表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/89

海水浴

車を走らせること30分。

俺の運転する車は海辺の駐車場に停車した。車から降りて伸びをすると、猛烈に暑い日差しが襲いかかってきた。

近くにあった温度計を見てみると、外は30度を超えているらしく、絶好の海日和だった。


「あちー。頭禿げそう」

「お疲れ様ー」


そんな俺に天野が声をかけてきた。

声の方を見ると、ビーチボールを持った白いビキニ姿の天野が笑顔で立っていた。健康そうなからだに白いビキニが映えていた。隣には中村が腰に手を当ててだるそうに立っていて、天野と色違いっぽい黒いビキニを着て、上から薄手の灰色のパーカーを羽織っていた。

ちなみに俺は車に乗り込む前から水着だ。上にはTシャツを着ている。


「もう着替えたのかよ。まだ駐車場だぞ」

「下に着てたんだよねー。一刻も早く武田に見せたくてさー」

「嘘つけ」

「あたしは暑いから脱いだ」

「天野もそんなんだろ?」

「まぁあながち間違いではない。それよりどう? 似合ってる?」


天野がその場でクルリと一回転。


「なんかエロい」

「ほら言ったじゃん」

「なんで二人とも同じ感想なのさ!」

「「だってそう思ったんだもん」」

「息ピッタリだし…」


ホントになんかエロかった。白いビキニのせいか、下着に見えなくもない。

急に脱がれてその水着着てたら、ドキドキするわ。まぁビキニ全般そう見えるか。


「可愛くない?」

「可愛いよ。可愛いんだけどエロい」

「なんだろね。恭子が着てるからエロく見えるのかもしんない。にじみ出るエロさ?」

「にじみ出てんの?」

「はみ出るエロさ?」

「脂肪みたいに言わないでくれます?」

「天野って意外と着やせするタイプ?」

「はぁ!?」

「えっ、何? 俺、なんか変なこと言った?」


急に驚いた声を出した中村。ちょっとビックリして謝りそうになった。

そして呆れたように言う。


「…もしかして、まだヤッてないの?」

「ちょっと香恵っ、瑠璃ちゃん達もいるんだからそんなに大きい声出さないでよっ」


通常トーンで話した中村に、天野が小声で素早く注意した。

そして小声で続ける。


「で、どうなの?」

「それは…ねぇ?」

「あー、うん」

「マジかよー!」


頭を抱えて空を見上げる中村を前に、俺と天野は顔を見合わせてなんとも言えない顔で笑いあった。ザ・苦笑い。


「正親さん。行かないの?」


と、そこへ素晴らしいタイミングで瑠璃ちゃんが割り込んできた。

他の四人は既に歩きだしていて、瑠璃ちゃんだけが残ってくれたみたいだ。


「あーごめんごめん。んじゃ行くか」


駐車場からはそこまで距離はないので、必要最低限のものを持って海へと向かう。

海は混んでいた。

いくら広大に広がっている海とは言えども、砂浜には限りがある。

そのへんの砂浜にテントを立てている1泊組も入れば、俺たちみたいに日帰りなために、シートを敷いている人たちもいる。

俺はシートを敷くと、4隅に砂をかぶせて固定させる。そしてそのシートの上に荷物を置いた。最後にパラソルを立てて完成。ここが今日の拠点だ。


「よっしゃ! じゃあ行ってよし!」


その声と共に、中学生組が海へと走って行った。

天野と中村はそこに立ったままだった。


「お前らは行かないのか?」

「いや、武田は?」

「俺? 荷物見てないといけないし」

「えー。大丈夫だって。荷物の見える範囲に入れば大丈夫だって。だから行こ?」

「恭子ってば、武田と海に行くの楽しみにしてたんだよ」


俺の腕をグイグイと引っ張る天野と中村。

ここまで言われて動かない俺ではない。可愛い彼女の願いも叶えてあげたいのが俺だ。


「よーし。それじゃあおじさん、泳いじゃうぞー!」


そう言ってTシャツをシートの上に投げ捨てて気合を入れた。

…あれ?

なんか二人の目線が冷たい。


「え? あれ?」

「武田、なんか老けたよね」

「うん。おっさん臭さを感じた」

「ちょっ、なんだよ。せっかくテンションあげたのに、その言い方はないんじゃないですか?」

「はいはい。わかったよ」

「さっ。行きますかー」

「何この温度差…」


そんなつぶやきが聞こえていたのかいなかったのか、二人は楽しそうに笑うと海へと駆けていった。

俺はやれやれと思いながら、二人の後を歩いて海へと向かった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


マイクラのハードコアでプレイしていたデータがプレイヤーの死亡と共に消滅しました。

せっかく牧場ができたのに・・・

これだから蜘蛛は嫌いなんです。


次回もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ