さい宝石が付いているものだった。
なんか直感でこれがいいと思った。
ピンクだと可愛すぎるけど、青ならちょっと落ち着いた感じもする。
そうと決まれば早かった。
「じゃあこれでおねがいします」
「ありがとうございます。では少々お待ちください」
ショーケースの下の戸を開けて、ガサゴソとして箱に入った商品を取り出した。
そして開けて中身を確認させてくれた。
「こちらでお間違いないですか?」
「大丈夫です」
「ではこちらですね…8万7千円になります」
「8万!?」
値段を見ないで選んでしまったので、思わぬ高額商品を引き当ててしまった。
で、でもこれ気にいっちゃったし…
「…カードで」
「かしこまりました」
まさかの高額だったなぁ…
こうして俺は無事恭子のプレゼントを購入したのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
感想とか書いていただけると嬉しいです。
ネックレスは架空のネックレスです。
実際には無いはずなので、探しにいかないでください。
昨日、正親用の資料ということで、中学2年と高校1年・2年の数学の参考書を買ってきました。
時間があれば解いていきたいと思ってます。
今後はその参考書の知識から正親の数学の知識は出てますので、もし出てきたら『この問題やったのか』とかっていう風に思っていただければ幸いです。
でも3冊で5000円の出費は痛かったw
参考書は値下げすべき。
次回もお楽しみに!




