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新しい朝が来た

ここから読んでいただける方はよろしくです。

前作から引き続きの方は、あんな感じで続けていきますので、ご注意ください。

「おはよー」

「おーっす」

「おはよーございまーす」

「おーっす」

「おーっす」

「先生にはちゃんと挨拶しろよー」


武田正親(たけだまさちか)。今年28歳。ってもう28歳になるのか。

高校の数学教師として働いている。

今日もすれ違う生徒たちと挨拶を交わしたり指導したりしながら職員室へと向かう。


「おはようございまーす」

「あっ、武田先生。おはようございます」


自分の机に向かう途中にいた高津(たかつ)先生と挨拶を交わす。

高津先生は今年げほんげほん歳になる先輩教師だ。そこまで歳も離れていないせいか、仲が良いほうで、時々飲みに行くときには一緒にいるメンバーの一人だ。


「おはよう」

「どうしたんですか。急に威厳たっぷりみたいな声出しちゃって」

「今年はな。生徒に舐められないようにしようと思ってな。ほら、俺もいい歳だし」

「じゃあ僕が毎年卒業式で泣きそうになってること言いふらしておきますね」

「このキャラはやめるかな。うん」


ここでふんぞり返っているのは、35歳で独身を貫いている秋山(あきやま)先生だ。

この学校の教師の中では一番仲が良い先生だ。飲みに行くときは、秋山先生が中心になるときが多い。

体育の先生で頼りになる先生なんだけど、意外と涙脆い。

そんな先生たちと一緒に仕事をしている俺も、教師になって早5年目の28歳。

時が経つのは早い。

ちょっと前まで新人だと思っていたら、今年は俺のクラスの副担任が新任の教師になっている。

昨日挨拶を済ませたのだが……


「おはようございます!」

「おはよう。笠井(かさい)先生。相変わらず元気いいね」

「はい! ありがとうございます」


そう思っていたら秋山先生とは反対側の俺の隣の席に、ちょっとガッチリしているからだつきの先生が立っていた。ガッチリしているのはからだつきだけで、スーツのネクタイをキッチリと上げて、ピシッと背筋を伸ばして、緊張しているのが丸わかりな新人教師である。

俺は挨拶程度しか話したことなかったけど、去年2年生のクラスに教育実習で来ていたらしい。その縁があってか、うちの学校で採用となったとのこと。


「まぁそんなに硬くならないで。今日は午後からの入学式のあとにちょっとホームルームやるだけだから」

「はい!」

「…そんなに力まなくていいよ?」

「そう、っすか?」

「そうっす。ほら、新入生も引いちゃうし」

「そういうのもあるんですね。勉強になります」

「いや、そこの秋山先生がそれで一回失敗してるんだよね」

「武田センセ。何話してるのか、俺にも聞かせてもらってもいいかな?」

「な、何も話してませんごめんなさい! 暑苦しいです!」


軽くチョークスリーパーをかまされてから、頭をバシッと叩かれた。

秋山先生は、新入生に『これから高校生だ! 気合入れて勉学運動に励むように!』と軍隊めいたことを言った結果、半年ほどビビられてしまい、全然生徒と意思疎通ができなかったんだとか。

そんなことをこの新人教師の笠井先生に繰り返してもらうわけにはいかない。


「仲良しですね」

「笠井ー。教師同士が仲良いのはいいことだぞ。でも間違っても生徒と」

「あーあーあーあーあーあーあーあーあーあー! 聞こえなーい。なんにも聞こえないなー!」

「…どうしたんですか?」

「ハハハ。仕返しだこの野郎」


まったく大人げない人だ。

何を隠そう、今付き合っている俺の彼女は、俺が去年まで教えていた生徒なのだ。そして卒業と同時に交際が始まり、専門学生となった彼女との交際は順調に続いている。

秘密裏に付き合おうと思っていたのに、立ち聞きしているとは露知らず、この秋山先生と今年30歳になる高津先生にはバレている。口封じも兼ねて連れていった居酒屋では、ゴチレースさながらの金額を払わされてしまった。とんだ口封じだよ。

だがしかし、俺は金銭面ではあまり困っていない。

もちろん教師という安定した職業だからというのもあるが、3年前に宝くじで大当りをし、5億という大金を手に入れているのだ。

このことはホントに一部の人しか知らないから、秋山先生や高津先生も知らない。

知っているのは、両親と兄ちゃんとじいちゃん、それと彼女の天野とその友達の中村。そして一番宝くじの影響を受けた愛娘の瑠璃ちゃん。

とは言っても、瑠璃ちゃんとは1週間前に親子になったばかりの養子だ。

これにはいろいろと奇跡のようないろいろなことがあって、『養子になる』ということになった。

そんな瑠璃ちゃんも、今頃は中学校の入学式に参加しているはずである。

本当は見に行きたかったのだが、教師という職業のため、そういう行事には参加できないでいた。


「はーい。おはようございます。それでは今日の朝の打ち合わせを始めたいと思います」


時間になり、伊藤先生が主体となって、教師陣の朝の打ち合わせが始まった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

感想とか書いていただけると嬉しいです。


新シリーズ・・・というより、第二部スタートです。

でも今回は、正親と秋山先生がイチャイチャしてるだけの話でビックリしました。


前作の最終回に伴って、逆お気に入りユーザーがガバガバと増えました。

嬉しかったです。

これからものんびりと続けていきますので、よろしくお願いしますー


次回もお楽しみに!

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